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夫婦+子ども

キッチンに笑顔の花咲くカフェ併用住宅

名護市宇茂佐の森で今年5月、2階建ての新居を構えると同時に、併設してカフェを開いたKさんご夫妻。
住宅部分は、白と黒をベースにしたスタイリッシュなデザインで、キッチンを家の中心に据えた独特の間取り。
一方のカフェは、食堂で長年培った料理の腕にますます磨きがかかり、既に多くの人でにぎわっています。

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☆ 店舗兼住宅が建築可能な土地を探す。間取りはキッチンが主役

いずれは自分のカフェを開きたい。Kさんの奥さまはそうした思いを温めながら、名護市の新興住宅街にある自宅マンションから、大宜味村と東村の母の店まで、日々車を走らせていました。思い描いていたのは、創業20年以上築いてきた母の味を受け継ぎ、気軽に家庭料理を「見て食べて楽しめる」、落ち着いた雰囲気のカフェ。店舗兼住宅にすれば、家庭との両立がしやすい点にも、魅力を感じていました。
長年の夢がついに実現に向けて動き出したのは、2年ほど前。以前から自宅近隣で「いい土地があれば」と物色していたところ、店舗と住宅を横並びに建てられる好適地が見つかり、購入。建築士とは、土地探しに協力してもらった建築会社、はーとほーむ産業からの紹介で出会い、話しやすさにも好感を覚え、設計の依頼を決めました。

まずは店舗部分を充実させることに注力したため、住宅は当初、コストを抑えて平屋にする予定でした。しかし子ども2人の個室と実家から通う母親の休息ルームを設ける必要から、2階建てに変更。最終的にまとまった図面を見ると、家の中心に吹き抜けのキッチンがあり、その周りに居室が配置されたユニークなプランになっています。

「建築士さんと会う前から、キッチンだけはお気に入りの製品を購入済みだったんです。普段は正面の庭を眺めながら作業して、団らん時にはキッチンの周りに家族が集まってくるイメージをもとに設計してもらいました」と奥さま。一般的に最も広いスペースが割かれるリビングは、キッチンを取り巻く居室の一つとして、ダイニングの北側に隠れ家のように置かれています。

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☆ 内装は白と黒で統一。カフェはコンクリ打ち放しの中に植栽・雑貨を展示

 

間取り以上に時間をかけて検討したのが、インテリアデザインです。「ベースカラーは白と黒。場所ごとに一つ一つ素材を選定し、全体のバランスを考えながら、コーディネートしていきました」とご主人。例えば1階フローリングは白を選んだのに対し、2階は黒。階段も、一段目から踊り場までは白ですが、そこから上部は手すりを含め、黒でまとまっています。そういえば事前に購入していたキッチンも、白と黒のモノトーンでした。

空間を広く見せる工夫も特長です。玄関は土間をつくらず、ホール全体をフラットに設計。階段奥のガラス窓越しには屋外の坪庭が見え、開放感が高まります。また2階の長男の部屋とリビングは、床を一段掘り下げることで上下の広がりを演出。この高さを生かし、長男の部屋にロフトを設けるとともに、リビングでは「段差に腰掛けたり床に寝転がったりして、くつろぎながらテレビを見ています」という独特の過ごし方を編み出しました。

一方で店舗はどうなったでしょう。住宅部分とは、玄関ホールから室内扉を挟んで連絡。店内を見渡せば、打ち放しのコンクリートで囲まれた中に、植栽や雑貨を飾って温かみを添えた、落ち着きある空間に仕上がっています。「店名は、地名の“宇茂佐の森”にちなんで、"Cafe森のたね"と名付けました。やがて芽を出し伸びゆく大樹のように、利用してくださる方が少しずつ広がっていけば」とご夫妻。一緒に厨房に立つ母娘の呼吸は今まで以上にぴったりで、オープン以来、多くのリピーターが訪れるようになりました。家庭でもお店でも、大輪の笑顔が満開のようです。

☆ 適切な配置計画で、施主要望の個性的な間取りを無理なく実現

フロア中央にキッチンを据え、リビングは床を掘り込んで家の奥に置き、デザインは白と黒で統一するなど、Kさんご夫妻は家づくりの方向性が斬新かつ明確だったため、建築士としてうまくサポートできるように細かく配慮しながら、プランを整えていきました。とくになかなか例を見ない間取りについては、Kさんの意志と本気度を何度も確認した上で、私もアイデアの幅を広げて提案をぶつけ、やり取りを重ねていきました。とはいえ複雑な要素は一切なく、最終的な平面プランを見れば、吹き抜けのキッチンを囲むように2つのフロアが重なった、シンプルな形に収まったと思います。

デザインも同様に、相談に応える形でいろいろアドバイスを行いました。細かいところでは、階段の白と黒の分岐をどこにするか、玄関回りの壁に塗る漆喰はどの範囲に納めるか、といった点についても、繰り返し話し合いました。また白と黒の空間を引き締めるアクセントとして、玄関ホールにはストーン調の大判タイルを貼り、リビングの床には濃紺のフロアカーペットを取り入れています。

店舗と住宅のボリュームのバランス、配置計画については、用途地域の制限により、おのずと定まりました。Kさん宅は2つの土地をまたいで建っており、用途地域の境界を挟んで店舗と住宅を切り分けています。

コンクリート打ち放しの店舗内装は、奥さまのリクエストによるものです。意向を伺った当初は、家庭料理のお店にふさわしい雰囲気を出せるのか心配でしたが、完成後に植栽や雑貨で彩りを加えるから大丈夫とのこと。念のため明るさと潤いを補うために、天井にトップライトを設け、有孔ブロックを用いた装飾壁には緑を取り入れることにしました。いざお店がオープンして訪ねてみると、無機質な印象がまったく感じられないほどインテリアが上手にコーディネートされていて、センスのよさに驚きました。住宅も店舗も、個性的ですてきな空間に仕上がったと思います。

建設データ

家族構成:夫婦、子ども2人
所在地:名護市
設  計:建築工房ibox(代表/比嘉功)
敷地面積:641.27㎡(約194.32坪)
建築面積:167.27㎡(約50.68坪)
延床面積:187.17㎡(約56.71坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域・
     第一種中高層住居専用地域
構  造:壁式鉄筋コンクリート造
完成時期:2016年4月

●建築:株式会社はーとほーむ産業
●電気・水道:新垣電設工業
●キッチン:TOTO

建築・建設会社

  • ■ 建築工房ibox
  • ■ 名護市屋部542-2
  • ■ 比嘉功
  • ■ 0980-59-6987
  • ■ http://okinawa-ibox.com/

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