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夫婦+子ども

南に大開放。光に満ちた癒やしの空間

採光・通風・自然に富んだ住宅好適地を整備して、親子5人が暮らす平屋の新居を築いたNさんご夫妻。南面に大開口が連続した、低重心で横長のフォルムには、敷地環境の恵まれた条件を最大限に取り込むための機能美が感じられます。回遊性のある生活動線は使い勝手がよく、住むほどに家族になじむ心地よい住宅です。

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☆ 道路側は閉じ、南の庭に向かって大きく開く

古くからの住宅街にポンと置かれた白い箱。通りから見ると、果たして何の建物か摩訶不思議な印象を受けますが、アプローチから門を通ってぐるりと正面に回ると、表情が一変。南の庭に向かって建物全体に開口部が連続した、開放感あふれる住まいが姿を現します。「建築中は頻繁に、地元のおじい、おばあが中の様子を確認しようと、知らぬ間に敷地内にやって来ました。“水タンクだと思ったさ”なんて、冗談をよく言われましたね」とNさんは笑顔。昨年7月の完成後、明るさと風通しのよさを実感したひと夏を過ぎ、現在の季節は居間の中ほどまで差し込んでくる柔らかな日差しに、ほのぼのとしたぬくもりを感じています。
 Nさんご夫妻が家づくりに取りかかったのは5年ほど前。「小中学生になった3人の子どもたち一人一人に部屋を与えたい」との思いが強まり、将来の住宅用に確保していた現在の土地で計画を始めました。当初はご主人の実家に倣い、規格住宅を建てる予定でしたが、敷地の高低差が激しく擁壁工事まで必要になり、見積りを取るとはるかに予算オーバー。計画はいったん白紙に戻されました。
 そんな折に住宅情報紙で、地元の建築士事務所が紹介されている記事が、たまたま目に留まりました。お2人は「一度相談してみよう」と気軽に訪問したところ、トントン拍子に話がまとまり、正式に依頼を決定。新居のプランニングは「ほぼお任せ」で、最初に提案を受けた複数の案から好みのプランを選定し、詳細を詰めていきました。
 土地の手続きに時間を要し、計画がなかなか進まない時期もありましたが、「おかげでじっくりと考え、建築士さんとも話し合うことができました」とご主人は振り返ります。

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☆ 回遊性のある生活動線。爽やかな空気感に癒やされる

 

敷地の横幅を目いっぱいに活用したNさん宅の外観は、軒高に対し水平のワイドな広がりが強調された、低重心で均整の取れたプロポーションが特色です。間取りは風水の考え方を取り入れながら、伝統的な居室の並びを踏襲。南の庭に面して仏壇のある和室とリビングが置かれ、キッチンをはじめ水回りは北西にまとまっています。また子ども室3室と主寝室は、和室の北側の廊下に沿って並べて配置されています。
 LDKと主寝室を結ぶ動線は、この廊下を含めて3本。一つは、芝庭に面して屋外に設置されたデッキテラスです。リビング、和室、主寝室の南側全面に広がり、多目的に使えるアウトドアリビングとしても役立っています。もう一つは、家の北側にある物干しスペースです。キッチンからはすぐ裏手の水回りを抜けてアクセスでき、寝室からは併設のウオークインクロゼットを通って行き来できます。このように、家全体で行き止まりのない、回遊性のある動線が形成されています。 「アパート暮らしの頃と比べて、よく歩くようになりました。住み始めた当初は、おかげで足が痛くなったくらいです」とご夫妻は苦笑い。
 住み始めてから約半年がたち、「最も気に入っているのは、圧迫感のない伸びやかな空気感。普段家にいるときはもちろん、外出先から帰宅したときは特に強く感じますね」とご主人。3人の子どもたちの様子については、「待望の初めての個室。室内は明るく風もよく通り、居心地がいいようです。友だちを自宅に招く機会も増えました」とのこと。
 芝の手入れ、坪庭の整備など、手をかけなければならないことはまだまだ残されていますが、焦らず自由気ままに住みこなしていく。Nさんご夫妻のそんな心の余裕が、室内外に満ちあふれています。

☆ 恵まれた敷地条件を徹底的にプランに取り込む

Nさん宅の設計で第一に意識したのは、南側に大きく開けた恵まれた環境を、徹底的に生かすこと。沖縄の家づくりでは、夏に優勢となる南東の季節風をいかに取り込むかが常にポイントになりますが、これほど好条件の場所にはなかなか出合えません。
 一方で計画地は、もともと木々に覆われた断崖のような環境で、北側前面道路との間には2メートル以上の高低差がありました。そのため隣地とのレベル差にも配慮しながら地盤面を設定し、擁壁を建て盛土、整地を実施。間取りはNさんの要望に従い、伝統的な風水の考え方を盛り込むこと、明るく開放感のある住まいにすること、子ども室は人数分設けることなどを反映しつつ、敷地環境を生かすことを考えれば、それぞれの居室の配置はおのずと定まりました。  開放感を高める仕掛けとしては、庭に面した開口部に掃き出し窓を連続させ、室内からの視線を緩やかに屋外へ誘導。さらに内と外のつながりを強める装置として、南側全面にデッキテラスを配しました。デッキ上部には同じ長さの庇(ひさし)を延ばし、太陽高度の高い夏季の直射日光を遮断。とくにやや奥まった場所にある主寝室の前は、4メートルほどの深い庇に覆われた、半戸外空間になっています。これはかつて私自身が、東南アジア諸国の住環境やライフスタイルを視察した経験からヒントを得たもの。沖縄のような蒸暑地では、屋根に覆われただけの闇のような空間で風を感じながら過ごすことも、快適に住まうための一つの工夫ではないかと考えています。
 大きく開いた庭側に対し、道路側はプライバシーに配慮して完全に閉じています。そのため和室の奥にある子ども室は、開閉可能なハイサイドライトを南側壁面に設置するとともに、北側の物干しスペースに面して掃き出し窓を設置。日中は南北から十分な採光が得られ、窓を開ければ風が通り抜けます。またキッチン、主寝室の脇には明るさを補うために、中庭を設けました。  建築家としてキャリアを重ねていく上で、高台にポツンとたたずむオブジェのような作品を、いつか手がけてみたいと考えていました。今回はそのための敷地条件が整い、Nさんの賛意・ご理解もあって、熱意を込めて設計を進めました。積年の念願が一つ実現できたのではないかと思います。

建設データ

家族構成:夫婦、子ども3人 所在地:南風原町 設  計:有限会社門一級建築士事務所 敷地面積:792.00㎡(約239.58坪) 建築面積:190.35㎡(約56.14坪) 延床面積:151.85㎡(約45.93坪) 用途地域:無指定 構  造:鉄筋コンクリート造平屋建て 完成時期:2015年7月 建築:有限会社丸義建設 電気:有限会社オーケイ設備 水道:有限会社オーケイ設備 キッチン:有限会社MOV

建築・建設会社

  • ■ 有限会社門(じょう)一級建築士事務所
  • ■ 南風原町津嘉山750-1
  • ■ 金城 司
  • ■ 098-888-2401
  • ■ http://www.jo1q.com/

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