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夫婦

海まで一直線に視界が伸びる大開口の家

県内で多数の住宅設計を手がけてきた建築家のHさんは、昨年1月、うるま市の高台に自邸を築きました。 打ち放しのコンクリートと大きな開口で建物の輪郭を構成し、室内の仕上げには無垢で質感のある素材を中心に選定。 高台からの眺望をうまく室内に取り込み、経年変化も楽しめる、快適な住まいに仕上がりました。

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☆ 高台の絶好のロケーション。海の眺望を最大限に生かす

 崖下の坂道からHさんの家を見上げると、コンクリートの壁で仕切られた大開口が横並びに3面、真東の海に向かってまっすぐに口を広げています。一番左がオフィスで、中央がパブリックなスペースとして設計されたLDK、そして右端が、主寝室、ゲストルーム兼趣味室、水回りからなるプライベートスペースです。
 坂道を上って南側の接道へ回り込み、玄関の水盤に癒やされたらまずはリビングへ。ふと右手を見れば、室内から屋外のテラスへと連続する壁と庇(ひさし)に誘導されるように、水平線のかなたまで、視線がすとーんと抜けていきます。 「敷地を初めて見たときから念頭にあったのは、海の眺望が開けたロケーションのよさを最大限に生かすこと。特に生活の中心であるリビングには、木製の大型引き込み戸を造作し、室内外の一体化を図りました。戸を全開して壁内の戸袋に収めれば、より開放感あふれる雰囲気が楽しめます」とHさん。この大開口は、室内に風を招き入れる役割も果たし、テラスからLDを通ってキッチン奥の中庭まで、爽やかな海風が絶えず吹き抜けていきます。
 自宅の設計を始めたのは3年前。奥さまのご両親の土地を運よく使えることになり、じっくりと計画を進めました。待望の新居が完成したのは昨年1月。「居室だけではなく、バスルームもオーシャンビュー。新築後、海を見ながらお風呂に入ることが夢だったというお義父さんに、文字通りの“一番風呂”に入ってもらいました」と懐かしみます。
 住居用のエリアとオフィスは完全に分離。さらにLDKとプライベートスペースは、干渉せず独立して使えるようになっています。「一人がゲストの相手をしているときに、もう一人は気兼ねなく休むことができる。暮らしの幅が広がり、とても便利ですね」と奥さま。とはいえ両スペースを隔てているのは、キッチンと主寝室の間の2カ所に設けられた扉のみ。どちらを通ってもぐるぐると、気軽に公私の空間を行き来できます。

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☆ 床のレベル差が視線の変化と居心地のよさを生む

 

 建築をなりわいとするHさんに対し、すべてが初めてづくしの奥さまにとっては、新鮮な驚きの連続でした。Hさんは奥さまの意向をくみ取りつつ、理想の住まいの実現に向けてプランに反映。例えばLDKの床面は、「石敷きにしたい」との要望を受け、何種類もの石材に実際に触れた中から、ナチュラルな割り肌の玄昌石(げんしょうせき)を選択。コンクリート打ち放しの壁面も、「フラットな仕上がりではなく、何らかの質感がほしい」という奥さまのイメージと、Hさんの思惑が合致して、普通型枠と杉板型枠を用いて木目模様を表現しました。
 このほか「以前に住んでいた外国人向けの古いアパートで、寝室とバスルームが隣り合った動線がとても使いやすかったので」と同様の間取りを取り入れたり、主寝室と洋室の床はフローリングにしてLDKとは趣を変えるなど、一つ一つこだわり深くプランを煮詰めていきました。
 住み始めてから快適さ、便利さに初めて気付くこともしばしば。LDKの床はバリアフリーではなく、リビングと比べてダイニングは30センチ、キッチンは15センチそれぞれ高く、逆にテラスは10センチ低く設定されています。ワンルーム的な大空間でも、わずかなレベル差によって場所ごとの性格が色分けられ、視線にも変化が生まれます。
 そしてDKをまたぐように、全長410センチの一枚板を使った、ダイニングテーブル一体型のオリジナルキッチンが置かれています。「大人数が集まると、不思議なことに、リビングでくつろぐ人とダイニングでおしゃべりする人に、自然と分かれるんです。段差があるだけで、こうやって人の流れに変化が生まれるなんて面白いですね」
 Hさんの家を訪ねた人は皆、人と住まいの原点のような気持ちのよさを、本能的に感じ取っているのでしょう。

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