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母の思いを紡ぐコンパクトな平屋

奥さまの退職を機に、母親と一緒に暮らすことにしたIさんご夫妻は、介護に最適な機能・動線を整えた、平屋の住まいを新築。陶芸家であるご主人の作品を飾るギャラリーとしても、見応えがある住宅です。

こんな家!

☆ 設計コンペの提示案から、好みのプランを選ぶ

 打ち放しのコンクリートが艶やかな光沢を放つIさん宅は、95歳を超える母親のために建てた家です。陶芸家であるご主人の工房を一つ建て替えて、2LDKの平屋を築き、母親が昨年亡くなるまでの3年間、ご夫妻と一緒に3人で生活していました。
 「生前は友だちやデイサービスの職員さんをいつも招き入れ、家の自慢話を繰り返していました。それほど新居の暮らしに満足していたんですよ」と奥さま。現在は同じ敷地内にある長男宅と行き来しながら、夫婦2人で暮らしています。
 この家ができるまでのプロセスには、2つの段階がありました。最初のステップは6年前。奥さまの退職を機に、新たに家を建てて、母親と同居することにしました。
 そのときに利用したのが、「沖縄家作人(やーつくやー)ネット」のシステムです。12社の設計事務所が設計コンペを開催し、6つ以上のプランから気に入った案を自由に選べるという仕組みに興味を抱きました。
 当時は長男一家と長女も同居する予定だったため、Iさんが希望し、選択したのは、現在の住居よりふた回り以上大きな2階建てのプランでした。しかし間もなく母親が体調を崩し、計画は一度白紙に戻りました。
 それから約1年後、沖縄家作人ネットの事務局から見舞いを兼ねた連絡が届き、それが第2ステップへ進む引き金になりました。その頃には母親も元気を取り戻しており、Iさんは改めて家づくりの意思を確認。そして今度は、介護での使いやすさを第一に考え、規模をギュッとコンパクトにした平屋のプランを作成してもらいました。

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☆ 屋根に勾配を付けて、室内の開放感を演出

 

新居の間取りは、介護用の生活動線を最優先に組み立てられています。

 まずは駐車場から、なだらかなスロープを通って玄関へ。玄関の土間と室内の床面は、レベル差がないバリアフリー設計です。家に上がり玄関ホールの戸を開けると、かつて母親がたくさんの人とおしゃべりを楽しんだ、明るいリビングが現れます。その正面に介護室、つまり母親の個室があり、シャワー室とトイレが併設されています。
 一方でIさんご夫妻にとっては日常の生活空間であり、住み心地を高めるための工夫やこだわりも随所にちりばめられています。
 例えばリビングとダイニングの天井は、他の居室より一段高く設定されています。これはもともと2階建てのプランのときから、「開放感を出すために吹き抜けは絶対にほしかった」というIさんの強い要望を、建築士がくみ取ってくれたものです。さらに天井付近には開閉式のハイサイドライトを設け、介護室や主寝室にも光と風が行き渡るように配慮されています。
 ご主人の作品を飾る、ギャラリーとしての性格も備えています。玄関ホールに専用の展示スペースを設けるとともに、門塀には美術館のようにガラスケースを設置。道行く人が鑑賞できるようになっています。
 「介護用に建てた家ですが、すべての要素がコンパクトにまとまっていて、夫婦2人住まいには最適の広さです」と奥さま。介護室は母親の生前のまま、きれいに整頓されており、「生きていれば100歳を迎える誕生日まで、使わずに空けておくつもりです」と話しています。

建築・建設会社

  • ■ 株式会社西筋(いりすじ)総合設計/沖縄家作人(やーつくやー)ネット
  • ■ 株式会社西筋(いりすじ)総合設計 098-859-2051/沖縄家作人(やーつくやー)ネット 098-869-3313

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