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二世帯住宅

表情豊かでスタイリッシュな住まい

見晴らしのよい那覇市の高台に建つMさん宅。リノベーションを手がけた経験や、海外生活で得たセンスを存分に発揮し細部にまで配慮を巡らせた、暮らしやすさと遊び心を兼ね備えた住まいです。

こんな家!

☆ リノベーションの経験を生かし自らプランを練る

「私、間取りやインテリアを考えるのが好きかもしれない」。施主のMさんが、自らの内なる好奇心に初めて気付いたのは、5年ほど前まで暮らしていたマンションのリノベーションを手がけたとき。建築士事務所に依頼して、壁、床、天井、設備などをすべて一からつくり替える、いわゆる“スケルトン・リフォーム”を行いました。建築士と相談しながら、部屋のレイアウトや空間の仕切り方を自由に考え、クロス、タイル、照明などのデザインを一つ一つ決めていく作業は、心躍る楽しい経験でした。
 その後、離れて暮らしていた高齢の両親を気遣い、近隣のマンションに移転。しかし近距離とはいえ、いざというときを考えたら「バリアフリーの二世帯住宅を建てて、一緒に暮らしたほうがいいだろう」と思うようになり、今回の家づくりへと至りました。
 Mさんが購入した土地は、ほぼ真南にまっすぐ開いた高台の眺望地です。以前から気になっていた場所が売り出されたのを見て、不動産会社に問い合わせたところ、トントン拍子に話がまとまりました。
 建築会社の選択理由は、「設計・インテリア・施工・営業の各セクションに専門スタッフをそろえ、安心してお任せできたので」と振り返ります。
 土地と依頼業者さえ決まれば、あとはMさんの真骨頂。かつてのリノベーションでの経験を生かし、1階を親世帯、2・3階を自世帯とする詳細なプランを自ら考案しました。
 これまでの生活から学んだ住まい方のヒントや独自のこだわりも随所に盛り込み、「このまま使っても大丈夫そうですね」と担当の建築士からのお墨付きも得て、スムーズに基本設計・実施設計へと進んでいきました。
 念願の新居は今年8月に完成。南側の前面道路から見上げたファサードは、周囲の景観に溶け込むシンプルなたたずまい。琉球石灰岩で造形したヒンプンや、朱色の琉球瓦をのせたアプローチの屋根に、さり気ない沖縄らしさが感じられます。

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☆ 動きをつけて表情豊かに。家具と調和した空間デザイン

 

 Mさん世帯へは2階玄関からアクセス。玄関ホールとダイニングの仕切りにあしらわれた花ブロックが、緩やかな目隠しの役割を果たしつつ、意匠面でも室内外に涼やかな印象を与えています。
 間取りは上下階で公私の性格が分かれ、2階にLDKと家族共有の書斎、3階に主寝室、子ども室、ゲストルームを配置。全般的に表情豊かで空間に動きが感じられるのは、部位ごとに丹念に素材を選定し、さらに「コンクリートの梁(はり)をデザインの一部として積極的に生かしたい」との意向が形になって表れているからでしょう。
 2階リビングは、「眺望を楽しみながらバルコニーと行き来するようなにぎやかな空間ではなく、落ち着いて過ごせる場所にしたいから」とフロアの北側に設定。北東のコーナーを挟んで大きく出窓を連続させ、一日を通して安定した北面の光を取り込み、明るく穏やかな雰囲気に仕上げました。フロア中央で向き合うダイニング&キッチンとの、程よく間の取れた一体感も絶妙です。
 一方の2階南面は、もともとフリースペースの予定でしたが、「家族みんなでパソコンを使えるように」と長年愛用の机を置いたら、たちまちすてきな書斎の出来上がり。このように、家具の配置を計算に入れた空間構成は実にお見事で、ほかにも、例えばダイニングに張り出した階段は、「踊り場の下にポータブルテレビを置けば、納まりがよくて圧迫感も薄まるだろう」との想定をもとに取り入れたもの。階段には蹴込がなく、手すり格子のすき間から視線もよく抜けるので、吹き抜けのような開放感さえ生み出しています。
 那覇の市街を望む広いバルコニーは、眺めを楽しみ、くつろぐための独立した空間です。コンクリート表面には琉球石灰岩調の装飾が施され、躯体と一体化したテーブルとベンチが備わっています。友だち数人が集まれば、たちまちすてきな女子会の始まりです。

☆ 施主がイメージした空間を、ディテールまで吟味した仕上げ材で包む

 Mさん宅の新築工事は、部位ごとにディテールを詰め、仕上げ材を入れ替えながら丹念に納まりを考え抜いた、印象に残る現場になりました。

 Mさんは自ら間取りを考案するだけではなく、デザイン、サイズ、仕上がりに対しても鮮明なイメージをお持ちでした。海外生活の経験から幾つもヒントを得て、例えば天井はすっきりとフラットに仕上げるのではなく、梁を表に出してインテリアに活用し、リビングの一部の窓には格子状のサッシを設置して、ヨーロッパテイストにまとめました。また2階バスルームは、浴槽・洗面化粧台・トイレをひと部屋にまとめたスリーインワンスタイルです。意匠だけではなく機能面もしっかり考えられており、2階浴槽は“お湯につかりたいときだけ”に使う場所。衛生上の配慮から、洗い場に通常あるような排水トラップはありません。髪や体を洗うときは3階シャワールームでと、役割を分けています。

 施工時は実際の仕上がりイメージを共有するために、担当のインテリアコーディネーターを交えて、現場での打ち合わせを繰り返し行いました。細かいところでは、キッチンカウンターや階段下のタイル施工時に、コーナーの取り合い部分のエッジが気にならないように、コーナーを緩やかに覆うようにアール加工したタイルを特注しました。また階段も、かなりのボリュームがあるので、見た目に重さが出ないように、支持材を用いずに施工できるぎりぎりの範囲まで調整しました。

 しかしそれ以上に苦心したのが、工程の管理です。一つ一つの部位にこだわりを込めてつくり上げていくには、さまざまな職人さんの力が必要です。どの場所からどの順番で仕上げていくべきか、周到に準備を重ねて工事を進めていきました。

 引き渡し後、運ばれてきた家具が室内のデザインと調和しているのを見て、Mさんのセンスのよさを改めて実感しました。照明の置き方、鏡の使い方一つまで、私たち自身にとっても仕事の幅を一段と広げられる、新鮮な機会になりました。

建設データ

家族構成:夫婦、子ども2人、母親
所在地:那覇市
設  計:株式会社アイムホーム デザイン
敷地面積:215.89㎡(約65.31坪)
建築面積:101.25㎡(約30.63坪)
延床面積:213.74㎡(約64.66坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
構  造:鉄筋コンクリート造3階建て
完成時期:2015年8月

建築:株式会社アイムホーム
電気:有限会社美光電設
水道:日信工業株式会社
植栽:有限会社西原農園
照明:パナソニック リビング ショウルーム沖縄
琉球石灰岩床造形:株式会社マールエクステリア
内装:株式会社正内装
塗装:丸徳塗装

建築・建設会社

  • ■ 株式会社アイムホーム
  • ■ 北谷町桑江251-2
  • ■ 098-989-1659
  • ■ http://www.imhome-okinawa.co.jp/

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