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夫婦+子ども

コートで採光。「白と透明」の素材でできた家

那覇市の住宅街に昨年10月に完成したHさん宅は、親子3人が暮らす2階建てのコートハウスです。
白と透明の素材で内装デザインを統 一 し、東面に大きく設けたコートから効果的に採光。
納まりの工夫で開放的な印象を高め、夏涼しく冬の寒さを抑えた、居心地のよい住まいです。

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☆ 外からの視線を遮り中に開く。コートの位置を軸に間取りを決定

白と透明。それがHさんご夫妻の、とりわけ奥さまが強く要望した、家づくりのコンセプト。床も壁も天井も、建具も収納も水回り設備も、視界に入るほとんどすべての空間要素を、いずれか2つの素材だけで構成する徹底ぶり。コート(中庭)から見上げる空の青さに、ひときわすがすがしさを覚えます。
 マイホームの計画を考え始めたのは3年前。「平行して分譲マンションも検討しましたが、将来の資産として土地も残るので」と一戸建てを選択。場所はご主人の通勤や生活の利便性を最優先し、那覇市の新しい住宅街にある40坪弱の分譲地を購入しました。
 設計の依頼先の選定基準は、当然、「白くてシンプルな作品を多く手がけているところ」。県内の建築家や建築会社の情報をインターネットでくまなく調べ、最も好みに合った建築士事務所に絞り込みました。しかもそこは、 「以前に事務所の前を通りかかったとき、それとは知らずに“理想的なたたずまいのオフィスだなあ”と印象に残った建物だったんです」という偶然も重なりました。
 2階建てのコートハウスにすることは、当初からのイメージ通り。必要な部屋数と土地の広さを勘案し、これから四方に住宅が建ち並ぶであろう周辺環境の中で「外からの視線を気にせず伸び伸び過ごしたい」との要望を踏まえれば、ごく自然な結論でした。
 間取りはご夫妻が考案したラフプランをベースに、建築士と相談しながら煮詰めていきました。まずは安定した採光が得やすい敷地東面に、コートの場所を設定。次いで「キッチン正面にコートを眺められ、LDK全体の開放感も高められるように」「入浴中も露天風呂感覚で、コートを通じて外の気配が感じられるように」などの構想に従い、各部屋、各スペースの位置関係を定めていきました。

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☆ 開放的な印象を高める無垢な空間。清涼感ある素材で夏を快適に

 

白と透明の素材感を際立たせ、空間全体をすっきりと広く見せる細かな工夫も、Hさん宅の見どころです。例えば1階はコートを含め、すべての床面に同じ大判のタイルを施工。室内外の境界を曖昧にして統一感を高め、LDKの延長としてコートを意識に取り込むことで、実際の面積以上のボリューム感を生み出しています。
「2階の主寝室と子ども室のほかにもう一つ、ゲストルームに使える個室がほしいと思い、リビングの脇に4・5畳のスペースを設けました。若干手狭に感じるのではないかと心配しましたが、まったく問題ありませんでしたね」と奥さま。またダイニングの開口部に採用した、ほぼ天井高いっぱいのフルオープン折れ戸も、開放感アップにつながる効果的な仕掛けの一つです。
 テレビやパソコンの電気配線や、クーラーなどの設備器具が表に出ないように、巧みに造り込んだ建具・収納も大きな特長です。特にテレビ回りの扉内に埋め込んだサラウンドシステムは、ご主人が最もこだわって導入したもの。「私も妻も大の音楽好き。起きている間は常に何らかの曲を流しているし、映画を鑑賞するときも臨場感があって、大満足です」と笑顔。同様の音響設備は、バスルームにも取り入れたそうです。
 新居は昨年10月に完成。冬と夏を一回ずつ経験し、想像以上に快適な住み心地を実感しています。
「タイル敷きの床やガラス張りのバスルームなど、家の造りは完全に夏仕様。むしろ冬の寒さが気になっていたのですが、今年の冬もそれほど冷え込まず、これなら大丈夫だと一安心しました。夏は予想通りの涼しさでしたね」。
 子どももすくすくと成長中。無垢(むく)な空間だからこそ、一つ一つの生活シーンが鮮やかに映え、家族それぞれの記憶に深く刻まれそうです。

☆  外部環境の変化に左右されず、快適で安定した住空間を保つ

当初から、明確な要望と新居イメージをお持ちだったHさんご夫妻。プランづくりでは、ご自身で作製した間取り図をベースに、私からも幾つか提案を行い、現在の形へとまとめ上げていきました。2階建てにすることは基本条件に、子どもたちが巣立ったあとの暮らし方まで見据えて、階段を上り下りせず生活が完結するように、1階にLDKと水回り、個室一室を用意。2階には個室2室を置き、廊下沿いの片側壁面を収納に充てました。
 家の形状は、外部からの視線を遮りプライバシーを守りつつ、中庭に向かって大きく開いたコートハウスにしました。Hさんが購入した分譲地は、開発されて間もない住宅街にあり、隣地周辺にこの先どのような建物ができるのか不明瞭です。そうした将来のリスクを排除して、長年にわたって安定した住空間を築く手法としては、都市部では極めて有効です。一見すると閉鎖的な印象を抱きがちで、通風が損なわれるのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、私たちの経験上、適切な開口計画を立てればまったく問題ありません。
 室内の開放感を高め、すっきり広々とした雰囲気に仕上げる工夫も随所に施しています。例えば建具やガラス戸は、垂壁をなくしてできるだけ天井高にラインをそろえ、視界の広がりを確保。境界部分は異なる素材が目立たないように、建具の下レールには、建具と同じ素材をかぶせて目隠しをしています。またキッチンには、背面の食器棚の手前に、目隠し用の引き戸を設置しました。フルオープンの対面式のため、どこから見てもすぐ全体の様子が目に入りますが、戸を一枚閉めるだけで、急な来客時でも簡単に対応できます。このほか2階の廊下では、天井にルーバーを配し、その上にエアコンや配管類を収容しています。このように、設備機器が生活空間に表れないように納めることも、従来から取り組んでいる手法です。
 外観デザインは、白一色の内装とはやや趣を変え、玄関回りのボックス部分だけコンクリートの打ち放しで仕上げました。また階段回りの換気窓を縦一列にすき間なく並べることで、外壁の雨垂れ汚れを防止。頻繁に清掃しなくても美観が保たれると、Hさんにも好評です。

建設データ

家族構成:夫婦、子ども1人
所在地:那覇市
設  計:有限会社門(じょう)一級建築士事務所
敷地面積:130.77㎡(約39.56坪)
建築面積:64.05㎡(約19.37坪)
延床面積:100.31㎡(約30.34坪)
構  造:鉄筋コンクリート造2階建て
用途地域:第一種低層住居地域
完成時期:2015年10月

●建築:株式会社金城組

建築・建設会社

  • ■ 有限会社門(じょう)一級建築士事務所
  • ■ 南風原町津嘉山750-1
  • ■ 金城 豊
  • ■ 098-888-2401
  • ■ http://www.jo1q.com/

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