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母屋と離れでほどよい距離感。分棟型2世帯住宅

株式会社現代設計(那覇市松島)に勤める建築士の奥原和明さんは、自身の家族と母親が一緒に暮らす2世帯住宅を自ら設計し、3年前に新築しました。
母屋と離れからなる分棟型で、両棟の間は中庭と通り土間で連結。屋根の構造・形状を工夫することで室内環境を整えたり、
ライフステージの変化に合わせて柔軟に住み方を変えられたり、プロの自邸ならではのアイデアがちりばめられています。

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☆ 大小異なるサイズの分棟型。 世代を超えて住み継げる家

2世帯住宅の計画を始めたきっかけは、数年前に父親が他界したため、将来的な母親の生活と自分たちの生活を考えてのこと。「新築後も引き続き、なじみのある環境で暮らせるように」と今まで母親が住んでいたのと同じエリア内で土地を購入し、2年ほど時間をかけてプランニングに取り組みました。
 一般的に2世帯住宅といえば、上下二つのフロアを親子世帯で住み分ける形態が多く見られますが、奥原さんが採用したのは、平屋の建物を2棟用意する「分棟型」。また建設コストを抑えながら、身の丈に合った家づくりをするアイデアとして、二つの建物を延床面積約30坪の「母屋」と同約12坪の「離れ」に分け、世帯を限定せず自由に使い回せるように計画しました。
「予算が限られているので大きな住宅は建設できないし、中途半端に同じサイズの建物を用意しても、年月とともに家族構成やライフスタイルが変わっていけば必ずどこかに持て余すスペースが出てきてしまいます。その点、今回のように大小異なるサイズにしておけば、その時々の生活ニーズに応じて簡単に住み替えられるだろうと考えました」。
 実際に、3年前の新築当時から現在にかけて、子どもたちはすくすく大きくなり、人数も一人増えたため、奥原さん家族は離れから母屋に移り、入れ替わりで母親は母屋から離れに引っ越しました。どちらの建物にもキッチンをはじめ水回りが備わっているので、何不自由なく快適な、独立した生活を営むことができます。
 また両棟は共有の中庭を挟んで向き合い、お互いの玄関は通り土間で結ばれています。奥さまは「子どもたちがどこにいても、すぐに目が届くし気配が感じられる」と安心感を覚えるとともに、「通り土間は外履きで移動します。母屋と離れは5メートルほどしか離れていないのに、“靴を履く”という動作が加わるだけで、一定の心理的な距離感が生まれるのが不思議ですね」。一つの同じ敷地内でありながら、まるでご近所付き合いをしているような、つかず離れずの関係が保たれています。

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☆ 屋根の下は大きなワンルーム。構造を工夫して熱環境を改善

 

奥原さん宅の構造は補強コンクリートブロック造で、屋根の形状は、木造の古民家などによく見られる寄棟造。室内はどの部屋も天井が張られておらず、間仕切り壁も天井と切り離されて屋根裏が一つにつながっており、見上げれば棟の部分(頂部)には大きくトップライトが設置されています。
「沖縄の家の住み心地は、夏季の室内の熱環境に大きく左右されますからね。温まった空気が屋根の勾配に沿ってトップライト付近に集まる仕掛けをつくり、それを一気に排熱すれば、効率的に熱環境を改善できます」。
 現在は盛夏の8月でさえ、母屋の冷房は和室のエアコン一台で間に合っています。  
 天井を張らなかった理由はもう一つ、「南面から取り込んだ夏季の季節風を、北側の部屋まで無駄なく届けるため」。同様にトップライトには、「北側の部屋の明るさを確保する」という役目があります。
「設計段階では妻や母親から、居室間を完全に間仕切らないことで、音漏れの心配をされました。でも今のところは、一番下の子を寝かせるときに少し気を遣うくらいで、大きな問題はありません」。
 新居で暮らし始めて間もなく丸3年。「家族ぐるみのご近所付き合い」はますます進展し、二家族三世代が自由に行き交う敷地内は、いつでも子どもたちの明るい笑い声でいっぱいです。きれいに手入れされた中庭の芝生や植栽は、緑が大好きな母親が一人熱心に整備したもの。「孫たちの手がかからなくなったら、家庭菜園にもチャレンジしてみたい」と虎視眈々と機をうかがっています。 奥原さんは、改めて一連の計画を振り返り、「今回チャレンジしたさまざまな創意工夫は、実は予算面の制約があったからこそ生まれてきました。“窮すれば通ず”のことわざ通り、追い込まれても諦めずに考え続ければ、思わぬ活路が開けるものですね」と笑顔。今年5月にはこの住宅が建築賞にも選ばれ、今後の設計活動の大きな自信になったそうです。

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