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夫婦+子ども

空を仰ぎ、思い出を育む平屋のコートハウス

白く塗装された四角い躯体に、コンクリート打ち放しのサブスペースが付随した、スタイリッシュな外観のSさん宅。外部からの視線を完全に遮りつつ、コート(中庭)を活用して採光・通風を図る「コートハウス」スタイルの建物で、家族の団らんを自然と促し、子どもたちの健やかな成長につながるよう、空間の配置や光の取り入れ方などが緻密にプランニングされています。

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☆ 独創的なデザインと実用的なプランニングに魅せられる

他にはない、家全体が一つの空間でつながったような建築的・デザイン的な面白さと、子どもたちのこれからの成長をわが身のように捉え、その思いをプランに落とし込んでくれた建築士の熱心さと。Sさんご夫妻が依頼先を選んだ決め手は、そんな2つの側面に深く共感したことが大きな理由でした。
 家づくりの計画を始めたのは約4年前。「長男が物心を覚える年頃になり、そろそろ家族の思い出を育んでいける場所を用意したい」と考えたお2人は、一戸建てとマンションを両にらみで検討を進めた結果、約70坪の広さがある現在の土地を購入。建築士との出会いは知人づての情報がきっかけで、「コートハウスに実績のある設計事務所で魅力的な新居を建てた同僚がいる」との話を聞き、ホームページ上で完成写真や設計コンセプトを確認。箱型の形状を組み合わせ、白を基調にすっきりとまとまったその姿は、密集地とは思えないほど開放的で爽やかな印象にあふれ、「こんな雰囲気の家だとすてきだね」とお互いに一目で気に入りました。 
 プランづくりには1年以上の時間を費やしました。「平屋のコートハウスにする」ことを前提に打ち合わせを重ね、家の向きを変えたり、コートを2面に設けたりと何パターンもの提案を受けながら、最終的には「最もシンプルな形状で生活がイメージしやすい」現在の形に落着。平面図を見ると、きれいに整った長方形の躯体内部にすべての居室が収まり、扇形をした敷地形状に合わせて、水回りスペースだけが長方形の外側に突き出ています。
 間取りとしては、敷地南側に大きくコートとリビングダイニングが並び、それを見渡すように対面キッチンが置かれています。リビングの脇には小上がりの畳間があり、寝室・子ども室兼用のプライベートスペースは、キッチン奥の北側に配置。水回りへはダイニングからアクセスできます。

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☆ 連続性のある空間と“抜け感”のある視覚効果で広さを演出

 

Sさん宅は建坪約28坪。限られた面積の中で、いかにのびのび広々と暮らせるか。物理的な一つの解決手段は、高さを生かすこと。Sさんはリビングの広さと合わせて、「天井高を少しでも上げて開放感を創出したい」と要望し、標準より40センチ高い全室2.8メートルに設定しました。 
 もう一つの手段は、視覚的な効果を用いること。例えばリビングとコートは全面ガラス窓で仕切られており、どちらにいてもお互いのスペースが隅々まで見通せるため、実際以上の広さが感じられます。そしてコートに立てば、壁の上には空がのぞき、視線につられて意識も外へ外へと抜けていきます。視線を空へといざなうこの仕掛けは、寝室・子ども室北側のハイサイドライトと、水回りの坪庭にも採用されています。
 デザイン面では、白い壁とダークブラウンの床を内装のベースにしました。その上で、空間の性格に応じて趣に変化をつけるために、LDKの天井は床と同系色の板張りにし、キッチン回りや和室の木部も同じカラーで統一。一方でプライベートな寝室・子ども室は、収納も天井も白の塗装で仕上げました。また水回りスペースだけがコンクリート打ち放しであるのは、「建築士さんがこれまでに手がけた作品を眺めると、打ち放しの住宅・施設が多く見られたので、記念にそのカラーを取り入れてみました」とのことです。
 新居が完成したのは今年3月。「できるだけ物を置かずにシンプルに暮らしたい」との意向に加え、造り付けの収納を豊富に用意したことから、半年以上たっても家の中は依然引き渡し直後のよう。その代わりにコートには植栽が増え、緑の木々が真っ白なコートを彩り始めました。そして子どもたちは狙い通りに、リビングとコートの間を見境なく行き来して、昼夜を問わず遊び回っています。
「どこにいてもすぐ目が届くし、気配も感じられるから安心ですね。これからもこんな具合に、家族みんなで一緒に過ごしながら、楽しい思い出を育んでいけたら」。 
 そう、いつだって僕たち夫婦は、君らを見守っているから大丈夫。もし一人ぼっちのときにコートで転んだり、あるいは少し大きくなって悩みができて、一人で部屋に閉じこもったりしたときには、ちょっと顔を上げてごらん。どこまでも広がる空が見えているから。

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