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こだわりのスペース

機能と遊び心が共存する、くつろぎ空間

ご主人の実家がある敷地を分筆し、親子6人が暮らす平屋の新居を構えたTさんご夫妻。
正対する実家に向けてリビングと子ども室に大きく開口を取り、採光を図るとともに両世帯の緩やかな交流を促進。
明るく開放感のある室内は、一つ一つのスペースがゆったりと設けられ、LDKと子ども室の間には回遊性のある動線を確保。
隅々まで細やかな配慮が感じられる、個性豊かな住まいです。

こんな家!

☆ どんなプランが見られるか。建築士と家づくりを行う醍醐味を楽しむ

壁から突き出し宙に浮いた「カロヤカキッチン」、隣り合うご両親世帯との間に架かる「3世代のアマハジ」など、図面を見ただけで心ときめくネーミングがなされたTさん宅。この家を特色付けるこうした仕掛けの数々は、ご夫妻の意を汲みプラスアルファの要素を添えて、建築士が提案してくれたもの。
「学生時代から建築に興味があり、さまざまな要求・条件に対してどんなプランで応えてくれるのか、それを見るのも一つの醍醐味だったので」というご主人の姿勢が、機能的かつ個性的な住まいの形へとつながりました。
家づくりの計画を始めたのは3年前。子どもが増えアパートが手狭になったことを機に、ご主人の実家がある敷地を分筆し、東面の大通り沿いに約60坪の用地を確保。さっそく県内で活躍中の建築家が集まるイベントに参加して、一人一人の実績・作風などを吟味した後、最も好みに合った建築士を指名しました。「斬新で意欲的な作品が多く、しっかりと筋も通っている。いい意味で理屈っぽい点も気に入りました(笑)。また私たちと同じ子育て中の世代ということもあり、同じ感覚で設計してもらえるだろうと安心感がありました」。
最初に伝えた要望は、「LDKと子ども室はゆったりとスペースを広く取り、リビングは天井を高くして開放的に。大通りからの視線を気にせず暮らせるように」といったもの。当初は2階建てにする予定で計画を進め、半年ほど話し合いを重ねた後に「平屋にして、子どもたちがのびのびと走り回れたほうがいいだろう」と大きく軌道修正。そのため打ち合わせ期間は1年近くに及びましたが、「間取り自体は、提示されたファーストプランからほぼ変更ありませんでした」とのことです。

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☆ 宙に浮くキッチンを家のシンボルに。両親世帯との交流もスムーズ

 

建築中も興味津々で、毎日のように現場へ足を運び、「実際にどんな具合に家が出来上がっていくのか、観察するのが楽しかったですね」と懐かしむご主人。そんな中で、大通り側はほとんど壁で覆われているため「明るさは足りるだろうか」との心配もあったそうですが、昨年暮れに新居が完成してみると、一切の不安は払しょく。実家のある北西面に向けて、リビングと子ども室に大きく取られた開口部から、一日を通して明るい光が差し込み、東面も外部の視線を遮りつつ、リビングと主寝室のすき間を利用して設けられた坪庭や、子ども室の高窓が、効率的に採光を補っています。
LDKは天井高が約3.5メートルと吹き抜けのような開放感があり、空間全体がオープンにつながって、どこを見ても隅々まで視線が通ります。下部に脚がなく、床から15センチほど宙に浮いたキッチンは、既製品では飽き足らずに「オーダーにしたかった」という奥さまの要望と、家のシンボルになる要素を探していた建築士の思惑が、うまく合致して生まれたもの。「2階建てのプランを検討しているときは、らせん階段をシンボルに見立てていました。それが平屋に変わり、新たに刺激になる存在がほしかったので、ちょうどよかったです」と振り返ります。
子ども室はLDKに匹敵する広さがある、ワンルーム的な空間です。リビングとの間は玄関ホールを介して、キッチンとはユーティリティースペースを挟んでそれぞれつながっており、当初の狙い通りに、子どもたちは家中をぐるぐると元気に走り回っています。さらに「仕事で帰りが遅くなっても、気兼ねなく子どもを実家に預けられる。リビングと子ども室からはだしのまま移動できるこの距離感は、とても便利で助かっています」とご夫妻。毎日の暮らしの中で、緩やかに交流を育みながら、親子孫3世代の絆を深めているようです。

☆ 既存母屋と緩やかにつながる外部空間を創出。親子孫3世代の交流を育む

 Tさん宅のプランニングでは、隣接する実家とのつながり、団らんを育む場のつくり方を意識しながら、設計を進めました。
 実家との関係では、実家に正対して建物を置き、実家の雨端(アマハジ)の延長に「3世代のアマハジ」を設け、お互いが独立しながらも、まとまりのある空間として成り立つように計画しました。また、実家のダイニングとTさん宅のリビングを直角に結んだ場所には、両世帯共有の「趣味の菜園」を配置。こうした雨端、菜園のように、ささやかな自然を感じながら3世代の良好な関係を継承できる場を、建築によって整えました。
 街を含む外部環境に対しては、小さいながらも緑で彩る場所をつくり、街路の草木と対を成す空間を創出したいと考えました。Tさん宅を実家に正対させ、居室や玄関、水回りなどのスペースをボックス状にまとめると、前面道路に向かって建物が斜めに対峙することになります。そこで歩道面と建物で切り取られた三角形の空間を植栽スペースに充て、街との境界を緑で彩ることを計画しました。
 間取りは実家との関係性を考慮して、雨端の延長に子ども室、菜園に面してリビングを置くことを最初に確定。実家の建物がちょうど西日を遮断してくれるため、西面にそれぞれ大きく開口を取り、舞い込んだ空気が「点」ではなく「面」で移動することをイメージしながら、家全体で適切な開口計画を整えました。またバスルームや洗面などの水回りは、キッチンと行き来しやすいように家の中央にありますが、併設するユーティリティースペースに面したジャロジー窓と勝手口のドアを開けると、湿気を逃がせるように工夫しています。
 壁だけで架台を支える宙に浮いたキッチンは、「気分に合わせて毎日違った場所で調理したり、食べる場所を変えたり、自由に移動できたら面白いだろう」と妄想しつつ、デザインしました。いつか床だけではなく、壁からも切り離されたキッチンをつくってみたいと夢想しています。

建設データ

家族構成 : 夫婦、子ども4人

所 在 地 : 宜野湾市

設計 : アアキ前田株式会社

敷地面積 : 200.00m²(約60.00坪)

建築面積 : 125.00m²(約37.00坪)

延床面積 : 112.00m²(約33.00坪)

用途地域 : 第二種住居地域

構造 : 壁式鉄筋コンクリート造平屋建て

完成時期 : 2015年12月



●建築:米元建設工業株式会社

●電気:屋宜電気

●水道:有限会社ライフ工業

●キッチン:有限会社MOV

建築・建設会社

  • ■ アアキ前田株式会社(ポイントウォーカーデザイン)
  • ■ 那覇市首里平良町1-29-8-102
  • ■ 前田 慎
  • ■ 098-943-2662
  • ■ http://www.maeda.okinawa/

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