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中庭からの光が揺らぐ、潤いある住まい

三方を建物に囲まれた立地でありながら、明るく穏やかな室内空間を手に入れたSさんご夫妻。
1階のリビング南面に大きく取られた中庭が、ライトコートとして採光・通風の役割を果たし、その脇にある水盤が潤いを演出。
昼と夜で異なる表情を室内に届け、親子4人の快適な暮らしを後押ししています。

こんな家!

☆ 中庭を軸に間取りを構築。水盤のせせらぎと反射光で空間を演出

那覇市の密集地、旗竿状の奥まった土地に建つ、建坪約25坪の2階建てのコートハウスです。さらさらと耳に心地よいせせらぎは、敷地東面を流れる小川ではなく、リビング脇の中庭に注ぐ水盤の音。日中は水面に太陽光が反射して、ゆらゆらと光の揺らぎを映し出し、日が暮れて照明がともると、水盤全体がライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれます。
「中庭と水盤を生かしたプランは、最初の提案図面を見て一目で気に入りました。せっかく建築士さんにお願いするのだから、何か特色のある家にしたいと考えていたのですが、まさに期待通りの回答でしたね」とご主人。通りから見える外観は玄関回りの一部だけ、という立地からは想像できないほど、室内には明るく安らぎ深い空間が広がっています。
こうしたプラン自体はスムーズにまとまったものの、家づくり期間全体を振り返ると、完成までの道のりは長いものになりました。ご主人の実家の奥にある土地を使って、「長男が小学校に上がるまでには家を建てよう」と準備を始めたのは5年前。インターネットや住宅情報紙を見て情報を探り、建築士事務所を訪ね回って、「シンプルな作風が多く好みに合ったこと。細部まで丁寧に説明してくれたこと」を理由に依頼先を決定。南面の中庭を囲むように1階にLDKと和室を置き、2階に主寝室、子ども室、書斎を並べた現在の基本レイアウトは、打ち合わせを始めて程なく定まりました。
ところがここから計画が難航。川沿いの奥まった立地で、しかも接道間口が狭すぎるという特殊事情が重なり、施工会社を探すのに一苦労。「周りからは、一年もあれば家が建つと聞いていたのになかなかめどが立たず、一時は途方に暮れていました」。建築士も懸命に駆け回り、一年近く時間をかけて、どうにか施工プランを策定。接道は実家のバルコニーを削って、進入路を確保しました。

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☆ 1階天井と床をダークブラウンで統一。昼も夜もくつろげるわが家に

 

親子ともどもに待ちわびた新居は昨年7月に完成。既に小学3年生になっていた長男は、校区をまたがず徒歩で通学できるようになり、「放課後も迎えの時間を気にせず遊べるし、友だちを家に連れて来られるようになってうれしいです」と笑顔。ご夫妻は目を細めつつ、「にぎやかすぎて、2階の自室で遊ぶように諭すこともしばしば。子どもが大きくなっても毎日顔を合わせるように、リビングを挟んで玄関と階段を対角に置いたのですが、玄関と直結させたほうがよかったかも」と冗談めかして話すほどに、子どもたちはやんちゃぶりを増したようです。
室内を見渡すと、中庭の存在感もさることながら、ダークブラウンでまとめた内装デザインもひときわ目を引きます。色調の好みはSさんからのリクエストによるものですが、床材や建具と合わせて天井に木製のルーバーを使うプランは、建築士からの提案で導入を決めました。「仕上がった状態を初めて見たときにとても雰囲気がよく、採用して大正解。想像以上にすてきな空間になりました」。

家づくりはご主人が主導して進め、奥さまは主にキッチン回りに専念しました。対面にはこだわらず壁付けにして、ダイニング側に目隠しのキャビネットを造作。その中で、壁面の採光窓は「ほこりがたまらないように」とFIXにしたり、家電製品のサイズや使い勝手を考え造作棚の仕様を決めたり、小さなこだわりを詰め込みました。
また奥さまの意向を受け、当初のプランから最も大きく変わったのが、和室のレイアウトです。もともと中庭の隣にあった一坪ほどのスペースを、「子どもが体調を崩したときなど、2階に上がらず寝かせておけるし、キッチンから目が届くから」とリビング東面に拡張して配置。壁面には大きく開口部を設け、採光・通風の向上に役立てました。
住み始めて間もなく丸一年。待ちわびた新居の住み心地はすこぶる良好で、「アパート住まいの頃は、自宅での情報収集や仕事のために書斎を熱望していましたが、最近はリビングの居心地がよすぎて、せっかくの書斎がほとんど利用できていません」とご主人は苦笑い。子どもたちの勉強部屋に奪われるのも時間の問題。5年とたたないうちに、うれしい悲鳴が聞こえてくるでしょう。

☆ 三方を閉じた環境で中庭に大きく開き、川のせせらぎと木に包まれた安らぎを表現

 東面を除く三方ともに隣地境界まで建物が迫り、採光・通風を得るのが厳しい環境での計画でした。私たちの事務所では、沖縄の気候風土の特性に合わせて、南面に広く開口を設けることを基本方針にしています。今回は幸いにも、南側隣地にあるのがご主人の実家だったため、ある程度のプライバシーは許容できると判断。敷地南側に、光と風のメーンゲートとなる中庭を置き、その周囲に居室を並べるプランを考案しました。
 建物が唯一隣接しない東面は、すぐ真下を小川が流れています。積極的に開口を取って、眺めを楽しむような性格のものではないのですが、その存在だけでも身近に感じられる仕掛けがほしいと思い、中庭に水盤を併置しました。
 最近手がけている設計では、今回のように水盤を盛り込んだプランを多くご提案しています。建築でつくられる空間は、均質的なものになりがちですが、そこに「水」という「動き」と「音」を備えた要素を加えることで、建築そのものの魅力も一段と引き立ち、生活がより豊かになると考えています。
 内装デザインは、ダークブラウンをベースカラーにしたいというSさんの要望を踏まえ、木で囲まれたような落ち着きのある空間を目指し、天井に木製ルーバーを採用しました。これまで私たちの事務所では、白を基調にしたシンプルなデザインの住宅を数多く設計してきましたが、今回はSさんの了解もあって、調和の取れたくつろぎ深いデザインを、うまく表現できたのではないかと感じています。
 また奥まった敷地環境であることを考慮して、採光と通風には随所で気を配りました。バスルームやトイレの脇には坪庭を置いて換気を図り、階段上部にはトップライトを設けて、家の奥まで光が届くように計画しています。

建設データ

家族構成 : 夫婦、子ども2人

所 在 地 : 那覇市

設計 : 有限会社門一級建築士事務所

敷地面積 : 154.14m²(約46.62坪)

建築面積 : 85.10m²(約25.74坪)

延床面積 : 134.96m²(約40.82坪)

用途地域 : 第一種中高層住専地域/近隣商業地域

構造 : 鉄筋コンクリート造2階建て

完成時期 : 2015年7月

建築・建設会社

  • ■ 有限会社門(じょう)一級建築士事務所
  • ■ 南風原町字津嘉山750-1
  • ■ 金城 司
  • ■ 098-888-2401
  • ■ http://www.jo1q.com/
  • ■ 有限会社門(じょう)一級建築士事務所
  • ■ 098-888-2401

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