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年中行事

仏壇の中に壁を作るべきでしょうか?

実家の仏壇には、なぜかトートーメー(位牌)が3個あります。香炉や花瓶なども3組あります。親戚のおばさんから「昔から、仏壇にトートーメーは1個と決まっているから、中に壁を作って3個の仏壇にしなさい」とアドバイスされました。別のおばさんからは「仏壇に壁なんか作ったら、お家がふさがれて繁盛しないよ」と叱られました。どちらが正しいのですか?(Iさん)

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☆ ウヤファーフジを思えばこそ

 Iさん、沖縄では、どちらも正しいと思います(笑)。ウヤファーフジ(ご先祖)のことを思えばこそのアドバイスでしょうから。
 沖縄のトートーメーには、1人(あるいは一組の夫婦)を祀る「一本立ち位牌」や、複数の位牌札を横に並べた「沖縄式位牌」などがあります。「一本立ち位牌」が1個=1柱(ひとはしら)ある仏壇のことを、地域によっては「ティーチウグヮンス(一柱仏壇)」と呼びます。2柱でしたら、「ターチウグヮンス(二柱仏壇)」。Iさんのご実家は3柱ですから、「ミーチウグヮンス(三柱仏壇)」ということになりますね。私は、9柱の「ククヌチウグヮンス(九柱仏壇)」を拝見したのが最高記録です。
 親戚のおばさんの「壁を作って3個の仏壇にしなさい」というアドバイスは、「グソーヌ ジョーミチヲ ワカス(後生の門道を分ける)」という考え方の表れだといわれています。例えば、ウヤファーフジの法事や命日のとき、ヒラウコー(平御香)をお供えしても、その焼香が、複数いらっしゃるウヤファーフジのうちの、どなたへの敬いなのか分からないと困るので、中に壁を作ってジョーミチ(門道=入り口のこと)を分け、受け取られる方をはっきりさせましょうという意味があるといわれています。
 壁を作る方法としては、隣り合うトートーメーの間に、
1 ベニア板や段ボールで、簡易的に壁を設置する方法
2 大工さんに依頼して、本格的に壁を設置する方法
があり、壁を設置する場所は、
1 仏壇の最上段のみ
2 仏壇の最上段と上から二段目まで
3 仏壇の最上段から上から三段目まで
など多種多様です。
 以上は、複数あるトートーメーに対して、1個のウコール(香炉)で焼香するときの方法です。
 一方、Iさんのご実家のように、3柱のトートーメーに3個のウコールがあるときには、トートーメーとウコールが、きちんと対になっていますので、どのウヤファーフジに焼香しているのかすぐに分かります。この場合、実際の壁はなくても、目に見えないヒンプン(目隠しや区切りの意)のような壁があると考えられています。そのため、壁を作るケースには該当しないとされる地域もあります。
 別のおばさんからの「仏壇に壁を作ったら、お家がふさがれて繁盛しないよ」というアドバイスは、「壁を作らない方法もあるのよ」という意味で、愛情表現の一つとして、ありがたく受けとめておきましょう。
 トートーメーが複数あるのは、チョーデーカサバイ(兄弟重合=兄・弟を一緒に祀ること)や、アジカイグヮンス(預かり仏壇=本来祀られるべきではないけれど、諸事情により一時的に祀られていること)など、各家庭によって、それぞれの事情があってのことかと思われます。
 今回の回答としましては、ご実家の仏壇に壁は作らず、現状維持のままでよろしいかと思います。

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☆ 正反対のアドバイスでも

 

 この、仏壇の中に「壁を作る/作らない」という考え方のように、アドバイスの内容が正反対に分かれることがあるのは、「ウヤファーフジを大切にしたい」という沖縄の人々の思いの強さにつながっていると思います。
「どの敬い方が正しいのでしょうか?」と、消去法で一部を否定して、○と×で判断するよりも、「どの敬い方が望ましいのでしょうか?」と、いったん全てを肯定して、○の中から、よりよいものを選択して「◎」と位置づけてみましょう。そうすれば、どの敬い方にもそれぞれの意味があることに気づき、沖縄の先人のジンブン(知恵)の深さを理解できるかと思います。

お問い合せ

■ 沖縄市・コザ山球陽寺 帰依龍照

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