NEWS

沖縄的暮らし

かふうWEB > 暮らしを楽しむ > 沖縄的暮らし > 年中行事 > 遺言としきたりについて

年中行事

遺言としきたりについて

父が遺言書を残して亡くなりました。その内容について、沖縄のしきたりに詳しい親戚のおばさんから、「遺言通りにすると成仏できないから、その言葉に従ってはいけない」と強くしかられました。しきたりをないがしろにする気はありませんし、父の遺言にもそむきたくありません。どうしたらいいのでしょう?(Tさん)

暮らしを楽しむ

☆ 深い悩みを

 Tさんは三人姉妹で、男性の兄弟はいないそうです。今回の質問を少し詳しく紹介すると、遺言書には、「残された娘たちに負担をかけたくないから、自分の法事や、お盆の行事は行わなくていい」「お葬式で使った木の位牌は、墓の中の遺骨のそばに置きなさい」と書かれていたそうです。これに対して、親戚のおばさんから「木の位牌のままだと成仏できない」と言われたとのことです。
 沖縄では、四十九日までは木の位牌(白木位牌=しらきいはい)を祭壇に飾り、四十九日には本位牌(トートーメー)に取り換えて、仏壇に安置するのが一般的です。お父さまの遺言を最優先したいというTさんの気持ちはよく分かります。ただ、Tさんは「小さくても位牌を作って、法事をしてあげたい」とも思っているそうなので、その悩みは深いと想像します。

続きを見る

☆ 「併修」という折衷案

 

でも、ご安心ください。沖縄には、両者の意見を反映させる「併修(へいしゅう)」という考え方があります。あまり聞きなじみのない言葉かもしれませんが、これは2回(2名)の供養を併せて行うことを指します。例えば、「父の七回忌と母の十三回忌を、同じ日に執り行う」ことや、「お葬式の後の納骨のとき、通常は翌日に行うナーチャミー(翌日の墓参り)を併せて行う」ことなどです。
 近年の沖縄では、しきたりに詳しい方々にとって「併修」は、身近な作法として広く知られていますし、私自身も併修の相談を受ける機会は少なくありません。
 では、Tさんが併修される場合の、具体的な方法をご説明しましょう。
 現在、お父さまの木の位牌とご遺骨は祭壇に安置されているとのことですが、いずれお墓に納められるでしょう。その際、次のような手順で、2回分の供養をされるといいかと思います。
①お墓の中に白木位牌を納め、同時に納骨を行います。ヒラチ(お墓の蓋石)やウコール石(お墓の香炉)を閉めて、仏式の場合、読経、焼香などをして、1回目の供養をします。
②その後、いったんお墓のウナー(御庭)やウジョー(御門)の外に出ます。そして再度、お墓の敷地に入り、①と逆の手順で、ヒラチとウコール石を開けます。先ほど納めた白木位牌のみを取り出し、位牌を削るなどして、全部、または一部を燃やして灰にします。その灰の半分はお墓のウコールに、もう半分は仏壇のある自宅に持ち帰ります。帰ったらすぐに、仏壇のウコールに灰を3回に分けて入れ、2回目の供養を行います。②については、本来、日を改めて行うのが沖縄のしきたりですが、いったんお墓の敷地から出ることで、日を改めたとみなすとされています。

 お気づきかと思いますが、①は、お父さまの遺言の通り。②は、おばさまの意見に従っています。ヒラチの開閉に多少時間を要するなど、少しの手間はかかるかもしれませんが、お二人の考えを尊重していることがお分かりいただけると思います。

 お父さまの遺言には、「娘たちに負担をかけないように」との思いやりが満ちていると思います。子を思うがゆえの「真(まこと)の遺言」の真意を理解し、感謝の気持ちをもってご供養されると、お父さまもきっと喜ばれることでしょう。法事やお盆などの年中行事も、安心してウサゲてあげてくださいね。
 Tさん、私たちのお手本となる、素晴らしいお父さまをお持ちであることに感謝ですね。

【併修の方法】

①白木位牌とご遺骨をお墓に納めます

②いったんお墓から出た後、白木位牌のみを取り出します

③白木位牌を削ります

④お墓で燃やして灰にします

⑤灰を2つに分けて

⑥半分はお墓のウコールに納めます

⑦もう半分は仏壇のウコールに納めます

お問い合せ

■ 沖縄市・コザ山球陽寺 帰依龍照

暮らしを楽しむに戻る >