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年中行事

遺骨の県外からの里帰りについて

神奈川県に嫁いだ娘は、子どもにも恵まれましたが、30代で病のため永眠しました。婿は娘の遺骨を沖縄に里帰りさせたいと言ってくれるのですが、沖縄のしきたりに詳しい方から「遺骨を持ち歩くのはよくない」「実家にも入れない」と言われました。そのことを婿に伝えると「沖縄は冷たいね」と…。私は親として心が痛く、考えさせられました。婿の気持ちを受け入れたいと決心したのですが、よい方法がありましたら、ご指導をお願いいたします。(Oさん)

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☆ 『隠顕(おんけん)』の意味が

「遺骨を持ち歩くのはよくない」「実家にも入れない」とのアドバイスには、『隠顕(おんけん)』のような意味合いがあるのだと思われます。隠顕とは、言葉や文字には、『隠(かくれる)』=表面には表れない意味と、『顕(あらわれる)』=表面に表れる意味の両方があるから、『隠』の深層も『顕』の表層も、ともに認めながら、双方を理解しましょうという考え方です。
「遺骨を持ち歩かない」「実家に入れない」という言葉は、『顕』の言葉・心遣いからのアドバイスとして感謝の心を持って受け止めましょう。一方の「遺骨を持ち歩くこと」「実家に入れること」は、『隠』の言葉・心遣いで、「簡単なことではないので、沖縄のしきたりや時代に合った考え方をキチンと守りましょう」というプラス意味でのアドバイスと理解してはいかがでしょうか? 実に奥深い、感謝に値する教えだと思います。

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☆ 3点に配慮して、ご遺骨の里帰りを

 

 実は、当球陽寺にも、類似したご相談がたくさん寄せられていますので、ご安心ください。トートーメーやご遺骨を、県外から沖縄へウンチケー(ご案内)される事例は少なくありません。今回は「ご遺骨の里帰り」ということですから、次の3点を配慮されてはいかがでしょうか?
①ご遺骨をウンチケーする(持ち歩く)ときは、ご遺骨に直射日光を当てないという考えがあります。これはインド・中国の作法に由来するといわれ、直射日光に当てるのは失礼になるそうです。そのため、屋外を移動するときは、沖縄でいう黒傘をご遺骨に差してはいかがでしょうか?
 これは、出棺の際、霊柩車まで移動するときに、シルイフェー(白木位牌)に黒傘を差したり、お墓への納骨のときに、ご遺骨に黒傘を差してグソーミチ(後生道)を通るのと同じ考え方です。神奈川県からですので、ずっと黒傘を差しているわけにはいきませんが、せめて神奈川のご自宅の玄関から車までの間や、車から沖縄のご実家の玄関までは黒傘を差されることをおすすめします。
②移動中、ご遺骨を車のシートに置かないという話をよく耳にします。おそらく、シートはお尻が収まる場所だからとか、下座といった考えからでしょうね。移動中は、ご遺骨(骨壺)を丁寧に抱きかかえられることをおすすめします。
③今回は、遺骨の本案内(ウンチケー)と異なり、一時的な里帰りということですので、カリウンチケー(仮案内)という意味で、ご遺骨を包む木箱か晒の中にススキで作ったサングヮー(ススキの葉を3本結んだ祭具)を入れて沖縄に来られることをおすすめします。沖縄でも、サンを入れて四十九日まで自宅にご遺骨を置く方が増えているので、沖縄のご自宅にも置いてあげるときには、この作法を応用されるといいでしょう。
「黒傘」「抱きかかえる」「サン」。これで、ご遺骨の里帰りは大丈夫と思われます。
 娘さんは、とても優しいご主人とご縁がありましたね。Oさん、娘さんとの久しぶりの夏休み、安心してゆっくりお過ごしくださいね。

お問い合せ

■ 沖縄市・コザ山球陽寺 帰依龍照

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