気になる土地の評価 File.5 那覇市小禄とその周辺地区
週刊かふう2018年8月3日号に掲載された内容です。
File.5 那覇市小禄とその周辺地区
全国でも注目される沖縄県の不動産市況。那覇市の4回目は、小禄地区およびその周辺地区の不動産市況を解説いたします。
小禄駅に近い、基準地(那覇-20)付近の大通り。飲食店やスーパー、大型商業施設が立ち並びます。金城小中学校や那覇西高校も近く、公園も充実した利便性の高い住環境です
モノレール線 北側~高まる評価
那覇市の南西部に位置するこの地区は、空港と首里を結ぶ沖縄都市モノレールが整備され、大きな駐車場を備えた大規模ショッピングセンターがあり、土地区画整理事業を実施したことにより、住環境が良好で利便性の高い地域が形成されています。
現在の沖縄の不動産市況を考えれば、当然のことながら地価の上昇は顕著です。
ただ、モノレール線の北側と南側では少し様相が異なります。
地価の上昇が大きいのはモノレールの北側で、区画整然とした地域の人気が高いです。例えば、平成29年の地価調査によりますと、那覇(県)-20(田原1丁目)は1㎡あたり16万3000円で上昇率は7.2%でした。平成30年の地価調査はまだ発表されていませんが、さらなる地価上昇は間違いなさそうです。
ちなみに、150㎡くらいの土地を購入して新築の建物を建てると四千万円から六千万円くらい必要になってきますから、立派な高級住宅地ですね。
基準地に指定される小禄4丁目(那覇-29)の住宅街。正面に見えるのは小禄南幼稚園・小学校。ゆいレールから離れていますが、通りに出ればスーパーも充実しています
モノレール線 南側~比較的割安感
モノレールの南側をみてみると、同じ住宅地でも1㎡あたり10万円前半であるところが多いです。平成30年地価公示で発表された那覇―29(小禄4丁目)は1㎡あたり13万7000円で4.6%の上昇でした。那覇市内の他の住宅地と比較してみても少し割安感があるかもしれないですね。土地区画整理事業が実施されている地域もあるのですが、やや道路が狭くて雑然としている地域が一部で見られることや借地が多いなど、いくつかの要因により、地域の価格水準がやや低いと考えられます。
しかし、小学校や中学校もバランスよく配置され、大規模商業施設もあり、モノレールにより久茂地などの中心地への接近性が良好で空港も近いわけですから、考え方によってはモノレールの南側の地域は狙い目かもしれません。
ちなみに小禄駅から県庁前駅はモノレールで8分かかります。おもろまち駅から県庁前駅へは7分ですから、1分しか違わないのに、おもろまちと小禄の地価水準はずいぶん違いますね。車社会の沖縄ですが、このようにちょっと視点をかえるとまた違う発見がありそうです。
次回は那覇市のマンション市況についてみていきます。