続・気になる土地の評価 File.4 県内の地価ランキング(商業地)
週刊かふう2019年10月4日号に掲載された内容です。
File.4 県内の地価ランキング(商業地)
前回に引き続き、沖縄県で一番高いところはどこ? というテーマでお話したいと思います。今回は商業地の一番高いところを見てみましょう。
県内の商業地で最も地価が高い国際通り入口付近。商業・観光における重要地点だが、日韓関係や家賃高騰による影響が懸念される
県内の商業地地価をランキング
商業地の地価上昇率でも全国第1位の沖縄県。
前々回(722号)の本掲載で、沖縄県の最高価格地(商業地)は那覇市の全国第15位で、新幹線が開通した金沢市や鹿児島市よりも高いことをご紹介させていただきました。
それでは、沖縄県で一番高いところはどこなのか?
ここでも前回同様、我々不動産鑑定士が業務で行っている地価公示という事業に基づいて、ランキング形式で発表したいと思います。結果は表のとおりです。
県内最高価格は国際通り入口
上位は、那覇市が見事に独占しました。第10位に浦添市が入っていますが、やはり那覇市は強いですね。
第1位の久茂地の地点は国際通り入口にあって、一番地価が高い地域といえるでしょう。しかも、この地点は平成31年の地価公示では、1年間の上昇率が38.6%と非常に高い上昇率を示しています。ちなみにこの土地は面積が584㎡ありますので、更地価格は約8億2千万円にもなります。
日韓関係や家賃上昇の影響に留意
観光が好調であることを背景としたホテル需要の増大や、沖縄県のポテンシャルに注目した県外企業の沖縄進出などにより、土地需要やオフィス需要が大幅に増大しています。ただし、日韓関係が冷え込んでいることの影響に留意する必要はあると思います。
さらには大幅な地価上昇が家賃の上昇圧力となっており、家賃負担力が大きくない業種においては撤退する傾向もみられます。
地価上昇が必ずしもいい面ばかりではないようです。
次回は、沖縄県で一番地価が上昇しているところ(住宅地編)についてお話します。