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続・気になる土地の評価 File.13 バブル期との地価比較(商業地編)

続・気になる土地の評価 File.13 バブル期との地価比較(商業地編)

週刊かふう2020年7月10日号に掲載された内容です。

File.13 バブル期との地価比較(商業地編)

バブル期の土地価格はどれくらいだった? また、どのくらいで地価は復活したのか? 前回の住宅地に続き、今回は商業地についてお話します。

続・気になる土地の評価 File.13 バブル期との地価比較(商業地編)

バブル時の最高地点地価は現在の倍近く

 バブル絶頂期の頃、沖縄県で一番地価が高い地点(商業地)は、地価公示のデータによると那覇市牧志2丁目の地点で当時392万円/㎡でした。
 国際通り沿いの旧三越に近いところ、といえばイメージが湧くでしょうか?
 残念ながら、この地点は現在の地価公示では調査対象となっていませんが、近い地点では那覇5-14(久茂地3丁目、現在のみずほ銀行のビル)があり、今年3月発表の地価公示では、198万円/㎡と公示されています。
 単純に当時の価格と比較すると今のほうが安いですし、さらに踏み込んで比較を行えば、みずほ銀行のビルがある地域のほうがいい(資産価値が高い地域)と考えられますので、それらを考慮すると、住宅地と同様、まだまだバブルの水準には達していないと言えるでしょう。

続・気になる土地の評価 File.13 バブル期との地価比較(商業地編)

現在、商業地で最も地価が高い久茂地3丁目

バブル崩壊後 商業地の地価は22年連続下落

 地価公示のデータに基づくグラフを見てみますと、平成4年のバブル崩壊後、住宅地とは異なり、地価は下落に転じました。
 では、地価の復活についてはどうでしょうか?
 グラフをみていただければわかるとおり、沖縄県の商業地の地価は長い下落の時期が続きます。
 平成4年に下落に転じてから、平成25年まで、実に22年も地価の下落が続いたのです。
 注意が必要なのは、途中リーマンショックによる大不況の影響やSARSなどの影響もあり、必ずしもバブル崩壊の影響だけでここまで下落が続いたとは言い切れないのですが、結果として非常に長い期間、地価は下落し続けました。
 経済的に非常に大きな影響を受けると住宅地と同様、商業地の地価も下落しました。

今後の地価は先行き不透明

 先頃、公益社団法人沖縄県不動産鑑定士協会が発表した不動産DIでは、新型コロナの影響で観光客が減少していることなどにより売り上げが減少し、家賃の免除・減額請求などが増えており、収益性の低下が危惧されていることや、先行が不透明であることによる住宅需要の減退など、不動産市況に影響が出ていることが報告されました。
 沖縄県の地価は、観光客の増加による土地需要の増加に支えられていた部分が大きいと考えられますが、今後、観光客が戻ってくるかどうかは未知数です。
 だとすれば、いままでのような地価上昇は、短期的には期待できないと言えるでしょう。商業地の収益性は今しばらく厳しい状況となることが考えられます。
 外食産業などが厳しい状況にある一方で、ステイホームの影響からスーパーなどの一部では売り上げが増えている状況もあるようですが、楽観視はできないと考えられます。
 不動産価格はしばらく厳しい状況が続く可能性がありますので、注視していく必要があると思います。

 次回からは、「土地の評価」第3シーズンが始まります。
 ご期待ください。

続・気になる土地の評価 File.13 バブル期との地価比較(商業地編)

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