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都市を持て。田舎へ出よう。 第十一歩

都市を持て。田舎へ出よう。 第十一歩

週刊かふう2020年2月14日号に掲載された内容です。

第十一歩「高速遠距離移動社会の価値」

 ここ数カ月間、今帰仁村から北中城村へ通う日々が続いている。往復約2時間のマイカー通勤は、沖縄ではあまり多い方ではないから、よく「大変ですね」と言われるが、首都圏生活者からすると往復2時間通勤など、それほど「珍しい話ではないだろうな」と思う。
 田舎暮らしに慣れきった私にとって久々の「通勤」は、改めて都市と田舎の違いを浮き彫りにするものだった。何しろ今帰仁村での通勤は車で5分。そんな状況が7年も続けば、それは当たり前となって生活感覚として身につく。すっかり「通勤」という行動を忘れていた所に、一転、長距離通勤の毎日である。

 首都圏の人口が多いと言っても、中心地に居住している人は少ない。多くの人は中心地から離れた郊外のベッドタウンに住む。首都圏は交通網も整備されているから、高速遠距離移動社会が成立する。
 この高速遠距離移動社会という現象は、大きな犠牲を払う。それは「時間」だ。特に私の「家族の時間」は急激かつ大幅に失われたと言える。
 考えてみればごく当然だが、通勤時間が増えれば自分の時間や家族と過ごす時間は減る。もちろん、通勤中に音楽を聴いたり、電車通勤なら読書したり、時間を充実させようと工夫はするが、そもそもその工夫は人生において必要不可欠なものなのだろうか?
「しょうがない。金を稼ぐためだ」という意見もあるだろう。確かに一理ある。現代社会人のほとんどは時間と労働とお金を交換している。
 しかし、それならばなおさら「時間+労働=お金」というコストパフォーマンスをしっかり見つめなくてはならないのではないか。平成26年の「全国消費実態調査」によると、勤労者世帯の収支状況で、可処分所得と消費支出の差が最も大きい……。つまり、使えるお金の割に出ていくお金が少ない都道府県の1位は福井県である。次いで2位富山県、3位山梨県、4位岐阜県、5位新潟県……と続き、首都東京は実はベストテンにも入っておらず、17位となっている。
 首都圏での高速遠距離移動社会は「儲かるイメージ」があるが、実態はイメージ程でもないとデータは示している。
 わが子の幼少期、幸いな事に私は家族の時間を長く持つ事ができた。それは田舎暮らしを選択したからに他ならない。高速遠距離移動社会は本当に時間をかける価値があるのか? 幸福感を生むのか? 子供の視点で見れば、考えるまでもなく明白ではないだろうか。

 という訳で、これからは田舎の時代となるのだ。やはり。

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