日常を心豊かに楽しむ ホテルライクなコートハウス

- DATA
- 設 計: 株式会社スタジオ・チッタ
一級建築士事務所 - 敷地面積: 222.69㎡(約67.48坪)
- 建築面積: 110.55㎡(約33.50坪)
- 延床面積: 127.85㎡(約38.74坪)
- 用途地域: 木造ハイブリット工法
- 構 造: 第1種低層住居専用地域
- 完成時期: 2025年5月
※週刊かふう2025年12月19日号に掲載された内容です。
デザイン✕演出✕設備で非日常の体験を日常に
吹き抜けの光あふれるリビングとシームレスにつながるコート(中庭)にも家具を置き、プライベートヴィラのような贅沢なくつろぎを演出するF邸。窓を最小限に抑えた外観からは想像もできない、清々しさと開放感にあふれた住まいです。

玄関扉を開けると目に飛び込んでくる鉄骨手すりの階段と、その下にしつらえられた坪庭。シューズクロークの目隠しも兼ねたデザインウォールには独創的なニッチ演出が施され、ホールと玄関の境界は天井まで届くブラックフレームのガラスの引き戸。住まいの序章からデザイン性の高さが際立つとともに、来客の目を楽しませるもてなしの意図と施主の美的感性が伝わってきます。
メインステージのLDKは5m超えの高い吹き抜けと、リビングと一体化したコートの組み合わせで縦・横に視線が広がる伸びやかさ。コートには室内のインテリアテイストと同調したアウトドア家具を置き、スペースの奥の死角にはホームサウナも完備。「汗をかいたら浴室へ、その足で冷えたビールを持ち出してここでゆっくり味わうのがルーティン」と笑顔で話すご主人。さらにコートの壁をスクリーンにしてホームシアターを楽しむなど、屋外とアクティブに関わる暮らしを満喫しています。
アイランドキッチンの左手には、子どもの遊び場ともうひとつのくつろぎ空間を兼ね備えた畳仕立ての小上がりも。コートに面したそこはリゾートヴィラの和の一室を思わせる雰囲気が立ち上がり、空間づくりの一貫性がみられます。

美しさと心地よさはディテールの積み重ね
本土からの沖縄勤務をきっかけに定住を決めた夫妻が望んだ家づくりのテーマは「ホテルライクな心地よさ」。設計は千葉県に本社を置き沖縄にオフィスを構える建築会社に依頼、ご主人の旧知の友人でもある建築士が担当しました。
直線美で構成されたノイズレスな空間デザインに、夫妻のお気に入りのリゾートホテルやヴィラのエッセンスを取り入れ、インテリアへの造詣も深い奥さまの感性を活かし細部までコーディネート。作り手も住み手も、目に映るもの肌に触れるものの一つひとつのこだわり、空間の隅々までを仕立てるように丁寧な完成を目指しました。
なかでも秀逸なのは木やガラス、タイル、アイアンといった異素材の巧みな組み合わせ。スタイリッシュでありながら自然の温もりやエレンガンスを感じる、品格と高級感を醸しています。
日常生活と密着する水回りやランドリールーム、ファミリークローゼットなどは、キッチンの右手とホールの2方向から出入りできるプライベートエリアに集約し、生活動線と来客導線を完全に分離。家事動線の短縮も同時に実現しました。2階には子ども部屋や書斎、収納スペースを配置。そこもまた縦のラインを強調したシャープなデザインと、グレイッシュを基調にしたコーディネーで統一され、ホテルライクに徹した上質な雰囲気をたたえています。
写真ギャラリー

「こだわり」をかたちにする
建築士 中村 仰希さん
夫妻が求めたイメージは「リゾートホテルやヴィラが持つ光と風」「静謐さと開放の調和」「洗練された意匠」など非常に明確でした。敷地は前面道路で三方に住宅が隣接するも、L型配置で南側に堀で囲ったコートを配し、プライバシー性と採光性を両立。コートとLDKとの境界はサッシとガラス張りを組み合わせ、吹き抜けには化粧梁をあしらい、天井をより一層高く見せることで、縦・横に視線が広がるスケール感を生み出しました。一方、北側に集約した水回りの採光はハイサイドライトを採用し、柔らかな光で清潔感と落ち着きを深めています。
室内プランは直線とライン揃えを意識したノイズレスを追求し、内装とインテリアは統一と調和による高級感を醸成。特にインテリアにおいては奥さまの美的センスが大きく貢献しています。光と影が織りなす美しいコントラストを追求した照明計画もポイントです。当社の家づくりの標準仕様となる「長期優良住宅を上回る安心・安全」が、こだわりを形にした『魅力ある暮らし』を長きにわたり支えます。
設計・施工会社
スタジオ・チッタ 一級建築士事務所
TEL:098-943-6330 | http://studio-citta.okinawa/
【本社】
千葉県千葉市中央区末広1-2-6
TEL:043-223-7676
https://studio-citta.com/









