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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

沖縄の住宅紹介

眺望と木のぬくもりに安らぐ 居場所がいっぱいの家

眺望と木のぬくもりに安らぐ 居場所がいっぱいの家

DATA
所在地:糸満市
設計:株式会社琉球住樂 一級建築士事務所(担当/伊良皆盛栄)
敷地面積:476.96㎡(約143.68坪)
建築面積:148.63㎡(約44.96坪)
延床面積:175.25㎡(約53.01坪)
用途地域:第一種中高層住宅専用地域
構造:木造軸組工法平屋建て
完成時期:2018年4月
建築:株式会社琉球住樂
電気:有限会社 山城商工  担当:照屋盛文
水道:有限会社 海西工業
キッチン:琉球住樂オリジナル  担当:嶺井典子
UB・トイレ:TOTO
内部建具:有限会社 照屋木工所
外部建具・左官:株式会社 エクセルシャノン
外構:金勢造園
屋根:有限会社 八幡瓦工場
大工:大友内装、金城工業
左官:仲松左官工業

眺望が開けた高台の住宅地に、木造2階建ての新居を構えたNさん一家。起伏が激しく、自然の荒々しさを残した土地の個性を生かしながら、無垢の木や漆喰で室内空間を構成し、開放的な中にも家族のたくさんの「居場所」をちりばめた安らぎ深い住まいになりました。

眺望と木のぬくもりに安らぐ 居場所がいっぱいの家

沖縄ならではの木の家を建てる

 挙げればNさん宅の見どころは幾つもあります。まずは一目瞭然に木の家であること。飫肥杉の無垢材を敷き詰めた肌触りのよい床、そびえる柱、幾重にも架かる頭上の梁が存在感を示し、迫力とともに木造特有の温かさを感じさせてくれます。
 次に海が見えること。深い庇の下でその眺望が楽しめるテラスがあること。テラスに面したスペースには大きく窓が取られ、正反対の位置にあるリビングからも、真っすぐ海まで視線が抜けるように設計されています。
 それから通路途中などを活用した、フリースペース的な場所がそこかしこにあること。勉強したり本を読んだり絵を描いたり、親子で自由気ままに使える場所が上下階それぞれに設けられています。
「あちこちに 居場所 がある家にしたかったんです」とご夫妻。例えばキッチンから見てやや右手正面、玄関とテラスの間に位置する読書コーナーは、「長時間座ってくつろげるように」とクッション敷きにした憩いの間。また今後出番が増えそうなスタディーコーナーは、キッチンからひょいと顔を出せばすぐ目が届く階段脇にあり、さらに階段を上がって2階子ども室まで向かう廊下には、壁際全体にカウンターが造作されています。その先にある子ども室も、見る限りは多目的に使えそうなオープンな空間で、吹き抜けを介して1階と結ばれています。
 そんな創造性にあふれたNさん宅誕生の発端は、転勤のため内地で暮らしていた約4年前。ネットで情報を集めながら、帰省の度に不動産会社を訪ねたり完成見学会に通ったりして計画を進め、まずは「生活利便性がよく眺望が気に入った」という土地を購入。早々に「木の家を建てる」との方向性を定めると、「沖縄の気候風土に合った木造建築のあり方を熟知していること。デザインセンスが優れていること」を念頭に建築会社を絞り込み、帰任後に本格的に打ち合わせを重ねて現在のプランを練り上げていきました。


眺望と木のぬくもりに安らぐ 居場所がいっぱいの家

折れ屋根と白の塗装で外観にアクセント

 Nさん宅のレイアウトは、平面図上でも動線的にもキッチンが中心。玄関を開けると正面にA型の対面キッチンがあり、その右手がリビングと小上がりの和室、左手がテラスと水回りという構成です。
「手元はすべて隠れているから、台所仕事中に来客があっても気にならないし、むしろ子どもたちが出入りするときに顔を合わせてコンタクトが取れるのでよかったですね」と奥さま。キッチンの視界の広さは180度。踵を返して裏手に行けば、ウォークインクローゼットを挟んで主寝室と物干し場が並んだ動線に連結するなど家事効率も抜群です。

眺望と木のぬくもりに安らぐ 居場所がいっぱいの家

 ほとんどの生活スペースが緩やかにつながったオープンな間取りのなか、完全に間仕切ることができる個室は主寝室を含め3つ。いずれも東側から採光があり、窓の外には緑が生い茂っています。
「初めて土地を見に来たときは、どこが地盤面なのか分からないジャングルのような状態。明るく開放的なテラス側とは対照的な落ち着いた雰囲気で、今ではとても気に入っています」とご主人。森に集まる鳥のさえずりとともに目を覚まし、テラスに出て海を眺めながら今日一日の予定を考える。そんなリゾートフルな生活が日常になっています。
 外観意匠もこだわったポイントの一つです。敷地南面に向かって大きく庇を延ばす朱色の屋根を、ログハウスでよく見られる「中折れ」にすることは、ご主人が当初から希望していたこと。勾配が途中から緩やかになった谷形のシルエットは、Nさん宅のトレードマークです。また建築会社の標準仕様である焼杉板の黒い外壁をベースに、「サーファーズハウスをイメージして」テラスと玄関回りだけは白に塗装しました。
 黒と白。海と森。
 対照的な二つの要素を包摂したそのたたずまいは、無垢の家に映えるNさん一家の明るくにぎやかな暮らしを象徴しているようです。


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