DIY STYLE with カインズ ♯5
週刊かふう2019年8月30日号に掲載された内容です。
作品ナンバー#5 わんちゃんクローゼット
W400×D250×H700㎜ 制作:阿嘉 あきね 指導:太田 栄二郎
ペットにもDIYの恩恵を(その2)!
カインズ工房でDIYを楽しくマスターする本企画! 先月に続き今回もペットが喜ぶアイテムを制作します。
ワンちゃんクローゼットは、衣類を吊るすハンガーポールと小物がしまえるボックスを備えた愛犬専用の小さな家具です。最近は衣装持ちのワンちゃんも多くいるようですが、困りごとと言ったらやはりその収納場所。このクローゼットならそのまま吊るして収納できるので便利でかつ衛生的。これで問題解決ですが、何よりも部屋のインテリアとしても映えそうですから、是非DIYしてみてください。
材料は「KUMIMOKUのスタッキングBOX(LLサイズ)」とスノコの、カインズオリジナル商品を使用しました。材質はスタッキングBOXがパインでスノコは桐。どちらもDIYでもよく使われる素材です。やさしい印象が特徴のパインは、カントリー家具の素材として人気。桐は軽くて加工しやすく反りが少ないといった特長があり、やはり家具にむいた素材です。
これを「木目がくっきり」と木の風合いを生かした着色仕上げができる水性オイルステインで仕上げました。使用したカインズの「ステインカラーズ」は、食品衛生法にも適合した塗料なのでペットにも安心して使えます。「犬を飼っていないから」と言う方も多いでしょうが、蓋つきボックスは是非マスターしたいテクニック。さまざまなDIYに生かせるので、自分らしいDIYがアレンジできます。
Material(材料)
① KUMIMOKU スタッキングBOX (LL・ナチュラル)
② 桐スノコ4枚貼り ……(750㎜×330)2枚
③ 蓋(前):桐集成材 ……(365㎜×110)2枚
④ 蓋(後):桐集成材 ……(370㎜×40)1枚
⑤ 背貫(スノコから) ……(240㎜×55)2枚
⑥ 横貫(スノコから) ……(385㎜×55)2枚
⑦ 丸棒 ……(370㎜×24㎜φ)
サドルバンド×2、ハンドル(取っ手)、丁番×4
Tool(工具)
ドリルドライバー、プラスドライバー、木工キリ、金槌、さしがね、ラジオペンチ、サンドペーパー、スリムネジ、
トラストネジ(3×12㎜)、こびょう、カリ留め釘、木工用ボンド、マスキングテープ
塗装)
水性オイルステイン( ステインカラーズ/ウォルナット)、室内用水性塗料(エクステリアカラーズ/オフブラック)、
ウェットティッシュ、ウエス(ぼろ布)、水性用刷毛
Point(今回、取得する木工スキル)
《Step1 段取りと手順を考える》
DIYも料理と同じでレシピのようなものがあれば楽ですが、オリジナルのものを作るとなるとそうはいきません。やはり大事になってくるのは作業の手順と段取りを把握すること。
例えば、図面を起こす際に部材を効率よく経済的にとれる寸法を考えるというのも段取りの一つ。あとあと余計な作業が出ないようにする手順も大切なポイントで、今回はマスキングテープでの養生作業を省略するため組み立て前に塗装を済ませました。
失敗と経験で身につくDIYの段取りと手順ですが、考えて作業することで自ずと分かってくるはずです。
《Step2 水性オイルステインをマスター》
6月の716号で、木の風合いを生かした着色仕上げとしてワックスオイルを紹介しましたが、今回は水性オイルステインにトライしてみましょう。
使用した「Kumimoku ステインカラーズ」は、食品衛生法の適合塗料なので食べ物を乗せても安全ですから、キッチン回りはもちろんペットにも優しく初心者でも楽に扱うことができる塗料です。
ワックスオイルはウエスなどで直接塗り込んでいきましたが、ステインカラーズは刷毛を使い水性塗料の要領で塗ります。塗りながらウエスなどで余分な塗料を拭き取って木目くっきり仕上げに。ウェットティッシュで拭き取る“裏ワザ”を使えば、簡単にムラなくキレイに仕上げることができます。水性のステインとウェットティッシュはとても相性がよいようです。
乾燥は室温にもよりますが1時間くらいはみてください。クリヤーで塗装面を保護する場合は、4時間以上乾燥させてから塗装しましょう。
TODAY’S WORK 所要時間:約2時間 (乾燥別)
01/材料の下準備①
4枚貼りのスノコを3枚貼りにカットします。
カットした1枚はケタを取り除き、背貫と横貫の材料を切り分けます(スノコ1枚から1組)
02/材料の下準備②
組付けの前に部材を塗装します。スタッキングBOXとスノコ(3枚貼り)は水性オイルステインを塗装。
ボックスの蓋と丸棒、スノコから取った貫板は水性塗料で塗装します。
オイルステインの塗装法はPOINTのStep2をご参照ください。部材が完全に乾いたら下準備は完了です。
03/BOXの蓋をつくる
蓋の部材3枚を蝶番でつなぎます。
開閉する前2枚は山折り(裏面に蝶番)、ボックスに固定する後ろの蓋は谷折り(表面に蝶番)でつなぎます。
蝶番の位置が決まったらマスキングテープで仮留め、板の隙間は約1㎜の遊びを取りましょう。
木工キリで下穴を開け、ビスを締めて固定します。
04/蓋をつくる②
組みあがったらスムーズに滑接するか点検します。
問題が無ければボックスに乗せ寸法を確認、はみ出していれば蝶番を留め直すなどして微調整。
完全に組み終わった後にサンダーやカンナかけなどで調整してもよいでしょう。
05/BOXに蓋を取り付ける
ボックスと蓋(固定部)との接面部に木工用ボンドを塗布。蓋を乗せマスキングテープで位置決めしカリ留め釘を打ちます。
すべて打ち終えたら頭(プラスチック部分)をラジオペンチで挟み折り取れば釘痕が見えません。
最後に取っ手をつけてボックスができ上りました。
06/BOXにスノコを組み付ける
前後を確認し、横に張るスノコの位置を決めて内側からスリムネジ(9本×2)で固定します。
スノコの取付けが終わったら、背貫(上下)、横貫(左右)の補強材をビス留め、最後に丸棒のポールハンガーを取付け完成です。
07/完成
使い方はお好みですが、上をペットのワードローブ、下のボックスはペットフードやトイレシートの収納として使えます。
オリジナル感を出したいならステンシルで文字やイラストを入れるのもよいですね。横にフックを付ければ使い方も広がりそう。
蓋つきボックスの作り方は、いろいろなDIYに応用できるので、ぜひチャレンジしてみてください。