ロングセラーズ by module #6 50年にわたり世界で愛されるベビーチェア

週刊かふう2024年 4月19日号に掲載された内容です。
50年にわたり世界で愛されるベビーチェア
トリップトラップチェア/ピーター・オブスヴィック
多機能ベビーチェアの先駆け
1932年、ノルウェーでゲール・ストッケにより創業した家具メーカー「ストッケ」は、モダンで高品質な家具を製造・販売するメーカーとして技術、デザイン、品質にこだわり、数々の製品を生み出してきました。
同社は70年代以降、一般家具から子ども用家具のメーカーへとシフトしていくのですが、初期の製品は今でも人気があり、高い価値を持つビンテージ家具として取り引きされているそうです。
1972年、ストッケから初めての子ども向け製品が発売されました。それが「トリップトラップチェア」。ストッケ新時代の幕開けです。
デザインを手がけたのは、ピーター・オブスヴィック。人間工学に基づいて数々の名作をデザインし、バランスチェアの原点である「バリアブル」を生み出した先進的なデザイナーです。
1200万人のベビーが愛用⁉
オブスヴィックによりデザインされたこのベビーチェアは、子どもの成長に合わせて高さを調節でき、大人まで使い続けられるという革新的で独創的な、当時は誰も見たことのないものでした。品質、機能性に加え、シンプルでタイムレスなデザインも支持され、これまでの世界販売台数は、およそ1200万台!
無駄のないシンプルなデザインと豊富なカラーバリエーションで、モダン、カントリー、ナチュラル、クラッシックなど、さまざまなインテリアに違和感なく溶け込むため、小さなお子さんがいる、かつインテリアにこだわりを持つ家庭では、必ず置かれているようですし(個人的な感想)、映画、TVドラマ、雑誌などでもよく見かけます。
トリップトラップチェアの対象年齢は3歳からですが、オプションの「ニューボーンセット」を使うと、新生児から使用することができます。生まれたての赤ちゃんも家族と一緒に食卓を囲むことで、よい家族の絆が深まる――これがこのベビーチェアのコンセプト。
また、3歳ごろからは、正しい姿勢で足置きにしっかり足を乗せることで、子どもが落ち着いて食事ができるようになる、というのもこの椅子が長年にわたり愛用される理由の一つでしょう。
今では、世界中のライバルメーカーからも調節可能なベビーチェアが多数販売されています。世界に大きな影響を与えた画期的なベビーチェアといえるのではないでしょうか。






※価格はすべて税込で、『週刊かふう』掲載時のものです
