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納得! 目からうろこの土地評価 File.4 高く売れる土地の条件

納得! 目からうろこの土地評価 File.4 高く売れる土地の条件

新たな視点や再確認という観点から不動産市況のポイントを見直してみましょう。今回は高く売れる土地と安くなってしまう土地、売れない土地の違いをご紹介したいと思います。

週刊かふう2024年5月3日号に掲載された内容です。

細かい条件で取引事例を検証

 高く売れる土地と言っても、住宅地と商業地、工業地でその要件は異なってきますが、ここでは住宅地についてお話しましょう。

 不動産鑑定士の評価方法のひとつに「取引事例比較法」というものがあります。そのなかには、いろいろな比較条件があるのですが、主に街路条件、交通接近条件、環境条件、行政的条件、画地条件、その他条件等に分けられます。条件の中にも細かい要因があり、例えば街路条件であれば道路の幅員や歩道の有無等、画地条件であれば角地や二方路地、形状などがあります。

地域や主観で異なるプラス要因

 不動産鑑定的に言うと、これらの要因がプラス(好条件)であれば土地は高くなりますし、マイナスが多ければ土地価格は安くなっていきます。ここまでいうと簡単に思われますが、地域や個人の主観によってプラスとマイナスが異なる場合があるというのが土地評価のおもしろいところです。

 例えば、沖縄では南向きの不動産が好まれる傾向にあり南向きはプラスが大きいです。一方で北海道は西向きが好まれます。寒い北海道では日射時間が長く日の光が強い西向きの不動産の価値が高い傾向にあります。
 東京のタワーマンションだと、日差しによる家具の劣化が少ないという理由から北向きが好まれたり、これも東京の話ですが、「花火大会が見えるから」とか「飛行機や電車が近くで見えるから」といった理由で、価格が高くなったりすることもあります。もうこうなると方位うんぬんや不動産の良しあしの問題ではないですね。

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プラス条件の多い新都心エリアでも特筆! 13年連続で地点1位に輝いた那覇市おもろまち3丁目6番11(那覇-19)

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首里城にも近く、基準地に指定される首里大中町(那覇4)。昔ながらの風情が残る街並みも近隣のモノレール沿線と比べ割安感がある

それでも条件は大事!

 話を戻しますと、地域が区画整然としていて、道路の幅員も6メートルくらいあり、商業施設にも近く、住宅の専用地域であって、しかも角地で南向き等々。このようにアピールできる項目が多ければ多いほど土地価格は高くなるのです。

 逆に言えば、道路の幅員は狭い、場合によっては道路に接面していない。付近に商業施設はない。住宅専用の地域じゃないからとなりに何が建つかわからない、そもそも建物が建てられないとか……。さらに土地の形が悪く、となりの空き家も壊れて越境している等々、このような要因がある土地は価格が安くなります。

 これらの要因は比較的わかりやすいのでみなさんも理解できると思いますが、実は資産価値が高い土地は街路条件(系統、連続性、幅員、舗装の状況等)が優れていることが多いです。道路って大事なのです。
 道路の幅員が狭いところのある土地の価格は安い傾向にあります。特に車社会の沖縄では、道路が狭いのは日常生活をするうえで不便を感じることが多いですね。わかりやすいところでいえば、道が狭くて軽自動車しか入れないから今、はやりのSUVやファミリー層が重宝するミニバンタイプの車が選べないとか。また消防車や救急車が入れず、高齢者がいる場合には介護施設の車が入ってこられないとなると、防災や福祉の面でも心配です。建物の設備や外観はみなさん気にされると思いますが、道路にも注目してほしいですね。

 さて、次回も高く売れる土地と安くなってしまう土地、売れない土地の違いについて、今回とはまた別の目線でご紹介したいと思います。

納得! 目からうろこの土地評価 File.4 高く売れる土地の条件

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