納得! 目からうろこの土地評価 File.7 自分なりの価値ある土地探し
新たな視点や再確認という観点から不動産市況のポイントを見直してみましょう。
今回は、前々回の続きとして高く売れる土地と安くなってしまう土地、売れない土地の違いを「比較要素」という観点から考えてみたいと思います。
週刊かふう2024年8月2日号に掲載された内容です。
土地区画整理地が人気の理由
前々回をちょっと思い出してみると、土地自体に問題はなくても地域が衰退すると土地が安くなってしまう、場合によっては売れなくなってしまうというお話でした。例として限界ニュータウンという地域があることをご紹介させていただきましたね。そのように「地域」という観点から不動産を見るようになると物件の見方もだいぶ変わってくると思います。
地域をどのように見るかと言えば、まずは利便性。土地区画整理事業を行った地域が分かりやすいでしょうか。以前、不動産鑑定士が評価をするときに採用する取引事例比較法という評価方法があるというお話をしましたが、「街路が整備されている」「土地の区画が整然としている」「商業施設が近くにそろう」また「小学校や中学校などが近い」など、区画整理事業地内の土地はこの取引事例比較法でプラスになる要素がいっぱいつまっている地域であることが多いです。那覇新都心や北谷町伊平などがこの土地に当てはまりますが、しかし、地価が「まあ高い」というのが難点。プラス要素がいっぱいあるので、当たり前といえば当たり前なのですが、さすがに一般市民には常識的でないというのが実感かもしれません。
高値になった地域を避けるなら
狙い目としたら土地区画整理事業が進捗中なエリアがあげられます。特にバイパスなどが整備され那覇市までの距離が近く、移動時間も短くなればなるほどいいですね。そんな土地区画整理事業施行中のエリアはまだ割安なことが多いですが、なかなか供給がないということがマイナス要素。ここには元からの地主さんが多く、地域が整備されてより良くなっていくわけですから、売るということになりにくいといった傾向にあります。見つけるのは至難の業かもしれません。
日常生活の中で、『いいな』を見つけよう
土地区画整理事業にとらわれず探すなら、前述した取引事例比較法の考え方、街路条件、交通接近条件、環境条件、行政的条件、画地条件などの条件を比較しながら地域を見ていくことで、より良い地域が見つかるかもしれません。
例えば、「意外と道路が広い」「道が狭くて運転しづらい」「近くにスーパーがある」とか、日頃生活しているうえでの『いいな』と『不便だなと』と思うことをその地域に当てはめてみる。物件そのものだけではなく、自分が行動する中での条件を地域に当てはめられるようになると、自分にとっての「住みやすい」「過ごしやすい」地域がわかりやすくなると思います。実はこれ、ちょっと視点を変えてみるとマンションレベルにも当てはまる話なんです。マンションについてはまたいつかお話しできたらと思います。
次回は、沖縄の不動産市況についてお話をさせていただこうと思います。沖縄の地価は上昇し続けています。新型コロナ感染症が流行していても地価はあまり下がらなかった地域も存在します。このあたりの要因などをお話しできればと思います。
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