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納得! 目からうろこの土地評価 File.10 「標準価格」から注目エリアの動向

納得! 目からうろこの土地評価 File.10 「標準価格」から注目エリアの動向

新たな視点から不動産市況やポイントを考察する本コラム。

今回は、沖縄県から発表された「標準価格」から見えてきた不動産市場の動向について考えてみたいと思います。

週刊かふう2024年11月1日号に掲載された内容です。

沖縄初出店の大型商業施設

 まずは、コストコ沖縄南城倉庫店がオープン(8月24日)した南城市の地価動向です。

 コストコはオープン当初かなりの来客があり、駐車場が満車となって駐車場に入るまでが大変だったという報道がありました。後日私もコストコに行ったのですが、その時も「ここから駐車場まであと〇時間」といった看板がおかれてありました。幸い私は駐車場までまったく待たずに入れたのですが、オープン時は大変だったようですね。

 地価調査における南城市の住宅地変動率は昨年が+5・3%で、今年が+4・3%でした。
コストコに近い基準地としては南城(基)―2があり、所在は玉城字垣花ですが昨年の地価が㎡あたり2万9000円でしたが今年は3万1500円。上昇率は8・6%ですから南城市のなかでは一番高い地価上昇率となっています。

 またコストコ周辺の開発も進んでいることや土地区画整理事業の伸展も期待できますから地価の上昇は当然の結果と言えそうです。

納得! 目からうろこの土地評価 File.10 「標準価格」から注目エリアの動向

地価動向だけでなくコストコ渋滞などさまざまな影響をもたらした

2025年に開業するテーマ―パークの影響

 ジャングリア(大型テーマパーク)の開発が進む本島北部の名護市や今帰仁村はどうでしょうか。地価調査から住宅地の変動率を見てみると、名護市は昨年が+2・5%で今年は+6・4%、商業地は昨年が+3.8%で今年が+6・6%、今帰仁村は昨年が±0%でしたが今年は+9・7%と大きく上昇しています。

 残念ながらジャングリア予定地である旧オリオン嵐山ゴルフ倶楽部(今帰仁村呉我山)周辺には地価公示のポイントも地価調査のポイントもないので、直接的にはわからないのですが、取引事例の動向などを見てみますとやはり高い取引が散見されます。

 ホテルや商業施設などの開発も期待されていますし、雇用環境の創出や社員やバイトの人たちの住居需要増加による土地需要は顕在化していますから、地価が上昇する要因の一つであると言えそうです。ただ、今帰仁村周辺はリゾート需要の高いエリアでしたから、ジャングリアだけの影響とは言えないと思っています。

開発のトレンドによって影響を受けやすい

 沖縄県は全国的にみても地価の上昇が大きい県ですが、地域によって、また開発動向によって地価の上昇は異なります。いま、地価の上昇が大きいのは住宅地でいえば、宮古島市や恩納村、北中城村といった地域です。逆にちょっと元気がない地域は伊江村や久米島町で住宅地はマイナス変動となっています。

 次回はこれらエリア(宮古島市や恩納村、北中城村)の地価上昇がなぜ大きいのかを見ていきたいと思います。

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