あなたの夢を暮らしを応援する
住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

ウェブマガジン

納得! 目からうろこの土地評価 File.14 安い地域からの考察

納得! 目からうろこの土地評価 File.14 安い地域からの考察

新たな視点から不動産市況やポイントを考察する本コラム。

今回は不動産評価におけるリスクについてお話してみようと思います。

週刊かふう2025年4月4日号に掲載された内容です。

そもそもリスクとは?

 われわれが日常で使うリスクという言葉は、何が悪いことが起こる可能性や予想通りにいかない危険性といったようなあまり起こってほしくないような悪い現象を意味することが多いと思います。また、国語辞典では「危険の生じる可能性」、「危険度」、「予想通りにいかない可能性」などと記載されています。
 しかし、不動産のリスクにおいては必ずしもマイナスの要素だけではなく、プラスの要素も含まれます。もっともプラスの要素は少ないのですが。

 実際には不動産でいうリスクは金融商品でいうところのリスクの意味に近く、「ハイリスクハイリターン」という言葉も良く使われます。
この場合の「ハイリスク」とは、「高いリターンが得られる可能性があるが、確実ではない」という考え方のほうがわかりやすいと思います。
 少し話がそれましたが、読者のみなさんは不動産評価におけるリスクは、「予定通りにいかない可能性を数値化している」ぐらいのイメージでいいのではないでしょうか?

納得! 目からうろこの土地評価 File.14 安い地域からの考察

アパートの資産価値キャッシュフロー変動リスクとして代表的な経年による空室率

不動産におけるリスクの種類

 不動産評価の分野では、投資採算分析などの業務を行ったときに投資判断の指標の一部となるリスクですが、いわゆるリスク分析は、①事業完成リスク ②資産価値キャッシュフロー変動リスク ③ストラクチャー・事業関係者の信用リスク などの観点から検討されます。
 アパート経営をひとつの事業とすると、前述①の事業完成リスクは行政の許認可、近隣住民対応、環境対応、土壌汚染、埋蔵文化財包蔵地かどうか、資金が調達できるかどうかなどで、②の資産価値キャッシュフロー変動リスクはその名のとおり、キャッシュフローが事業計画のとおりに運営できるかですね。賃料が予定通り収受できるか、空室の推移状況、事故物件や災害、金利変動、相続や売却といった出口戦略など、③のストラクチャー・事業関係者の信用リスクは、一時期はやったサブリースであればサブリース会社の信用や会計や税制改正、法改正などがあげられます。このように、不動産のリスクは非常に幅広く、考慮すべきポイントが多岐にわたります。

納得! 目からうろこの土地評価 File.14 安い地域からの考察

資産価値の変動、金利上昇など、住宅の購入にもリスクヘッジは必須

無意識のうちにリスクを考えている

 難しく書いてしまいましたが、実は皆さんが家を購入する際にも、こうしたリスクを無意識のうちに検討しているはずです。宅建業者が仲介してくれる場合には、このリスクに関する部分をけっこう調べてくれたりしていますから、ひとまず安心ですね。

 今回の内容は少し専門的でしたが、次回はもっと身近なリスクのお話をしてみたいと思います。お楽しみに!




 次回は不動産評価におけるリスクについてお話ししようと思います。

納得! 目からうろこの土地評価 File.14 安い地域からの考察

このカテゴリの記事