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納得! 目からうろこの土地評価 File.25 コロナ禍で分かれた商業地の明暗

納得! 目からうろこの土地評価 File.25 コロナ禍で分かれた商業地の明暗

新たな視点で不動産市況や注目ポイントを考察する本コラム。前回、前々回は、コロナ禍で大きな動きを見せた住宅エリアを取り上げてきました。今回は視点を商業地に移し、明暗を分けたエリアと、その背景にある要因や特徴を見ていきたいと思います。

週刊かふう2026年2月6日号に掲載された内容です。

明暗を分けた、商業地の地価

 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 前回は住宅地に戻って、コロナ禍で明暗を分けた住宅地、すなわち、コロナ禍でも地価が上昇する地域と下落する地域の差はどのようなものなのかを見てみました。
北谷町の住宅地は全く落ちませんでしたというお話でしたね。北谷町は発展が著しく、土地区画整理事業が行われている地域の地価はなかなか下がってこないという沖縄県の不動産市況をわかりやすく表現している地域ということです。
今回はコロナ禍で明暗を分けた商業地、すなわち、コロナ禍でも地価が上昇した地域と下落した地域とでは、どのような違いがあったのかを見ていきたいと思います。【表1】は令和3年地価公示における地価上昇率トップ10、【表2】は地価下落率トップ10をまとめたものです。なお、カッコ内の数値は、令和2年地価公示における地価上昇率を示しています。

納得! 目からうろこの土地評価 File.25 コロナ禍で分かれた商業地の明暗

令和3年地価公示の商業地で上昇率1位に輝いた沖縄5-2(沖縄市泡瀬2丁目)

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コロナ禍でも伸びた商業地

 コロナ禍における地価上昇率の1位となったのは、沖縄市泡瀬の地点でした。同一路線沿いにある、うるま市前原地区の郊外型店舗の集積の影響で、周辺エリアでは収益力が底堅い状況が維持されていたことが背景にあります。上昇幅は縮まりましたが、県内の商業地ではトップとなる高い上昇率を記録しました。この「沖縄5-2」は全国順位では93位にありますが、微妙な順位ですね(苦笑)。ちなみに、全国で最も高い上昇率を示したのは北海道の倶知安5-1で、上昇率はプラス21%でした。

 全体的に上昇幅は小さくなっているものの、ここでも北谷町の地価上昇がはっきりと見て取れます。住宅地に続き、商業地においても、北谷町は地価の強さが際立つ地域と言えそうです。

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沖縄5-2と同一路線沿いにあるうるま市の郊外型商業施設群

強さと脆さを併せ持つ
那覇市の商業地

 地価が下落した地点のトップ5は、いずれも那覇市の商業地でした。その後に、うるま市の商業地、宜野湾市普天間の地点が続きますが、コロナ禍の影響を最も色濃く受けたのは、やはり那覇市の商業地だったと言えそうです。

 収益性が高いのは、国際通りや新都心地区を有する那覇市の商業地で間違いないと思うのですが、今回のデーターを見ると、下落幅が大きかったのも那覇市に集中していますから、やはり商業地はハイリスク・ハイリターンの傾向が強いですね。商業地は、どうしてもハイリスク・ハイリターンになりやすい、という特徴が表れた形と言えるでしょう。

 那覇市は地価が上昇した商業地もありますので、一概に評価を下げることはできませんが、投資や資産価値という観点からはリスクが大きい地域、すなわち、安定的な資産価値を維持することが難しい地域と言えるでしょう。金融の世界で言うところの「ボラティリティ」が高い地域、と表現すると分かりやすいかもしれません。ここでいうボラティリティとは、金融商品の価格変動の度合いを示す指標のことです。一般的にボラティリティが高いと言えば、価格変動が大きいことを意味し、よく省略して「ボラが大きい」と言われたりもします。

 次回は、このシーズンの最終回として、今後の不動産市況について考察してみたいと思います。

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