稲嶺さんの失敗談から学ぶ相続対策 Vol. 3「共有名義不動産のリスク」
宮城タカシさん(62歳)は親から相続したアパートを兄妹で共有持分(共有名義不動産)としたことを後悔しています。
週刊かふう2024年6月14日号に掲載された内容です。
お悩み事例
相談者の宮城タカシさん(62歳)は、3年前に父親が亡くなった際、相続財産であるアパートを妹のアケミさん(59歳)と共有名義で相続しました。父親の「子供2人に均等に財産配分したい」という意向を反映した相続でしたが、共有持分がもたらす問題が次第に明らかになり、タカシさんは後悔しています。また、将来的にタカシさんの子供や甥姪の世代に引き継がれた際、共有者がさらに増えるリスクについても心配しています。
失敗談からの教訓
共有名義不動産には主に以下のリスクがあります。これらを踏まえたうえで財産配分を考える必要があります。
1.共有者のうちのひとり単独で、売却や賃貸、建替えなどの契約行為ができない。
2.時間が経つにつれ共有者が増える可能性があり、意思決定がさらに複雑になる。
稲嶺さんのワンポイントアドバイス
共有名義不動産は権利関係が複雑になり、トラブルの原因となることがあります。また長期的には財産が活用されずに「塩漬け」状態になるリスクもあります。
共有財産をお持ちであれば、早めの解消をおすすめします。以下に主な解消手段を整理しました。