アールーさんの相続・終活知恵袋 vol.2 家族が助かる遺言書
自身の財産について、将来誰に何をあげるかを決める「遺言書」。相続・終活のゴールは遺言書の作成といっても過言ではないほど大切なものですが、その目的やメリットが十分に認知されているとはいえません。今月はその役割についてご紹介します。
週刊かふう2025年6月13日号に掲載された内容です。
多くの人に関係がある遺言書
「遺言書を書くほどの財産はない」
「法律どおりに分けてもらえればいい」
「家族の仲がいいので問題は起きない」
「早くから遺言書を書くのは縁起が悪い」
遺言書についての記事を目にしたり、話を耳にしたとき、このように考えて「自分には関係のないものだ」と関心を持たない方もいるのではないでしょうか?
しかしながら遺言書には「争続」を防ぐという役割の他に「相続発生時に家族の各種負担を減らす」という大切な役割があります。この相続の時の「各種負担」というのは財産の多少に関わらず、またご家族の仲が良い悪いに関わらず生じるものです。
遺言書がある場合の手続きにおけるメリットは次のとおりです。
①相続手続きの短縮化
遺産分割協議が不要になり、相続人が何度も集まる必要がありません。また銀行の預貯金等もすぐに解約手続きを進められます。
②誰か一人で手続き完結
「遺言執行者」を設定しておけば、その執行者1名が代表して手続きを進めることができます。
③必要書類の減少
戸籍や財産に関する資料の収集がない場合と比べて少なく済みます。
④相続人の精神的負担軽減
どんなに仲が良い相続人でも財産に関する話し合いはストレスがあるものです。親がさまざまな事情を考えて決めてくれているとありがたいものです。
アールーさんの知恵袋
遺言書の形式は何を選ぶ?
実際に作成しようとすると実は遺言書の形式は3種類あります。それぞれの特徴と注意点を知り、自身に最適だと思う形式を選択しましょう。作成にあたっては専門家への相談をおすすめします。