僕の好きな風景 第72回 小屋を楽しむ。
庭の一角にたたずむ、6帖大の小屋
週刊かふう2023年6月2日号に掲載された内容です。
コロナ禍をきっかけに、自宅勤務に切り替わった方々も少なくないと思います。
自宅の一角をやりくりして、仕事場としてのスペースをなんとかひねり出しているというところではないでしょうか?
もし、庭に余裕があるのなら、その一角に小さな小屋を建てるのも楽しいのではないかと思います……今回はそんなご提案を。
ずっと前から楽しい小さな小屋を設計してみたいと待ち望んでいたところ、チャンスがやってきました。
今回、「i_works5.0」という伊礼智設計室が提案する新しい規格型住宅とセットで小屋づくりに取り組むことができたのです。
6帖大のとても小さな小屋でありながら、コンテナハウスのようなただの箱ではなくて、デイベッドが造り付けられ、デスクもオリジナル、断熱もしっかり施され、エアコンも完備されて1年中使える小屋です。
洗面器もトイレもあり、冷蔵庫も設置できるのでビールを冷やして自分だけの快適な居場所が創れます。
お風呂以外は母屋に行かなくても済むので、集中してこもれるハナレとなるのです。
プレオープンの時にご覧になられた方々には大変好評で、設計者としても手応えを感じ、うれしい限りです。
ここで、小屋の設置条件について。母屋がありハナレとして増築するなら大丈夫ですが、何もない敷地に新築としては建てられません。
また、防火地域・準防火地域外であり、母屋も含めて建ぺい率を超えない10平方メートル以下であることが条件。
さらに、キッチン・トイレ・浴室の三つがそろうとハナレとは言えなくなりますので注意。
以上の条件がそろえば基本的に確認申請なしで建てることができます。
今後、「i_works小屋」として、販売を検討中。
「i-works小屋」平面図。トイレや洗面所、冷蔵庫やデイベッドも設置された小さな居場所
杉板に包み込まれる内部空間を持つ