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新着 不動産相続Q&A File.1 「相続登記義務化」に関する改正法

新着 不動産相続Q&A File.1 「相続登記義務化」に関する改正法

週刊かふう2022年3月25日号に掲載された内容です。

新着 不動産相続Q&A File.1 「相続登記義務化」に関する改正法

「相続登記義務化」に関する改正法

昨年4月に法改正等された所有者不明土地解消に向けた見直しの中で不動産相続に関する身近な情報を中心に提供します。第1回は「相続登記の義務化」について、区長と青年会会長のおしゃべりで解説します。

とある日曜の昼下がり、“世話好き”区長と“張り切り”青年会会長の会話

【区長】 いつも青年会活動ご苦労さん。コロナ禍で活動できず新しい会員募集も大変のようだけど、区の持続可能な発展にもためになる相続の話をしてみないか。

【青年会会長(以下、青年会)】 コロナ禍でも区長の「こーみんくゎん(公民館)よりお知らせします……」の放送でいろいろな情報を得て助かっています。相続といえば、最近青年会メンバーが住宅建築の融資を銀行に相談したところ土地が20年前に亡くなったおじー(祖父)名義のままで、相続手続をするように言われ困っていると話していました。ぜひ、話を聞かせてください。

【区長】 昨年4月に「相続登記義務化」に関する改正法が成立したんだよ。これまで相続登記には申請期限がなく義務でもなかったから、亡くなった人の名義のまま放置されることが少なくなかったんだ。

【青年会】 そういうことなんですね。そのまま放置するとどのようなことになるんですか?

【区長】 放置したままだと、その間に相続人が死亡したりすると相続人がどんどん増えるから、遺産分割協議が難しくなり相続登記手続が複雑化するんだよ。例えば、相続人である両親やおじさん・おばさんが亡くなるとその子供たち、つまり青年会メンバーや兄弟姉妹、いとこたちが相続人になるだろ。遺産分割協議は相続人全員の協力が必要になるので、大変な手続になるよね。

【青年会】 なるほど、大変そうですね。

【区長】 相続登記を放置することで、所有者不明土地(①不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地 ②所有者が判明してもその所在が不明で連絡がつかない土地)が全国的に増えたんだよ。所有者不明土地を全部合わせると九州くらいの面積になるといわれているそうだ。

【青年会】 そのままの状態が続くと区の土地にも所有者不明土地が増え、青年会メンバーも住宅を建築できず、若者が地元を離れ、区の存続問題になりますね。相続登記の義務化が所有者不明土地発生の予防になれば、区の持続可能な発展につながる重要な改正ですね。ところで、義務化の開始と内容はどうなっていますか。

【区長】 義務化の開始は2年後の令和6年4月1日から。相続人は取得を知ってから3年以内に相続登記をしなければならないんだよ。また、正当な理由のない場合は過料規定もあるそうだ。

【青年会】  令和6年4月1日以前に開始している相続については?

【区長】 相続人が相続開始及び取得を知っている場合には令和6年4月1日から数えて3年以内(令和9年3月31日)に相続登記をしなければならないんだ。過去に相続登記をしていないケースも対象になるから、長期間にわたり相続登記をしていない場合は、早めに話し合いに着手する必要がありそうだね。

【青年会】 話し合いって大変そうですね。

【区長】 相続の話を切り出すタイミングはデリケートな問題だから、義務化の法改正により話し合うきっかけが増えることを期待したいね。今後は死亡後3年以内に遺産分割が必要になるので、遺産分割に優先する遺言書の作成が重要になってきそうだね。
 以上、区長でした。

新着 不動産相続Q&A File.1 「相続登記義務化」に関する改正法

司法書士 喜屋武 力(きゃん つとむ) 

平成7年司法書士試験合格
司法書士法人きゃん事務所 与那原町字東浜23番地2
Tel:098-882-8177 Fax:098-882-8178

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