もっと知りたい!不動産マーケットFile.9 那覇市の地価動向 その④
那覇市の南西部に位置し那覇空港を有する小禄地区。沖縄の玄関口ともいえるエリアの地価動向をみていきましょう。
週刊かふう2021年3月5日号に掲載された内容です。
小禄地区のセールスポイントはモノレール沿線。商業地なら駅近が希望条件
Case1 人気の高いエリアでもコロナの影響が顕著
空港と首里を結ぶ沖縄都市モノレールが整備されているほか、小禄駅周辺は商業施設も充実しており、土地区画整理事業が実施されていることもあって、住環境は良好です。新型コロナ感染症の影響がある前までは、やはり非常に人気の高い地域でした。
地価が大きく上昇していた一昨年までは、土地区画整理事業が実施されたモノレールの北西側の人気が特に高く、土地区画整理事業が行われていない南側地域の需要はやや弱かったため、地価上昇にも地域での温度差があったように思われます。
商業地でも新型コロナ感染症の影響は大きく、昨年、沖縄県が発表した地価調査では、基準地・那覇(県)5-16の赤嶺1丁目が34万円/㎡で9・7%の上昇でしたが、その前年の地価上昇率が19・2%の上昇なので、上昇率は大幅に減少しています。
やや需要が弱い南側では、高良1丁目の那覇(県)5-12が13万9000円/㎡で地価上昇率は±0%でした。ここも前年が12・1%の上昇でしたから、新型コロナの影響が大きく出ているといっていいでしょう。この那覇(県)5-12はやや需要が弱いところでしたが、割安感から大きく上昇をしていた地点でした。
利便性が高く住環境が良好な田原1丁目の住宅街
Case2 住宅地も総じて上昇幅が減少
(奥武山公園)駅近にある那覇(県)-16(鏡原町)は16万7000円/㎡で3・7%の地価上昇で、前年が8・1%の上昇でしたので上昇幅は減少しています。田原1丁目の那覇(県)-20は21万1000円/㎡で7・7%の上昇。こちらも前年の10・1%上昇に比べ、那覇 (県)-20と同様上昇幅は減っていますが、商業地である那覇(県)5-12のように、12%の上昇からいきなり横ばい(±0%)となるほど劇的に変わった訳ではなさそうです。
やはり那覇市全体としても商業地への影響は大きいですが、商業地と比較すると住宅地への影響は少ないようにみえますね。
ワクチンの供給が日本でも始まっていますが、沖縄県経済や不動産市況がどうなるかはまだまだ不透明です。ただ3月中旬ごろには国土交通省の地価公示(1月1日時点)が発表される予定ですので、昨年の不動産市況がどうであったかがみえてくると思います。
次回は、マンションの市況についてみていきましょう。