もっと知りたい!不動産マーケットFile.11 浦添市・宜野湾市の市況
コロナ禍の影響が大きく反映した令和3年地価公示。今回は、堅調な動きで人気の高い浦添市と宜野湾市の地価動向についてみていきましょう。
週刊かふう2021年6月4日号に掲載された内容です。
上昇幅は縮小したものの下がることは考えにくい浦添5-2(字城間)の商業地
Case1 上昇幅は減少ながら地価は上昇
新型コロナ感染症の影響が気になるところですよね。もちろん地価でも大きな影響は免れませんが、今年3月に発表された地価公示の中から特徴的な地点と数字をみてみましょう。
まずは浦添市です。令和3年地価公示で一番上昇した住宅の地点は浦添-12(仲間3丁目)で14・1%の上昇でしたが、令和3年地価公示では2・7%の上昇でした。かなり上昇幅が縮小していますね。でも地価は上昇しています。
縮小幅が大きいのは浦添-9(城間3丁目)で、昨年は13・0%も上昇していたのに、今年の地価公示では±0%で地価の上昇が止まりました。
商業地はどうでしょうか? 令和2年地価公示で一番上昇した商業地は浦添5-2(字城間の国道58号沿い)で12・3%の上昇でしたが、令和3年地価公示では2・1%の上昇でした。住宅地と同様に上昇幅は縮小しましたが、それでも地価は上昇しています。しかし昨年11・9%も上昇していた浦添5-4(仲西1丁目)は、今年の地価公示では±0%となり、この地点も完全に地価の上昇が止まっています。
住宅地の平均変動率を見ても、令和2年の地価公示では+9・9%でしたが、今年は+0・9%と激減しました。同様に商業地も+11・0%から+1・1%となりました。
宜野湾市はどうでしょうか。昨年の地価公示で一番上昇したのは宜野湾―3(大山3丁目)でその上昇幅は13・0%でした。しかし、今年の地価公示では±0%で地価の上昇が止まりました。
商業地にいたっては、宜野湾5-2(大山2丁目)が昨年の上昇率が30・4%だったのに対し、今年の地価公示では-0・6%の下落(!)になってしまいました。平均変動率でみてみると、住宅地は+11・2%でしたが今年は+1・1%と激減です。同様に商業地も+14・5%から+0・1%となりました。
地価の上昇が止まっても今後の動向が注目な宜野湾-3(大山3丁目)
Case2 予断を許さない今後の動向
浦添市も宜野湾市も不動産市況は大きく変わりました。しかし、冷静になってみると、このコロナ禍においても地価が上昇しているのには驚きますね。沖縄のポテンシャルの高さを感じますが、逆に考えると「高止まり」といったイメージでしょうか。
まだまだ地価は上昇するのか? それとも高止まりのようなイメージで現状を維持するのか、はたまた下落に転じるのか? 地域によっても異なると思いますが、不動産の今後の地価動向は非常に難しい局面を迎えているように思います。
次回は沖縄市・北谷町の不動産市況についてみていきます。