もっと知りたい!不動産マーケットFile.12 沖縄市・北谷町の不動産市況
コロナ禍の影響が大きく反映した令和3年地価公示。今回は、沖縄市や北谷町の地価動向についてみていきましょう。
週刊かふう2021年7月9日号に掲載された内容です。
コロナ禍でも堅調な動きをみせる土地区画整理事業地。北谷町伊平地区の不動産市況も例にもれず高額な取引は変わらない
Case1 高止まり感もありながら現状維持の様相
まずは沖縄市からみていきましょう。今年3月に発表された地価公示の結果では、住宅地の平均変動率は+1・4%の上昇でしたから、コロナ禍においても上昇しています。しかし、昨年の変動率+11・1%と比べれば上昇幅はかなり減少しています。
各地点の変動をみてみると、昨年は15・8%も上昇していた沖縄-1(宮里3丁目)が今年は±0%の変動となっています。同様に12・3%も上昇していた沖縄-6(室川2丁目)も横ばいといった結果でしたが、昨年、17・8%の上昇で沖縄市のなかで一番上昇していた住宅地の沖縄-5(泡瀬3丁目)は、今年は+5・1%(7万5800円/㎡)と上昇幅を大きく下げました。
商業地も同じように、昨年12・3%も上昇してた沖縄5-1(胡屋1丁目)が、今年は±0%で横ばいです。やはり、全体的に新型コロナ感染症の影響によって、地価の上昇は抑えられたような印象ですね。下落地点はなかったので、イメージとしては高止まりといったところでしょうか。
賃貸住宅需要は堅調ですし、一部のハウスメーカーでも受注は順調といった話を聞きます。不動産の取引も比較的堅調なので、現状が持続されそうな感じですね。
閑静な住宅街として人気の沖縄市泡瀬3丁目も上昇幅減と言え5・1%のアップ
Case2 かつての新都心を彷彿させる市場動向
北谷町も土地区画整理事業地の不動産取引は堅調です。かなり高額な取引が相変わらずみられますから需要は非常に高いといえるでしょう。とは言え、昨年+13・5%の上昇だった北谷-3(伊平土地区画整理事業地内)も、今年は+4・5%の上昇でやはり上昇幅は減少しています。同じく、北谷-1(桑江)も昨年の+17・6%から今年は+5・1%と大きく上昇幅を下げ、商業地も、+15・4%の上昇だった北谷5-1(桑江)が、今年は+4・2%といった結果でした。
住宅地・商業地のいずれも地価の上昇幅は減少していますが、それでもプラス変動ですから、やはり人気が高いエリアはこのコロナ禍においても地価は上昇しますね。リーマンショックがあったころの新都心地区を思い出します。
やはり、不動産選びは物だけを見るだけではなく、地域性や将来性を考慮しておく必要がありますね。どんなにいい物件であっても場所によって資産価値が維持できるか? 大きく左右されそうです。
次回は豊見城市・糸満市の不動産市況についてみていきます。