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不動産売買のタイミング~不動産の買い時と売り時~File.2

不動産売買のタイミング~不動産の買い時と売り時~File.2

今回も先日発表された地価公示をもとに沖縄県の不動産市況を見ていきましょう。

週刊かふう2022年5月6日号に掲載された内容です。

全国の不動産市況
沖縄の工業地は全国トップ

 まずは、全国の市況から簡単に見てみましょう。住宅地で最も地価が上昇した地域は北海道で4・6%の上昇、最も下落した地域は和歌山県で▲1・3%でした。
 商業地では福岡県が4・1%の上昇、最も下落したのは鳥取県で▲1・7%でした。
 工業地で最も上昇したのは沖縄県で+18・2%、逆に最も下落した地域は和歌山県と鳥取県で、どちらも▲0・6%でした。
 沖縄県の工業地の地価上昇率は全国的に見ても非常に大きく、第2位の佐賀県が6.9%ですから、そのすごさがわかると思います。ちなみに工業地の全国平均は2.0%ですので、沖縄の工業地は桁違いにすごいですね。

不動産売買のタイミング~不動産の買い時と売り時~File.2

コロナの影響で下落も
回復傾向もあり

 全国では、住宅地で下落した地域は27県にものぼり、新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)の影響を受けていることがわかります。ですが、昨年の令和3年地価公示では38の都道府県で住宅地が下落しており、比較すると回復傾向にあるともいえそうです。
 商業地はどうでしょうか? 令和3年の地価公示では39の都道府県で下落しましたが、今年の地価公示では29府県での下落にとどまり、やはり、住宅地と同様に回復傾向にあるといえそうです。工業地も同様の傾向にあります。
 

不動産売買のタイミング~不動産の買い時と売り時~File.2

沖縄県の地価公示
売り時、買い時とは

 令和4年の地価公示で沖縄県はどうだったのでしょうか?
 沖縄県の令和3年の地価公示は、住宅地は1・0%、商業地は0・2%、工業地は17・0%でしたが、令和4年では住宅地が2・0%、商業地が0・7%、工業地が前述のとおり18・2%といずれも上昇率は増加傾向にあります。
 また住宅地の上昇が顕著な地域は宮古島市(5・3%)、中城村(3・9%)、西原町(3・4%)などで、那覇市は1・0%でした。商業地では、北谷町(4・0%)、宮古島市(2・6%)、中城村(2・6%)などで、那覇市は0・1%でした。ここでも宮古島市の地価上昇が顕著ですね。
 新型コロナが流行前の令和2年の地価公示では、住宅地では読谷村が21・2%も上昇しており、糸満市は17・1%、北谷町は15・0%といったことを考慮すると新型コロナの影響を受けているのは間違いないものの、昨年と比較すると若干ですが地価の上昇は回復傾向にあるといえそうです。
 ちなみに令和2年の地価公示において商業地の那覇5-8(那覇市久茂地)は、なんと45・9%の上昇でした。㎡あたり42万5000円から20万円! 近くも上昇して、㎡あたり62万円にもなったのです。今回は㎡あたり61万円で少々下落しています。
 このように新型コロナの影響を受ける前とコロナ禍の不動産市況は大きく様変わりしています。売るにも買うにもタイミングを誤れば損してしまいます。皆さんの個別的な事情もあると思いますが、今、買っていいのか、いや、今買うべきなのか、また、今、売っていいのか、今売るべきなのか、不動産売買は時間軸で考えることも必要です。

次回は「土地価格」についてです。不動産の価格を構成する主要なものは土地代と建築費です。これらの市況を知るための数々の公表データをみていきましょう。

※「▲」はマイナスを表す

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