不動産売買のタイミング~不動産の買い時と売り時~File.5
不動産の価格を構成する主なものは土地代(土地価格)と建築費です。今回は、建築費の指標となる公表データについて、主な3つをピックアップしました。
週刊かふう2022年8月5日号に掲載された内容です。
国土交通省の「建築着工統計調査」
建築着工統計調査は、e-Statと呼ばれる政府統計の総合窓口というホームページから見ることができます。以下、そのホームページからの引用です。
建築着工統計調査は、建築基準法第15条第1項の規定により届出が義務づけられている建築物を対象とする統計調査で、毎月調査結果を公表しています。調査から得られる全国の建築物の動態は、国や地方公共団体の施策の基礎資料となるばかりでなく、民間でも業界団体、金融機関、各種研究機関等で動態分析などに広く利用されています。
建築着工統計調査では、建築物の着工状況について建築主別の建築物の数、床面積の合計、工事費予定額などの結果を、全国、都道府県、市区町村の地域で提供しています。
(e-Statから)
この建築着工統計調査は、全国の建築動向が網羅されており、非常に有用なデータとなっています。少々残念なのは、令和2年4月をもって市区町村別の集計結果がなくなってしまったことです。それでも、全国を網羅したこのデータは月次、年次、年度次で構成されてる上、調査内容も多岐にわたります。
簡単に紹介しますと、用途別、構造別、地上の階数別、地下の階数別(地下がある場合)、床面積、工事費予定額、都道府県別、敷地面積、都市計画別など逆にデータが豊富すぎるかもしれないですね。
産業用建築物別では、事務所や店舗、工場や倉庫、学校の校舎、病院・診療所などが記載されているほか、居住用、農林水産業用建築物、電気・ガス・熱供給・水道業用建築物、運輸業用建築物、通信業用建築物など数十種類の用途別に記載されています。
私も鑑定評価を行う時はよく参考にしているデータで、平成19(2007)年度分から公開されています。
「住宅着工統計」
前述の建築着工統計調査の中で、さらに分類されるもので、住宅に関する建築データがエクセル形式で公開されています。これも多岐にわたってデータが公表されています。
例をあげると、都道府県別、利用関係別(持ち家か貸家かなど)、資金別(民間資金、公営資金、住宅金融支援機構、都市再生機構)、規模別、ツーバイフォー住宅、1戸あたりの工事費予定額、1㎡あたりの工事費予定額など、かなりのデータ量で、これが月次、年次、年度次として公開されています。
建設物価調査会の「建築費指数」
これはシンプルでわかりやすいですね。具体的な建築費は建築着工統計調査で見た方がいいのですが、この建築費指数の良い点は過去からの建築費の推移がグラフでみることができ、建築費の上昇や下落がすくにわかります。
今年6月に発表されたデータを見ると、6月は131.9ポイント(2011年を100とする)となっており、特にここ数年で大きく上昇していることがよくわかります。那覇市のデータもエクセルでの提供ですが公開されており、建築費が上昇しているのか下落しているのか、すぐに把握することができます。
さて、次回からは不動産売買のタイミングのお話に入ります。まずは那覇市からです。