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不動産売買のタイミング File.20 宮古島市の不動産売買のタイミング

不動産売買のタイミング File.20 宮古島市の不動産売買のタイミング

県内各地の不動産売買のタイミングについてお話します。

今回は、住宅地、商業地ともに県内市町村でトップと上昇著しい宮古島市の不動産市場の傾向と特徴についてお話したいと思います。

 

週刊かふう2023年11月3日号に掲載された内容です。

不動産売買のタイミング File.20 宮古島市の不動産売買のタイミング

地域振興と観光需要が地価上昇を後押し

 沖縄県が発表した地価調査において、宮古島市の住宅地で下落している地点はありませんでした。それどころか、宮古島市の住宅地は沖縄県で1番地価が上昇した地域となりました。
 住宅地の平均変動率はプラス17.7%で、昨年の地価調査ではプラス10.9%でしたから上昇幅は非常に大きいですね。一番上昇した地点は、伊良部にある宮古島(県)-16。昨年の1万2500円/㎡から今年は1万6000円となり、上昇率は28%でした。ほかにも平良の西里にある宮古島(県)―3が23.2%の上昇、また城辺の保良にある宮古島(県)―8が23.1%の上昇となり、大きい地価の上昇を示しています。あまり上昇がなかったのは平良西仲宗根にある宮古島(県)―1ですが、そこでもプラス4・1%を記録しています。

 なぜ、こんなに宮古島市の地価は上昇しているかと言えば、土地区画整理事業(竹原地区)や令和3年に開庁した宮古島市役所、サンエー宮古島シティの開業などの土地整備と地域振興に加え、観光需要の回復も上げ幅拡大の大きな要因です。また建築費が高騰していることから木造の建て売り分譲も見られるようになり、島外からの需要の拡大も追い風となって3500万円以上の物件もよく売れています。一方で西里など中心市街地は住宅供給が少ないのが現状で、そのため需要が郊外に流出する傾向にあり相対的に価格が安い城辺や狩俣、保良などの中古物件も好調です。

史上稀にみる土地バブル

 さて、平成18年以降の地価動向(沖縄県地価調査)を見てみると宮古島市の住宅地地価は平成27年まで下落し続けましたが、その下落率は毎年1%未満だったので下落はわずかなものでした。平成28年にプラスに転じましたがプラスといってもわずか0.3%の上昇でした。翌平成29年以降も上昇を続けましたが、比較的小さめの上昇でした。そのため、平成18年から平成29年くらいまでは地価の変動が少なく、この期間であれば売っても買ってもあまり損得はなかったでしょう。しかし、令和2年に10.8%の上昇を示しましたから、令和2年以降に住宅を買った人は高い時期に買ってしまった可能性はありますが、令和3年以降も高い上昇を示しており、稀有な価格の上昇は現在進行形のピークと言えるでしょう。

不動産売買のタイミング File.20 宮古島市の不動産売買のタイミング

条件で差はあるものの土地売却は容易

 これから住宅を買おうとしている場合はどうでしょうか? 下落する気配がありませんので、いい物件があったらすぐ買うべきでしょう。ただ、宮古島市の住宅地の価格水準はちょっと高すぎるような印象もあります。特に中長期的な観点からすると、今後この価格水準を保つのかどうかちょっと不安な面があるのも確かなことでしょう。
 逆に売る場合はどうでしょうか? 建物がある取引ならば、かなり高価格で売却できると思います。更地で売ろうとすると、建築費の高騰が深刻で、職人さんも限られますから、建築するまでに時間がかかる可能性があります。つまり、お金も時間もかかるので、すぐに売れるかどうかは難しい面があるように思います。
 上物あり・更地、いずれにせよ宮古島市の住宅地は地価の上昇が顕著ですから、売りやすい状況にあるといえるでしょう。下落する気配がないので、売り急ぐ必要がないならば、もう少し様子をみてもいいかもしれません。

 さて、次回は石垣市の売買タイミングのお話です。石垣市の住宅地も地価の上昇が大きい地域です。そのあたりをお話ししたいと思います。

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