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不動産売買のタイミング File.21 石垣市の不動産売買のタイミング

不動産売買のタイミング File.21 石垣市の不動産売買のタイミング

県内各地の不動産売買のタイミングについてお話します。

今回は、温暖な気候と自然の魅力から移住地としても人気の高い石垣市の不動産市場の傾向と特徴についてお話したいと思います。

 

週刊かふう2023年12月1日号に掲載された内容です。

不動産売買のタイミング File.21 石垣市の不動産売買のタイミング

離島にも拘わらず、地下上昇は顕著

 沖縄県が発表した地価調査において、石垣市の住宅地で下落している地点はありませんでした。前回の宮古島市ほどではありませんが石垣市の住宅地も地価の上昇が顕著な地域です。住宅地の平均変動率はプラス6.7%で、昨年の地価調査では5.6%のプラスでしたから上昇幅は拡大しています。
 一番上昇した地点は新栄町にある石垣(県)-3で、昨年は㎡あたり6万1000円でしたが、今年は6万8000円となり、その上昇率は11.5%でした。そのほかにも字新川にある石垣(県)―7がプラス8.6%、また同じ新川の真喜良にある石垣(県)―5が7.8%の上昇となるなど地価の上昇が顕著です。逆にあまり上昇がなかったのが川平にある石垣(県)―1でプラス0.7%でした。

在宅ワークと値ごろ感が地下上昇を後押し

 石垣市の地価は、なぜ上昇しているのでしょうか? いくつか要因はありますが、まずは島外からの需要です。リモートで仕事ができるようになったこともあり、特に県外にいる方は沖縄に憧れて移住という選択をしていることですね。東京からの移住なら、東京の自宅マンション等を賃貸に出して、その賃料収入で石垣市の戸建てを購入し移住。月に一度の本社への出社には格安航空会社(LCC)を利用するようですから、企業としても通勤の定期代を出すよりも安く済むし、事務所もコンパクトにでき固定経費の縮小につながるといったメリットもありますね。

 とは言え、1番の要因は東京などの大都市と比較して石垣の物件が安いということ。当たり前といえば当たり前ですが、首都圏の人からすれば高級外車(ドイツのあの車)を買うのと総額があまり変わらないという感じでしょうか。もっとも最近は石垣の物件は高いので高級車1台というわけにはいかなくなっていますが、それでも石垣の魅力と相対的に割安な不動産価格が需要を喚起していると考えられます。

 もうひとつの要因は、賃貸物件の家賃が高いこと。建築費の高騰で家賃が上昇傾向にあり、高い家賃を払うなら戸建て住宅を買ったほうがいいという心理は理解できます。建築費が高いということは、土地を買っても建物が高くなるということになりますから中古住宅が人気です。

不動産売買のタイミング File.21 石垣市の不動産売買のタイミング

高騰する建築費も不動産取引のポイント

 さて、過去の地価動向(沖縄県地価調査)を見てみると石垣市の住宅地地価は平成5年から下落し続け、平成19年にようやく1.1%の地価上昇が見られ、翌平成20年もプラス0.9%の上昇となりました。それでも平成21年から平成25年(新石垣島空港オープン)まではまた下落に転じ、その後平成26年以降は地価上昇に転じていますから、底値は平成21年から平成25年の時期と考えられます。この時期に不動産を購入していれば、良いタイミングで買ったと言えそうですが、売ってしまった人は安いときに手放してしまったかもしれません。

 これから住宅を買おうとしているなら、下落する気配がありませんので適当な物件があったらすぐ買うべきでしょう。逆に売るとなると、上物(建物)があるとかなりの高価格になると思います。更地だと建築費が高騰し職人さんも限られていますから、完成までに時間がかかる可能性もあります。つまり、お金も時間もかかるので、すぐに売れるかどうかは難しい面があるように思います。このあたりは前回の宮古島市と同じような状況です。
 どちらにせよ売るとするならば、石垣市の住宅地は地価の上昇が顕著ですから、売りやすい状況にあるといえるでしょう。ただ下落する気配がないので、売り急ぐ必要がなければ少し様子をみてもいいかもしれません。


 さて、2年近くをかけて連載してきました売買のタイミングですが、今回の石垣島市でいったん幕を閉じ、次回からはまた新しいテーマで寄稿させていただきます。よろしくお願いします。

不動産売買のタイミング File.21 石垣市の不動産売買のタイミング

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