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教えてコンサル金城さん 不動産のギモン解決! 第9回 家は買うべきか? 借りるべきか?

教えてコンサル金城さん 不動産のギモン解決! 第9回  家は買うべきか? 借りるべきか?

住まいについて、「買う方が得」「賃貸が良い」などさまざまな意見がありますが、実際はどれが一番良いのでしょうか。今回は買うべきか、借りるべきかを決める前に考えてほしいことを取り上げます。

中長期のスパンで考える

 総務省統計局の調査(社会生活統計指標)によると、2018年の沖縄県の持ち家比率は44・4%で全国最下位となっています。その一方で、借家比率は全国で最も多い49・5%(2位は東京都49・1%)で、全国一借りる世帯の割合が多い分、潜在的に家を買いたい人が多い傾向にあると考えられます。
 とはいえ、土地がなかなか探せない上に値段が高い、希望の物件が見つからないなど、買いたくても買えないケースも多く、やむなく賃貸住宅を選んでいることも予想されます。
 一般的に購入するメリットとして、将来住む場所が確保される、財産になる、模様替えやリフォームがしやすいなどが挙げられる一方で、デメリットとして経年劣化の心配(維持費が掛かる)、長期間にわたるローン支払いなどが挙げられます。
 購入を慎重に考えるなら、月々の支払いが『家賃並み』という売り文句で家の購入を検討すべきではないと思います。住宅ローンは借入可能額で判断するのではなく、長期間に渡って支払える額か、維持費の出費に困らないか、長く住むにあたって家族構成の変化に対応できるか、という点も検討してください。
 一方賃貸のメリットは、いつでも住み替えができる、ローンの支払いがない点などが挙げられますが、いずれにせよ買うべきか、借りるべきかは個々のライフスタイルによって違いがあって当然だといえます。

答えも多様化

 今回は賃貸か購入かについての相談事例を紹介します。まずは、賃貸でペット可物件を探していたAさんの事例です。相談を受けた時は賃貸物件を探し中でしたが、ペット可の希望する物件が見つからず、ご自身で建てる選択をしました。その際に土地探しから建築までコンサルとして携わり、狭小地を利用した「住宅兼共同住宅」を提案しました。現在は、賃貸部分の家賃収入をローン返済に充てて、ご自身も同物件でペットと暮らされています。こちらは希望の住まいを「買う」決断をして、家賃収入でローンの一部を支払う手法を取り入れました。
 二つ目は、高齢になり、長年住み慣れた戸建てを売却したBさんご夫婦です。子どもたちが巣立ったのを期に、老後の資金作りにと住宅を売却。「借りる」ことを選びましたが、いざ賃貸物件を借りようとすると、高齢に加えて無職のため、条件的に借りにくい状況が生じました。Bさんから相談を受け、私も不動産会社との話し合いに同席しました。そこでは2年分の家賃を一括で支払う提案をし、交渉することに。その案は無事採用され、2年間の定期借家契約を結んで入居できました。
 事例からもわかるように、買うべきか、借りるべきかは個人の状況によって異なります。どちらかを選択する時に、心配なことが将来解決できるのか、できるだけ多くのギモンを挙げて答えを見いだせれば、どちらを選んでも良い住み方ができると思います。ケースごとにさまざまなことが関係してきますので、詳細を相談したい方はお近くの不動産コンサルマスターにご相談ください。

 次回は、「建築坪単価を考える」について解説します。

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