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教えてコンサル金城さん 不動産のギモン解決! 第13回 建築費高騰の対策を考える

教えてコンサル金城さん 不動産のギモン解決! 第13回 建築費高騰の対策を考える

ここ数年、建築資材や人件費など建築費の高騰が続いています。今回は、建築費高騰の中でも賢い住まいづくりを行うための方法について考えてみましょう。

建築費用を抑えるポイント

 今回は、建築費高騰の中で住宅を建築したTさんの事例からです。Tさんは、長年住んだ戸建ての建て替えを希望されていました。家族4人で住む新居の要望は、リビングや応接室のほかに、個別の個室を4室、トイレは2カ所設けることでした。
 しかし問題は、建築資材や人件費など建築にまつわる多くの価格が高騰していること。新築の建築費がここ数年で2~3割ほど上がっていると言われます。
 まず、住まいを建てる上で大切なのは、「準備できる予算を把握すること」です。コラムの第5回『家を建てる・購入前に必要なこと』でもお話しましたが、資金計画を立てる際は、借り入れ可能な額ではなく、支払い可能額を見極めることもポイントです。
予算を決めた後は、建築費のどの部分に重きを置くかなど、詳細費用について考えていきます。建築費で最も左右されるのが建築面積。続いて骨組み構造(コンクリート、ブロック、木造、鉄骨)、住宅設備、デザイン、外溝工事となります。
 費用削減を考えるなら、「建築面積の大きさを調整すること」が一番でしょう。続いて、どのような構造で建築するか、また住宅設備やデザインにどれだけの費用をかけるかといったように工事費の割合比率を分析することで建築費用の削減が期待できます。

予算内の設計を現実化するために

 先日、知り合いの設計士と費用削減について話したときに、建築予算の範囲内で理想と現実のギャップを埋めることが大切だと教えてもらいました。すなわち、ある程度の妥協も必要ということです。
 初めに紹介したTさん宅は、できるだけ建築面積を大きくせずに、各部屋の面積を最小限度に抑え、無駄のない室内動線を重視したシンプルな間取りを採用しました。
 Tさんと打ち合わせを重ねる中で、さらなる予算削減の要望もありました。建築費の予算削減には限界がありますので、戸建てから賃貸併用住宅のプランへ変更を提案して、家賃収入を得ることで建築費用の支払いに充てる方法を提示しました。
 当初は戸建ての予定でしたので、賃貸併用に対する不安もあるかと思い、Tさんには賃貸併用住宅のメリットはもちろん、将来の空き室リスクなどのデメリット、さらに経年に伴う建物の補修費用の積み立てなどについても事前に説明しました。ゴミ出しが他の住人と一緒になるなど、賃貸併用によって変わる点もイメージしてもらいながら話し合いを続けた結果、Tさんは家賃収入によって老後の安定した生活と比較すれば、それらは問題ないと判断されたので、建築へと進めていきました。
「建築費が高いから」と新築を断念する前に、希望の建物を予算内でどう建築できるか、細分化しながら考えることをおすすめします。プランや予算面などについて、事前に専門家に相談して対策していきましょう。

 次回は、「不動産会社との付き合い方」についてお話します。

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