教えてコンサル金城さん 不動産のギモン解決! 第21回 駐車場を優先した建築プラン
建築プランを立てるとなると、予算や間取り、デザイン、設備などさまざまな要件をイメージする必要があります。どれを優先し計画を進めるかはケースごとに異なりますが、今回は駐車場をポイントにした建築プランについてご紹介します。
週刊かふう2023年10月13日に掲載された内容です。
建築プランを立てる前に考えたいこと
家をつくる、共同住宅を建築する場合に、多くの方は人が集まりやすい環境をつくる必要があると考えます。駐車スペースの確保もその一つで、来客用の駐車場は友人知人が気軽に訪ねて来てくれるためにも必要不可欠な存在です。親戚や地域との関係を大事にする沖縄ではなおさら重要になってくると思うのです。
アパート建築などの土地活用では、できるだけ建築面積を増やし収益を上げることを優先する必要がありますが、長期的な経営を考えた場合には入居率も大事なポイント。他との差別化を図り、高い入居率を保つ。1室当たりの駐車台数を多めに取ることも優位性の確保につながります。
駐車場を優先に考えるメリット・デメリット
駐車台数を増やすメリットとしては、親族や友人などが集まりやすくなることはもちろん、来客者にとっても駐車できるスペースがあることは安心でき、近隣トラブルを心配する必要もなくなります。また将来売却する状況になった時にも、複数の駐車台数があることは大きなセールスポイントになってくるでしょう。
デメリットとしては、駐車台数を優先することで描いていた間取りができなくなるということ。駐車台数と居住スペースを両立するために1階部分を駐車場にする方法(下駄履き建物)がありますが、下駄履きにすることで建築費がかさみ結果ローンの返済が増えることになります。
駐車場の台数・配置から取り組んだ事例
過去に関わった相談案件(1DK・12室の共同住宅)では、駐車台数24台(200%)を確保したプランを提案しました。また自社コンサルの物件(1K・12室)では、150%の駐車台数を配置することで高い入居率を保持しています。土地60坪のiホーム読谷・都屋建物の場合も、最初に駐車場配置を決めてから建築プランを立てることで駐車台数の複数確保ができました。
今回は、駐車台数、駐車配置を優先にプランを立てる考え方について取り上げましたが、駐車場が必要のない方、逆に駐車場を多くとりたい方、多くとりたいけど予算が難しい方とケースはそれぞれです。メリット・デメリットを考慮し、ご自身に合った建築プランを行ってみてください。言うまでも無いことですが、家族や各専門家への相談もお忘れなく。
次回は、不動産相続に多い共有名義問題についてお話しします。