こんな家に住みたい【特別編】 解決! 住まいの悩み 「収納を増やしてノビノビ暮らす」
- DATA
- 解決してくれた人:株式会社 Teach Plus(ティーチプラス)
営業企画部 課長 鈴木 良暢さん
採光や換気、生活音、部屋が片付かないなど、住まいに感じる悩みは尽きないものです。
完璧と思った間取りでも住んでみると……。
そんな「困った」を解決する本企画。
今回は片付けにスポットを当て、間取りに取り入れたい収納のコツやポイント、アイデアを紹介します。既存の住宅にも応用できますのでぜひ参考にしてみてください。
週刊かふう2024年5月24日号に掲載された内容です。
Point1.収納が足りないのは
収納が足りないと悩む人は少なくありません。これは、ただ単に荷物が多いからとは限らず、住み始めると荷物が徐々に増えていくというのも大きな理由のようです。
放っておけば物があふれ、常に散乱状態。それを解決するためにも収納がどのくらい必要なのかを知る必要があります。それと同様に、空間をうまく利用することも上手な片付けの鉄則。必要な収納スペースを意識しながら、無駄な動線をいかにしてなくしていくか、狭さを感じさせない空間の造り方を検討するのも重要なポイントになってきます。
Point2.居住スペースはそのままに
単純に収納スペースを増設すればよいかといえば、そうでもありません。生活空間が圧迫されるといった悩みがでてきます。
そこで着目したいのが、階段下や壁面、壁の内側、屋根裏、ロフトなどのデッドスペースの活用法。高低差や壁厚を利用した埋め込みなど、スペースの確保はもちろん視覚的な工夫で圧迫感を抑えることもできます。
趣旨は違ってきますが、現在は使っていない部屋や持て余している部屋があれば、思い切ってウォークインクローゼットやパントリー等にコンバージョン(用途変更)してみる。有効活用が収納の近道かもしれませんね。
【スキップフロア】
リビング奥を半個室のロフト仕立てに。リビングやキッチンの気配を感じつつ、プライバシーとすっきりした収納を確保
【屋根裏】
屋根裏収納のメリットは、かなり大きなスペースを利用できること。スケルトンリノベで姿を現した天井の広大な空間に、畳を敷き詰めた和モダンなロフトを造設。居住スペースと収納を確保した
【ロフト】
壁を隔て左右ならびに造りつけの机とクローゼットにロフトのベッドを配置。限られたスペースに子ども部屋2室を設けた
Point3.使う場所の近く収納
使う場所としまう場所が近いことも片付けの鉄則。家族が集まるリビングなら、そこで使うアイテムがまとめてしまえる壁面収納をつくると片付けが楽になります。
「造作家具」なら間取り、ライフスタイル、用途に合わせミリ単位で設計が可能。無駄なスペースがない機能性や、デザインと質感の統一感が魅力です。
既製の「システム家具」なら後付けも可能ですが、サイズはしっかりとチェックする必要があります。
意外と見落としがちなのが棚や家具の上部のスペース。キャビネットや収納家具を増設はストック品などの収納に向いていて、片付けの「あと少しが入らない」を解消できます。同様に床下収納も保存食や防災・避難用品の保存場所として最適。ただし、湿気や通気性への対策が必要です。
【壁面収納】
壁一面を本棚にしたリノベーション。ブックカフェのようにずらりとお気に入りの本を並べるもよし、コレクションを飾るもよし。書斎や寝室の格がワンランク上がるリノベ
壁の厚みを有効利用。洗面室にはニッチを設け、タオルや洗剤の収納スペースに仕上げた
【意外と収まる階段下】
大きな収納をつくりやすいのが階段下の空間。日常の生活動線を思い浮かべ収納品を決めるのがコツだが、ここではカウンターデスクを設置しワークスペースとして活用
階段の手すり壁に造った飾り棚。壁の一部を窪ませて造るニッチは、邪魔にもならず物を飾るための棚として重宝
Point4.収納も優先順位が大事
部屋の見える部分を片付けても、収納の中が乱雑になっていれば意味がありません。見えないからといって家具や棚の引き出しに物を詰めこむのをやめて、適した場所に適した収納スペースを作ることで、生活にゆとりが出ます。
住まいの悩みは、一見するとどうしようもないように見えますが、動線を工夫したり、実際に生活する様子をイメージしたりすることで、回避できることも少なくありません。それでも全てを解決することは難しいこと。まずは家族にとって特に譲れない家の条件について検討することからはじめてみましょう。もちろん整理整頓も忘れないでください。
【畳スペース】
リビングの一角に小上がりの畳スペース。下部を収納として使え、腰掛けとしても重宝
【造作家具】
リビングに造作したソファ&腰掛け棚
無印良品のファイルボックスがぴったり収まり統一感のある収納でスタイリッシュなおしゃれ感を演出
かなり広めのダイニングテーブル
スキップフロアの段差を腰掛けにすることで、開放感と動線を確保した