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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

多彩な色と光をまとった中庭のあるリゾート空間

多彩な色と光をまとった中庭のあるリゾート空間

DATA
所在地:沖縄市
家族構成:夫婦、子ども3人
設計:株式会社ワールド設計 一級建築士事務所(担当/平良進)
敷地面積:559㎡(約169坪)
建築面積:255.80㎡(約77坪)
延床面積:255.80㎡(約77坪)
用途地域:第一種中高層住居専用地域
構造:壁式鉄筋コンクリート造
完成時期:2015年9月
建築:株式会社りゅうせき建設
電気:東洋電気工事 株式会社
水道:HYS企画
キッチン:有限会社 モブ

夫婦と子ども3人が暮らすTさん宅は、外国人のご主人の生活スタイルに合わせたボリュームの大きな空間構成と、テーマを持って色・素材をコーディネートしたインテリアデザインが大きなポイント。すべての居室から中庭を見渡せる開放感も心地よく、キッチンを中心に家事動線も機能的にまとまっています。

多彩な色と光をまとった中庭のあるリゾート空間

天井が高く室内広々。「ワオ!」と感嘆の声が響く

 Tさんご夫妻が目指したのは、思わず「ワオ!」と感嘆の声が上がるような家。それは愚直に「いいもの」を求める純粋な欲求であると同時に、依頼した建築士に対する期待と信頼の現れでもありました。実際に4年前に出来上がった新居には、勾配屋根を生かした開放的なLDK、テーマカラーのターコイズブルーを中心とした多彩な採光窓、各居室に光と風を届ける水盤付きの中庭、といったこだわりの要素がちりばめられ、全体を見ればリゾート感あふれるホテルライクな住まいが実現。念願のかなったご主人は、引き渡し直後に一度ならずも「ワオワオワオ! と声を上げていました」とは奥さま談。
 家づくりの発端は10年近く前までさかのぼります。大通り近くの住宅街にある約169坪の旗竿地を購入し、当初は自宅以外の使途を中心に検討したものの、「敷地環境に合ったプランがなかなかまとまらない」ためしばらく保留。それでも建築士と頻繁に顔を合わせて相談を重ね、ようやくしっくりきたのが「夫婦と子ども3人、私たち家族が快適に暮らせるマイホームを建てること」でした。
 新居の形態はプライバシーを意識して、中庭を囲むように居室を配置した「コ」の字状のプランに。中庭を正面に望む位置にキッチンとダイニングを並べ、その右手にリビングと主寝室、左手に子ども室をレイアウト。また切妻屋根の棟の部分がちょうど中庭に連なる中央のラインに当たるため、とりわけキッチン回りは天井が高く開放感にあふれています。一方で東に開いた中庭の反対側、つまりキッチンやリビングの背面に当たる場所には大きくガレージを設置。側面には屋上に上れる階段も設け、夕涼みなどができるフリースペースにしました。


多彩な色と光をまとった中庭のあるリゾート空間

多様な素材で室内をコーディネート
家族の連帯感を育む住まい

 室内の装飾は異国情緒満載でロマンチック。例えばキッチン・ダイニングの妻側壁面に並んだ菱形の採光窓には、「家族5人の個性を表現したいから」とターコイズブルーを軸に5色の琉球ガラスをちりばめました。ちなみにこの菱形は、テーマカラーならぬTさん宅のシンボルフォルム。他にも天井のクロスの柄や建具の小窓などに用いられ、インテリア全体にリズム感を生み出しています。さらに新築直後にはキッチン上部の半円窓にステンドグラスを導入したことで、非日常感が一段と高まりました。
 シックに黒でまとめたキッチンは、空間の引き締め役であると同時に、家全体を見渡せる司令塔。中庭を望む窓の上部には現在、新たにステンドグラスを入れる計画があるそうですが、「キッチンから月見を楽しめる今の状態も捨てがたい」と奥さまは大いに悩み中。また正面を向いて右に行けば大容量のパントリー、左の戸を開ければ水回りと動線もコンパクトに組み立てられており、家事が効率的にこなせます。


多彩な色と光をまとった中庭のあるリゾート空間

 個室スペースも機能が充実。主寝室にはご主人専用の書斎机と、主に奥さまの衣類を収めたウオークインクローゼットを備え、中庭へも直接アクセス。鯉が泳ぐ水盤は、ご主人こだわりの造作です。一方で子ども室は、間仕切りを自在に脱着できる可変式。中庭を挟んで主寝室ともアイコンタクトが取れます。
 こんな具合にいいこと尽くしのマイホームですが、あまりにリゾートフルな住まいにしたがために、困ったことが一つだけ発生しました。「旅先でちょっとした高級ホテルに泊まっても、 やっぱりわが家が快適。早く帰りたい と家族全員が思ってしまうんです」。とはいえ長い目で見れば、それは家族の連帯感や家への愛着につながっており、「子どもたちは皆、 将来独立して家を出ても、いつでも気軽に帰ってこられるように、今と同じ温かい家であり続けてほしい と言ってくれている。家を建ててよかったとつくづく感じています」と奥さまは顔をほころばせています。


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