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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

開けた眺望と青空に家族の物語を描く家

開けた眺望と青空に家族の物語を描く家

DATA
設  計: 門一級建築士事務所
敷地面積: 676.32㎡(約204.58坪)
建築面積: 142.36㎡(約43.06坪)
延床面積: 132.49㎡(約40.07坪)
用途地域: 無指定地域
構  造: 壁式鉄筋コンクリート造
完成時期: 2024年7月
建  築: 株式会社 金城組
     (担当/立津友也)
電  気: 日章電気工事 株式会社
     (担当/神里真俊)
水  道: 株式会社 琉泉設備
     (担当/小橋川学)

週刊かふう2025年7月25日号に掲載された内容です。

海の眺望をベースに空間をコーディネート

 居心地の良さはディテールの積み重ね。見え方を丁寧に計算した窓の外の絶景が、Mさん宅の日常を彩ります。
「マイホームを構えるなら海が見える場所に建てたくて、実家近くで探し当てた土地。家族や親類らと一緒に心おきない時間を過ごしつつ、いつでも眺望を楽しめるように全体のプランをコーディネートしてもらいました」と話すご夫妻。キッチン正面にはダイニング・リビング・和室が真っすぐにつながり、眼下に広がる海に向かって視線が誘導されていきます。

開けた眺望と青空に家族の物語を描く家

 キッチン横にある約3.5帖のフリースペースは、コーナーガラスに囲まれているため屋外の雰囲気をより身近に感じることができ、「見ている景色はLDKと同じでも、趣が微妙に異なります。子育てが一段落したらここに一人用のソファを置いて、コーヒー片手にくつろぎたいですね」。

 海側以外の開口計画も工夫が満載です。例えばダイニング横にある2つの独立した子ども室は、隣地の緑を借景にした落ち着きある空間に仕上がっています。また和室の床の間には、ハイサイドライトによって切り取られた青空がぽっかりとのぞき、爽快な印象をたたえています。

開けた眺望と青空に家族の物語を描く家

ストレスのない生活動線が住み心地を高める

 Mさんファミリーは夫婦と子ども6人の大家族です。毎日子育てに追われながら効率よく家事をこなし、ストレスのない快適な生活を送るには念入りな動線計画が必須です。具体的には、キッチンのシンク回りをすっきりとした状態に保つために、背面にパントリーを設けて二方向から行き来できるようにプランニング。洗面室や室内干し場、ウォークインクローゼットなどは家の北西側にコンパクトにまとめつつ、ぐるぐると動き回れる回遊性を確保しました。

 子どもたちがどこにいても目が届くLDK回りの空間構成も、住み心地に大きく貢献しています。キッチン横にある前述のフリースペースは、現在は主におもちゃ遊びの場として運用中。物が散らかるのを未然に防ぎ、整理整頓の習慣づけにも役立ちます。

 Mさん宅の居心地のよさは子どもたちのネットワークを通じて一気に広まり、「日曜日でも朝8時にチャイムが鳴る。わが家は毎日大にぎわいです」とご主人。「本当はもっと好きな小物を飾ったり、観葉植物を育てたりしたいのですが、しばらくはお預けですね」。新居が完成してちょうど1年。昨年以上ににぎやかな夏になりそうです。

写真ギャラリー

開けた眺望と青空に家族の物語を描く家

視線と間隔をデザインする家づくり

 海に向かって開けた眺望を生かすことは大前提。その上で、毎日暮らしていてもその感動が薄れないように、建築上の仕掛けを盛り込みました。玄関から海側の景色はあえて閉じ、LDKとの間に細い通路を設けることで、一気に視界が広がった時の開放感を最大限に引き立てました。各居室からの眺めを考えるだけではなく、家の中を移動する際の視覚体験全体をデザインすることで、空間の魅力は何倍にも高まります。

 ここ数年は以前に増して、設計後も現場に出て微調整を行う機会が多くなりました。現場に立った時に新たな発見があったり、どこか違和感を覚えたりした場合には、妥協せずにプランを再構築することが大切で、完成後の品質に大きな差が生まれます。今回のMさん宅も、施工中に何度となく足を運んで職人と協議を重ねました。

 住宅設計の最終目標は心地良い居場所づくり。造形デザインや素材にこだわるより、「何だか気持ちいい」と思える空間をコツコツとつくっていくことが何より大切だと最近は感じています。

設計・施工会社

有限会社 門(じょう)一級建築士事務所

TEL:098-888-2401http://www.jo1q.com/

TEL:098-888-2401http://www.jo1q.com/

南風原町字津嘉山750-1

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