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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

小さな工夫と心地よさを積み重ねた23坪の敷地に建つ3階建ての家

小さな工夫と心地よさを積み重ねた23坪の敷地に建つ3階建ての家

DATA
設  計: スリースターズ 株式会社
     (担当/宮里歩)
敷地面積: 76.68㎡(約23.19坪)
建築面積: 48.80㎡(約14.76坪)
延床面積: 140.90㎡(約42.62坪)
用途地域: 第一種中高層住居専用地域
構  造: 壁式鉄筋コンクリート造
完成時期: 2024年8月
建  築: スリースターズ 株式会社
     (担当/宮里正信)
電  気: スリースターズ 株式会社
     (担当/宮里正信)
水  道: スリースターズ 株式会社
     (担当/宮里正信)

週刊かふう2025年8月1日号に掲載された内容です。

2階のワンフロアに生活機能を集約

 Hさん宅は夫婦と子ども一人が暮らす3階建て。生活の中心であるLDKは2階にあり、ベランダに面して並んだ窓の向こうには穏やかな港の光景が広がります。

「土地の広さは約23坪。必要な駐車場台数や居住性を考えれば、空間を縦方向に活用することは必須でした。中でも2階は、眺望を生かすこともさることながら、ワンフロア内で日常の生活動作が完結するように、LDKの隣に水回りやウォークインクローゼットをまとめてもらいました」とご夫妻は振り返ります。

 洗面脱衣室の戸を閉めれば公私の空間を完全に区切ることができ、一直線につながったLDKの抜け感が強調されるため、実際の面積以上のボリュームが感じられます。一方では「いろいろなものがすぐ手の届く距離にある。広すぎず狭すぎずの適度なサイズ感です」。

小さな工夫と心地よさを積み重ねた23坪の敷地に建つ3階建ての家

 3階には主寝室と子ども室に加えて、多目的に使えるオープンなフリースペースを配置。また駐車場奥の1階は応接的なワンルームになっており、近い将来に奥さまの編み物教室を開設する予定です。

小さな工夫と心地よさを積み重ねた23坪の敷地に建つ3階建ての家

暮らしが映えるように建物自体はシンプルに

 Hさんが家づくりのパートナーに選んだのは、優れた技術で良質なRC造を手がける建築会社でした。設計・施工の一貫体制を生かした自由度の高さに引かれ、「余計な装飾は極力省いてデザイン自体はシンプルにまとめながら、こだわるところは徹底したい」というお二人のスタイルにフィットしました。

 白を基調にして落ち着いたトーンにまとめた内外装は、「家具や小物、そしてこれからの暮らしが映えるように」と考えてのこと。プランの全体的な方向性は設計担当者に委ねつつ、窓の位置を微調整したり、手すりや照明の仕様を細かく指定したり、「私たちの要望にとことん向き合い、より良い形にブラッシュアップしてくれました。その積み重ねが結果的に、毎日の心地の良さにつながっていると思います」。

 LDKで過ごす日常の傍らには常に港の風景があり、「同じオーシャンビューでも、水平線まで見渡すような海とはひと味違った趣がありますね。港を取り巻く町の雰囲気を含めて気に入っています」。築後1年、Hさん宅は早くも町に溶け込んで、豊かな景観形成に貢献しています。

写真ギャラリー

小さな工夫と心地よさを積み重ねた23坪の敷地に建つ3階建ての家

一級建築士 宮里歩さん

 私たちスリースターズ株式会社は、注文住宅や集合住宅、店舗、宿泊施設などを手がける総合建設業・一級建築士事務所です。確かな技術と知識に裏打ちされた企画力と柔軟な行動力で、設計から施工までトータルにサポートします。

 今回のHさん宅では、制約の多い条件下でも制約を感じさせず、のびのび暮らせる空間づくりを目指しました。広さ約23坪という限られた敷地内でHさんの要望に応えるには、容積率や糸満市風景づくり条例に基づく高さ制限、勾配屋根など、クリアすべき課題が山積。まずは3階建てプラス屋上利用ができるように階高を調整し、直通階段の上下にトイレを充てることで、各階の居住スペースを最大限に確保しました。

 生活の中心である2階は、目の前の港に向かってスムーズに視線が流れるようにLDKを直線的に配置。隣り合う水回りはコンパクトにまとめて、戸1枚でリビングとの間を仕切れるようにしました。またテレビ背面のボードの裏側を収納にしたり、Hさんが所有する家電の数・サイズに合わせて壁を配置したり、空間を無駄なく有効活用しています。

設計・施工会社

宜野湾市赤道1-5-1

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