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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

家事・育児が楽しくなる 仕掛けがいっぱいの家

家事・育児が楽しくなる 仕掛けがいっぱいの家

DATA
所在地:浦添市
家族構成:夫婦、子ども1人
設計:合同会社アン一級建築士事務所(担当/安富祖理絵)
敷地面積:128.38㎡(約38.83坪)
建築面積:63.42㎡(約19.18坪)
延床面積: 110.86㎡(約33.54坪)
用途地域:第二種低層住居地域
構造:鉄筋コンクリート造ラーメン構造2階建て
完成時期:2017年11月
建築:有限会社大和住宅産業(担当/与那覇)
電気:合同会社屋宜電気工事(担当/新高)
水道:有限会社住設(担当/大城)

住宅密集地の坂の途中に建つYさん宅は、建坪20坪弱のコンパクトな2階建ての住まいです。視界や気持ちに変化をもたらす 仕掛け”を随所に盛り込み、数字以上の開放感を演出。
家事動線も効率的に整えて、大人も子どもも誰もが楽しめる快適な住まいに仕上げました。

家事・育児が楽しくなる 仕掛けがいっぱいの家

「ほどほど」のサイズの家をできるだけ広く見せる

 間取りの工夫一つで、暮らしはもっと楽しくなります。使える空間が限られていればこそ、視界や気持ちに変化を生む 仕掛け を巧みに忍ばせることが長く快適に住まうためのポイントになり、Yさん宅ではそれがリビングの吹き抜けやその段差を生かした子ども室、小上がりの和室など、家のあちこちに盛り込まれています。
「夫婦と子ども1人の3人家族。新居の広さはほどほどで十分と考えていましたが、友だちを家に呼んでワイワイ過ごすのが以前から好きだったので、たくさんの人が集まっても手狭さを感じず、ゆったりとくつろげる家にしたいと思っていました」と振り返るご夫妻。建築士とは土地探しの段階から一緒に相談を始め、密集地の坂の途中にある敷地を購入。面積が約39坪と「ほどほど」だった上に、4台分の駐車スペースを要望したためおのずと2階建てのプランになり、「できるだけ広く見えるようにリビングは吹き抜けにして、特に子育て中は何かと役立ちそうな、小上がりの和室を隣に置きたい」との着想が生まれました。
 完成後のYさん宅を見ると、1階はキッチン・ダイニング・リビングが真っすぐに連続し、リビングには6畳の和室が併設。フロア全体としてはワンルームでつながっていますが、吹き抜けになったリビングとDKとは天井高に差があるため開放感が際立ち、和室に段差あることでメリハリも感じられます。さらに建物と敷地境界との間にできた余白を活用し、リビング屋外に設けたデッキスペースも、空間に奥行きを生みだしています。
 ユニークなのが、LDの上部に置かれた2階2つの子ども室です。両室の間に間仕切りはなく、リビングの吹き抜けによって生じた段差が、それぞれの場を性格付けています。「主寝室には主人用の書斎をつくったので、いずれ一部屋は私用のスペースにしようかしら」と奥さまは企み中。子ども室の入り口の脇には、1階の様子をちらっとのぞける小窓が設けられています。

家事・育児が楽しくなる 仕掛けがいっぱいの家

家事・育児が楽な家は誰もが楽しめる家

 Yさんは子育て中の共働き世帯。そのためもう一つ強くリクエストしたのが、「家事をとにかく楽にこなせること」。水回りの動線計画は建築士のアドバイスに従い、キッチン以外の洗面室・浴室・トイレは2階物干し場脇にまとめて配置。廊下を挟んで目の前にはウオークインクローゼットがあり、一連の日常動作が一カ所で完結するようになっています。
 図面からも見て取れる使いやすさに加えて、「実際に住み始めてから、ここにはこんな配慮があったんだ、と気付くことが多いですね」と奥さま。例えば玄関ホールとキッチンの間にある引戸は、「来客時の視線やゲスト兼用のトイレの水音が生活空間まで届かないように」と提案され導入しました。他にも階段の採光を兼ねた浴室の換気スペースや、雨天・夜間用に導入したガス乾燥機なども住み心地向上に一役買っています。

家事・育児が楽しくなる 仕掛けがいっぱいの家

 家事ストレスが軽減されたことで、子育てにも余裕が生まれました。現在はまだ子ども室もリビングも関係なく、家中が遊び場の状態ですが、和室の引き出し収納の一つを1階のおもちゃ入れにするなど、整理整頓のしつけも楽々。やがて勉強が必要な時期になったら、まずは「キッチンカウンターを机代わりにする予定」とのことです。
 しかし本来このカウンターは、夫婦でゆっくりお酒を飲むためにしつらえたもの。また小上がりの和室は、友人らが集まって余興の練習などをする際の「ステージ」代わりになり、さらには「リビングの壁にはまだまだ余裕があるので、いつか大画面のテレビを買って、映画やスポーツイベントなどをみんなでワイワイ鑑賞したいですね」。家事・育児を楽にこなせることを目指した住まいは、暮らし全般が楽しくなる家だったということかもしれません。


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