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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

ほどよい距離感が睦まじい関係を育む、 豊かな住み心地を極めた家

ほどよい距離感が睦まじい関係を育む、 豊かな住み心地を極めた家

DATA
所在地:南風原町
家族構成:1階/夫婦、子ども1人
2階/夫婦
設計:伊礼設計室(伊礼智)
設計協力:A&C workshop(新垣朝憲)
敷地面積:314.95㎡(約95.3坪)
建築面積:129.77㎡(約39.3坪)
延床面積:231.64㎡(約70.1坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
構造:壁式鉄筋コンクリート造
完成時期:2020年8月
建築:株式会社アイムホーム(担当/三家本・當銘)
工事施工:株式会社アイムホーム(小谷)
電気:神谷電設(担当/神谷)
水道:日信工業株式会社(担当/貝盛)
キッチン:新垣材木店(担当/石原)

憧れの建築家・伊礼智さんに設計を依頼した外階段でつながる独立型2世帯住宅は、自然の光と風、眺望を活かした自然が寄り添う住まいです。

※週刊かふう2020年10月30日号に掲載された内容です。

ほどよい距離感が睦まじい関係を育む、 豊かな住み心地を極めた家

1階は清々しい畳間を主軸に展開した和モダン

「伊礼さんの著書をいくつも拝読して、自然の光や風を取り入れた住まいに対する考え方、その土地に合った暮らしを反映した設計に感銘を受け、ぜひお願いしたいと全員一致で決めました」
 開口一番、うれしさに満ちた笑顔で我が家への愛着を語ってくれたのは、施主となるOさんのお母さま。東京を拠点に全国で活躍し、本紙のコラム『僕の好きな風景』でも人気を博している建築家・伊礼智さんの手がけた作品が、今回ご紹介するOさんのお宅です。
 1階はご両親と妹さんが暮らす、和モダンの端正な趣を漂わせる3LDKの住まい。漆喰に火山灰を混ぜた白洲漆喰の内壁は調湿や防臭の効果があり、カビの発生を抑えたり、調理などで発生する匂いも吸着してくれます。北欧で多く見られる小幅板を貼った天井は住まいに洗練をもたらし、視覚的にも奥行きある広がりを演出します。
「家のどこにいても、この天井を見上げるだけでホッとするんです」
 と妹さんも微笑みながら、深い満足感を話してくれました。
「娘の部屋は わが家のおへそ 、最も工夫を凝らしているかも」
 とお母さまが説明してくれた妹さんの個室は掘り込み式のデスクを設え、視点を低めにすることで空間を広く感じさせる和室で、壁の一面にファイルボックスで収納を整える大型の棚を造作しています。照明の光源が視界に入らないよう棚の下に仕込んだライトも工夫の一つ。インテリアや住まいに関心が高いお母さまは、
「将来、娘が子連れで里帰りしたときなどにも多目的に使えると考え、個室は和室にしました」とのこと。
 いずれは仏間へと改装する予定の客間も縁なし畳を敷き、中央に掘り込み式の座卓を造作した和室。リビングとの仕切りした和室。リビングとの仕切りには腰壁を設け、その上部は障子の框と組子が同じ幅となる吉村障子で仕上げました。 
「一般的にはリビングと和室の間をひと続きにする設計もありますが、腰壁の上の障子を閉じると落ち着いた空間が生まれる、このスタイルが気に入っています」
 とお母さま。現在、そして将来の暮らしを見据えた住まいづくりが活きています。

ほどよい距離感が睦まじい関係を育む、 豊かな住み心地を極めた家

 いずれは仏間へと改装する予定の客間も縁なし畳を敷き、中央に掘り込み式の座卓を造作した和室。リビングとの仕切りした和室。リビングとの仕切りには腰壁を設け、その上部は障子の框と組子が同じ幅となる吉村障子で仕上げました。 
「一般的にはリビングと和室の間をひと続きにする設計もありますが、腰壁の上の障子を閉じると落ち着いた空間が生まれる、このスタイルが気に入っています」
 とお母さま。現在、そして将来の暮らしを見据えた住まいづくりが活きています。
 外観は大きな一戸建てに見えますが、建物の内側に外階段を設けた独立型の2世帯住宅。風雨をしのげる階段のおかげで、1階と2階の行き来がラクです。

ほどよい距離感が睦まじい関係を育む、 豊かな住み心地を極めた家

2階は勾配屋根を活かした、伸びやかな欧風スタイル

 外観は大きな一戸建てに見えますが、建物の内側に外階段を設けた独立型の2世帯住宅。風雨をしのげる階段のおかげで、1階と2階の行き来がラクです。
 2階はOさん夫妻が暮らす3LDK。間取りや仕様は1階とほぼ同じですが、キッチンと客間を兼ねる和室の位置が入れ替わり、キッチンには花ブロックの手すりを巡らせたベランダへ通じる勝手口を設置。勾配屋根を活かした高い天井のリビングは明かり取りの小窓がアクセントとなり、白州漆喰の壁に映った光が時刻や季節の移ろいを知らせてくれます。道路に面した主寝室にもベランダを設け、外からの視線を遮りながら通風と採光を確保するため花ブロックで目隠し。主寝室と個室はフローリングを採用した洋室に仕上げました。
 伊礼さんに全幅の信頼を寄せるOさんは、
「ほぼご提案いただいたファーストプラン通りに仕上げていただきました。意匠はもちろん、断熱性を高めた『家』の性能にオール電化を掛け合わせた快適な住まいです」
 と、その出来栄えに大満足の様子です。

 沖縄の自然、その土地の暮らし、住まう家族のライフスタイル。また、家と庭づくりが一体となって地域環境に寄与する美観。すべてが調和する家づくりに、信頼する建築家に出会えたOさん一家のときめきと喜びが伝わってきました。

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