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住宅情報紙「週刊かふう」新報住宅ガイド

こんな家に住みたい

感染症対策しながらより快適に楽しく 新しい様式が光る、スタイリッシュな木造住宅

感染症対策しながらより快適に楽しく 新しい様式が光る、スタイリッシュな木造住宅

DATA
設  計: HARMO design 株式会社
     (担当/岸田匡史)
敷地面積: 287.32㎡(約86.9坪)
建築面積: 66.27㎡(約20.0坪)
延床面積: 105.23㎡(約31.8坪)
用途地域: 第二種中高層住居専用地域
構  造: 木造軸組工法
完成時期: 2020年11月
施  工: 琉球ストーク株式会社
     (担当/川口幸治)
電  気: 南電設
水  道: 金田設備
キッチン: クリナップ

余計なものは持ち込まない、家の中にもリビングにも。
健やかですっきりとした暮らしをかなえた家は、誕生から約2年。
ますます「家にいるのが1番!」と笑顔の日々が紡がれています。

週刊かふう2022年10月14日号に掲載された内容です。

感染症対策しながらより快適に楽しく 新しい様式が光る、スタイリッシュな木造住宅

衛生習慣と家事をスムーズにする間取り

 Sさん夫婦が家づくりにあたり、まず要望したのは「外から帰ったらすぐに手を洗い、着替えてからLDKに入る」という一連の流れを完結できる間取りでした。

 時は今から約2年半程前、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され始めた頃。「たまたまタイミングが重なってしまいましたが、それ以前から家を造るなら衛生面にも配慮したいと思っていました」。

 完成した家は玄関に入ると動線が二手に分かれ、正面はリビングに、左手はサニタリー(洗面室)へとリンク。帰宅後はサニタリーに直行し手洗いとうがいを済ませたら、その足で隣り合わせのファミリークローゼットで着替え、カバンなども定位置に収めてそこからLDKに。洗面室とファミリークローゼットはLDK側にも開口を設けた回遊設計なので日常的な利用にも便利です。
 また、サニタリーにはアイロン掛けや衣類を畳むためのワークカウンターも設置され、洗濯の動線も集約。
「衛生習慣だけでなく、身支度に関するすべてがこのエリアでできるので家事もラク。リビングに余計な物を持ち込まずにすむので、理想のすっきり感が保(たも)てるんです」と奥さまが笑顔で話します。

感染症対策しながらより快適に楽しく 新しい様式が光る、スタイリッシュな木造住宅

爽やかな光の中で刻まれるおうち時間

 那覇市内の住宅街に新居を建てたSさんは、ご夫婦と小さなお子さん2人の4人家族、プラス愛猫1匹。第1子の出産を機にそろそろマイホームをと考えていた折、ご主人の実家の土地を受け継ぐかたちで家づくりが始まりました。

 RC造も含め、各社の完成見学会に参加するなかで、家づくりに対する思いに多くの共通点があった設計会社に依頼を決定。唯一気になっていた木造の強度については、丁寧な構造説明でしっかりクリアできたといいます。さらに「細かい要望にも丁寧に対応してくれて、一緒に作っていったという感じです」とご主人が改めて我が家を見渡します。

 LDKはコンパクトながらも吹き抜けの効果で開放感あふれる気持ちいい空間に。間口の向こうには一面緑の庭が広がり、涼やかな光景が窓辺を彩ります。内装のポイントは壁の白を基調に、黒のアイアンなどでラインを挿した硬質感のあるモノトーン。ダークブラウンの木のフロアとの調和も絶妙で、ご夫婦のイメージ通りの仕上がり。そんなスタイリッシュでナチュラルな様相はご夫婦の雰囲気にも通じ、初対面ながらSさんらしい家という印象を強く受けました。

 また、一面白の壁は豊富な採光プランと合わさり、家中に光を拡散。「電気に頼らない家にしたかった」というご主人の理想が実現されており、陽光を取り入れつつ熱は防ぐ複層ガラスが採用されています。そのため、ダイニングの窓辺に設けられたスタディーカウンターは陽光が降り注ぐ夏でも、暑さを感じない快適なスペースに。
 親子で肩を並べて利用できる長尺なのもポイントですが、「コロナ禍でのリモートワークに重宝しています」と利便性を実感されているご様子でした。
 キッチンは料理好きなご主人の要望で2列型を採用。機能的でデザイン性にも優れた仕様は、Sさんの家づくりのコンセプトにもマッチしています。ユニークなのは、階段下を有効活用して設計した猫ちゃんのゲージ。その扉には黒の鉄格子を用い、魅せる演出も高センス。

感染症対策しながらより快適に楽しく 新しい様式が光る、スタイリッシュな木造住宅

余剰が生み出す、暮らしの安心と豊かな夢

 2階は吹き抜け面にした約11帖のセカンドリビングが広がり、主寝室、洋室1室、トイレ、オープンクローゼットを配置。セカンドリビングは用途自由なスペースですが、将来は最大二つの子ども室を確保できるよう、あらかじめ下地が施工されています。また、洋室もコロナ対策の一つで、家庭内隔離が必要となった場合を見据えて設けられています。
 入居から約2年、今の暮らし心地をたずねるとご夫婦そろって「家で過ごすのが一番楽しく、家に帰るのがす楽しみになりました」と笑顔。くわえて、「いずれは庭の一部を畑にしてもいいかなって考えているんです」とも。そのあかつきにはきっと、成長したお子さんたちと収穫を楽しみ、ご主人がキッチンで腕を振るう──Sさんファミリーのおうち時間はこれからも豊かさを増し続けていくことでしょう。

写真ギャラリー

感染症対策しながらより快適に楽しく 新しい様式が光る、スタイリッシュな木造住宅

新しい生活様式が定着した今、
これからの家づくりの手本となる要素がふんだんに盛り込まれた先駆的な家

CEO / 一級建築士:岸田匡史さん

 今回の家づくりにおいては、私がかねてから思索していたコロナ対策に有効な動線と、Sさまご夫婦が望まれていたリビングと家事動線のイメージがくしくも一致。実は、コロナのような感染症対策に有効な動線は、平常の生活においても家事がしやすい、育児にも安心など、普遍的な住みよさと一致することが多いです。そこからSさまのライフスタイルや好みなど、理想とする快適性の実現を目指して、一緒に検討しながらプランを練っていきました。

 まず、コロナ対策としては次の四つに留意しました。①ウイルスを水回りで動線で除去し、LDKや居室エリアに持ち込まない ②通風による自然換気と十分な採光 ③テレワークに対応できること、ステイホームで家族の絆が深まるプランニング ④万一感染した時のために隔離でき部屋を確保しておくこと。
 ①については、Sさまが話されたように、コロナ以前から計画していた衛生的な動線と合致していたことも今回の家づくりの特徴の一つで、水回りエリアとLDKの2方向に動線を分けることで実現しました。同時に、回遊動線で2方向を結び、結果、1階全体をぐるりと回れるという、家事の利便性もかなえています。
 リビングの吹き抜けは開放感を創出するだけでなく、通常の天井に比べて効率良く自然換気が行える上に光を招き、この提案もご主人が希望していた「電気に頼らない家」、採光豊かな空間づくりにつながっています。
 ダイニングに設けたスタディーカウンターはテレワークに便利なのはもちろんですが、お子さまの成長とともに、家族みんなで学び合う楽しさを体験したり、知的好奇心を共有する場として活用されると思います。
 これらのことから、 Sさまの家はコロナ対策のみにとどまらず、施主さまの思いに寄り添いながら、さらに収束後も見据えた好例になるのではないかと思います。

 もう1点特筆すべきことは、奥さまが「整理整頓」された気持ちいい暮らしを大切にされていることです。整理整頓の習慣化は昔からの教えですが、お子さんの自立心の成長や、気づき・思いやりなどを養うことにもひもづき、弊社でも整理整頓アドバイザーによるサポートを行っています。

  HARMO deshinは、デザインを十分に理解したクラフトマンシップあふれる工務店と一体となって家を造り上げるアーキテクトビルドダーです。最大の特徴は、お客さまそれぞれのライフスタイルにフィットした明確なコンセプトプランから始める家づくり。HPで多数の実績紹介を行っていますのでお目にかけていただければ幸いです。

設計・施工会社

一級建築士事務所 HARUMO design(ハルモデザイン) 株式会社

TEL:098-996-4810https://okinawamokuzou.com/

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豊見城市豊見城574-20 かじゅまるビルヂング102

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