木造×二世帯×高性能 姉妹2家族が暮らすシスターズハウス

- DATA
- 設 計: 一級建築士事務所
ハルモデザイン
(担当/岸田匡史) - 敷地面積: 265.12㎡(約80.19坪)
- 建築面積: 111.84㎡(約33.83坪)
- 延床面積: 206.95㎡(約62.60坪)
- 用途地域: 第一種低層住居専用地域
- 構 造: 木造軸組工法 2階建て
- 完成時期: 2025年3月
- 建 築: ハルモデザイン 株式会社
(担当/岸田) - 電 気: ブルーワーク
(担当/末吉) - 水 道: 夢設備(担当/玉城)
- キッチン: クリナップ 株式会社
(担当/新里)
週刊かふう2025年11月28日号に掲載された内容です。

二世帯のメリットは共有しデザインは姉妹で個性的に
生活面でも経済的にもメリットの多い二世帯住宅。親子で建てるケースが一般的ですが、今回ご紹介するのは1階に姉、2階に妹家族が暮らすその名も「シスターズハウス」です。
ZEH仕様の省エネ性・快適性は姉妹で仲よく享受しつつ、お互いのデザインの好みやライフスタイルは個別に無理なくプランに反映させ、上下階で趣の異なる個性的な住まいをつくり上げました。
敷地は閑静な住宅街にあり、南側前面道路のはす向かいに公園を望む落ち着いたロケーションです。新居は木造2階建てで、中央の中庭を囲むようにして南側に開いた「コの字」形のレイアウト。建物形状に合わせて1・2階ともに3つのエリアにゾーニングされており、西側にリビング棟、東側に居室棟、そして玄関と水回りをまとめた機能棟が中央に配置されています。
モダンで表情豊かな外観は、姉妹が望む「おしゃれで個性的な洋館」をイメージしたもの。割石肌調のメインの外壁と中庭部分の木目の雰囲気が絶妙にマッチし、周囲の町並みにも貢献しています。
性能面では建物全体の断熱性・気密性を高めて快適な室内環境を実現。7キロワットの太陽光発電設備を搭載し、ZEHの認定を受けています。

アーティスティックな1階と食と憩いをテーマにした2階
1階姉世帯のコンセプトは「アーティスティックなシェアハウス」。エキゾチックで重厚感のあるインテリアは、「海外でのキャリアがあり、旅行が好き。ロンドンのソーホーのように多様性があって自由な空間にしたい」という要望を形にしたもので、場所ごとに多種多様な素材が使われています。さらに「緑をいつも身近に感じたい」とのリクエストに応えるべく、中庭に面したリビングの一部をガラス戸で仕切れるようにし、潤沢な採光を得ながら植物を育てられる「グリーンルーム」にしました。
2階妹世帯は「食と憩い」を楽しむカフェスタイル。「食は暮らしの中で特に大切」との観点から、LDK全体の緩やかなつながりを保ちつつ、キッチンとダイニングは独立性のある専用ブースとして計画しました。サードウエーブ系のカフェを意識してデザインしたキッチンは、リビングとの間にアイアンウインドーを組み込むことで程よい距離感を確保。ダイニングにはテーブルとベンチシートを造作し、食事をしながら家族の会話を育む憩いのスペースになっています。
勾配天井に包まれた2階リビングからは、ピクチャーウインドー越しに目の前の公園を展望。1・2階で姉妹それぞれの生活を楽しみながら、家族の絆を深めています。
写真ギャラリー

二世帯ZEHを建てるメリット
ハルモデザイン株式会社
一級建築士/一級施工管理技士
岸田匡史さん
沖縄にはもともと大家族文化・親族同居の考え方があります。近年は土地や建築コストの高騰などもあってその価値観が再評価され、二世帯住宅の新築が増えています。
一番大きなメリットは経済面です。大まかなイメージでは、2軒分の建設費に対して約400万円削減できます。また基礎と屋根を共有することで外壁面積が減り、外気温の影響を受けにくくなるため省エネ性が向上し、さらに太陽光発電を導入すれば、光熱費も大幅に節約できます。
税金対策としても有効です。親が所有する土地を生前贈与で受け取ることで、相続税の節税につながります。他にも一定の条件を満たせば、相続された土地の評価額を最大80%減額でき、不動産取得税や固定資産税も軽減・減免措置を受けられる場合があります。
生活面では、一般的な親子二世帯住宅の場合、育児・介護のコストを削減できる点が大きなメリットです。加えてZEH基準で建築すれば、日中は太陽光発電を自立運転し、夜間は蓄電池を使って数日間のオフグリッド生活をすることが可能となり、災害時も安心して過ごすことができます。
設計・施工会社
一級建築士事務所 ハルモデザイン 株式会社
TEL:098-996-4810 | https://okinawamokuzou.com/










