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ロングセラーズ by module #1 誰もが語りたくなる照明アイコン

ロングセラーズ by module #1 誰もが語りたくなる照明アイコン

週刊かふう2023年 11月17日号に掲載された内容です。

 

誰もが語りたくなる照明アイコン

PH5/ルイスポールセン

 

開発コンセプトが共感を呼び世界中でベストセラーに

 ルイスポールセンは、1874年に創業した北欧を代表する照明ブランドです。
 ポール・ヘニングセンをはじめとするデザイナーや建築家とともにさまざまな名作を生み出してきました。
 中でも1958年の発売以来、世界で最も愛され続けられたダイニングペンダントライトが「PH5」。ルイスポールセンのアイコンとして語られる名品です。そして、モジュールでこれまでで最も売れたペンダントライトです。

ロングセラーズ by module #1 誰もが語りたくなる照明アイコン

 PH5を見に来たお客さまからからよく聞かれるのは、「この照明一つで部屋全体を明るくできるでしょうか?」ということ。実は、PH5だけで部屋全体を明るく照らすことはできません。
 PH5は、ある領域だけを照らすように設計されていて(これには夜が長い北欧の照明文化が関係するのですが、その話はまた今度)、ダイニングに設置する場合、メーカーはテーブルからランプまでの高さを60センチと推奨しています。つまり、身長160センチくらいの人が立った状態ではライトを見下ろすくらいの高さということになり、私たちの生活環境ではあまり経験のない高さです。

 だからといって、暗いわけではないんです。照明には照度という明るさの基準があり、ダイニングの照明は300ルクス以上とされています。柔らかで穏やかな光のPH5の照度はどのくらいだと思いますか? 実は500ルクス。標準より200ルクスほど明るいんです。
 そのため、私たちはテーブルから70センチ(床から140センチ)を推奨しています。このくらいの高さでしたら、テーブルの上のお料理はおいしそうに照らされ、本の文字もはっきりと見える明るさをキープでき、食事をしていて頭上の照明が気になる、ということもないと思います。

ロングセラーズ by module #1 誰もが語りたくなる照明アイコン

電球を巧みに覆うシェードが理想的な光を創出

 実際に見ていただくとわかるのですが、PH5はどの角度から見ても、まぶしさを感じません。目に電球の光が直接当たることがないのです。これは、独特なフォルムのシェードにヒミツがあります。シェードの曲線は、正円ではなく少し崩れたアール。これは、アンモナイトなど自然界に見られる「対数螺旋曲線」を応用したといわれています。それにより光の反射や拡散がコントロールされ、どの角度から見てもグレア(まぶしさ)を抑えながら空間を理想的に照らすことができる構造となっています。

 また、PH5は、白熱電灯の形状やサイズを変える電球メーカーへの挑戦として開発されたという経緯もあり、電球の規格が変わるごとにマイナーチェンジを繰り返し、内部リフレクター(反射板)など、もはや当初の機能を失ってしまった部品もあったりします。
 まだまだ、機能やデザインについては多くの専門家がネット上で語っているので、興味のある方はぜひ検索してみてください。これだけ語りどころのある照明器具も珍しいと思います。

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※価格はいずれも『週刊かふう』掲載当時のものです

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