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納得! 目からうろこの土地評価 File.16 不動産評価におけるリスク②

納得! 目からうろこの土地評価 File.16 不動産評価におけるリスク②

新たな視点から不動産市況やポイントを考察する本コラム。前回は不動産評価におけるリスクのお話をしました。少し難しい内容だったと思いますので、今回はもうちょっとかみ砕いてお話したいと思います。

週刊かふう2025年5月2日号に掲載された内容です。

「重要事項説明書」でリスクを回避

 不動産を売買する際には、「重要事項説明書」というものを不動産仲介業者から交付されるとおもいます。これはその名のとおり、不動産に関する重要な情報やリスクについて記載された書類で、トラブルを未然に防ぐための非常に大切なものです。
 紙面の都合上、すべてをご紹介することはできないのですが、例えば隣地との境界が確定しているか、土地が借地であるか否か、自分が思うような建物が建てられる用途地域かどうかなど、多岐にわたる項目が記載されています。不動産の売買にあたっては、重要事項説明書の交付を必ず受けて、どういうリスクがあるのかを把握しておく必要があります。

納得! 目からうろこの土地評価 File.16 不動産評価におけるリスク②

「災害リスク」は大きなマイナス評価

評価におけるリスクの種類

 評価上のリスクとして考慮されるものは、次のような4つのカテゴリーに分けて考えることができます。

1. 立地条件
 不動産の所在地に関するリスクです。極論すれば、那覇市と国頭村では利便性や地価、災害リスクなどが大きく異なります。地震や水害など自然災害の発生しやすさも立地リスクに考慮されます。

2. 建物条件
 建物の築年数や設備のグレードなどに関するリスクです。築年数が古い建物は大規模修繕が必要なケースが多く、昭和56年以前に建築されたものは旧耐震基準であるため、地震による倒壊リスクも高くなります。さらに、古い物件にはアスベストなど現在では使用が禁止されている建材が使われていることもあり、解体・処分にかかる費用が追加のリスクとなります。中古住宅や投資物件を選ぶ場合は、なるべく昭和56年以降に建築されたものを選びたいところです。他にも古い物件にはアスベストなど現在では使用が禁止されている資材を使ったものもありますので、処分費用がいくらかかってくるのかといったリスクも存在しますね。

3. 競争力条件
 他の物件と対象となる物件の優劣を比較検討して査定されます。簡単にいえば、人気があるかどうか、利便性が高い物件であるかどうかみたいな感じです。一時期はやったデザイナーズマンションなどは当人気が高く需要が高いため、プラスのリスク要因として見られていました。SWOT分析などを用いて専門的に評価されることもあります。

4. その他の条件
 物件の所有形態に関するリスクです。共有物件や区分所有マンションなどの場合、建物の維持管理や建て替えなどで所有者の合意形成が必要となり、建物の維持ができないリスクが高まります。最近のトピックとして、マンションの建て替えは区分所有者の5分の4以上の賛成が必要であり、これがネックとなって老朽化したマンション建て替えが難しいことが話題となっています。老朽化した古いマンションの区分所有者がもはやどこにいるのかわからないなど空き家対策の問題とも関連しています。

 不動産に関わるリスクをすべてカバーすることは難しいですが、少しでもご理解いただけたでしょうか。法律にからむ部分もあって、少し難しい部分があると思いますが、建物については建物診断を行っている専門家もおりますので、特に古い物件などは建物診断を建築士などに実施してもらうなど、高い買い物になりますから、費用をかけて、チェックしてもらうことも必要だと思います。

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高層のデザイナーズマンションなど、独自のデザインがプラス要因として評価される

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